堀川を清流に
  堀川1000人調査隊2010

         活動の記録



   第28回 堀川1000人調査隊会議が新型コロナウィルス感染拡大防止のため
  
    中止になりました。この会議で報告する予定であった市民調査の結果をご紹介します。



    
 当初報告予定日  令和3年2月13日(土)  
        
        
⇒名古屋市による浄化の取り組みの報告はこちら(後日アップします)

        ⇒第28回調査隊会議のについて(後日アップします)
        



事務局より   令和3年2月17日
 
   令和3年2月13日(土)に、ウィルあいちで開催される予定で、中止となった、第28回堀川1000人調査隊会議で

  事務局から発表させていただく予定であった、第28ステージの市民調査の総括報告を紹介いたします。

    

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら

      
 まず最初に、第28回調査隊会議については、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため
緊急事態宣言が発出され、中止を余儀なくされたことについてご報告申し上げます。

 そのため、今回はホームページ上で皆様から28ステージにいただいた調査報告や写真などの
資料を基に分析した結果をご紹介することになりました。

 ただ、これを機に、今回初めての試みとして、以下の資料のポイントを動画でご紹介する
ダイジェスト版をご準備いたします。

 出来上がり次第、ホームページにアップしてご紹介させていただきますので、楽しみに
お待ちいただければ幸いです。

   
 さて今回の報告は、第28ステージ、すなわち昨年2020年9月から12月までに皆様からいただいた
データを整理し、過去からのデータの蓄積も活用して、堀川や新堀川についての分析などを行った
ものになっています。

 本日皆様にご紹介するポイントは次の通りです。

1.「堀川が、におわない川になってきた!」

2.庄内川がにごっているときは、堀川上流部も濁り、泡も発生しやすい!


3.堀川に捨てられているごみは、一握りの限られた人がやってるものなのだろうか?


4.水の色は黒くない、水に透明感もある、でも堀川の水面が黒く見えるのはなぜ?


5.北清水橋付近に浮遊ごみが集まるのはなぜか?


6.堀川に船が定期的に走ると、堀川の川底の環境が改善! 証明できたか?


7.新堀川のヘドロ浚渫から2年。その効果は?


   さて、最初のテーマは「堀川が、におわない川になってきた!」です。

 67ページをご覧ください。

 かつて、あれほど汚くて臭いといわれていた堀川ですが、今回の第28ステージの
定点観測隊の報告では、「無臭」つまり「におわない」という報告が75%に達する
ようになりました。

 13年前の第2ステージではその割合が48%であったことを考えるとこの13年の間に
劇的な改善が進んでいます。


 私たち一般市民が感じる印象において、川がにおうかどうか、というのは、とても重要な
ポイントですから、堀川がにおわなくなった、というのは、とても大きな改善だと思います。

 なお、ここまで堀川の水質が改善されてきたのは、市民と行政が協力しながら
長期間にわたって行政の様々な施策を市民が観察し、検証し、評価して次なる施策に
結びつけてきた成果にほかなりません。


18ページをご覧ください。

 行政、つまり名古屋市の施策は、市民の声を取り入れながらその都度できることから
順番に実施されてきたものですが、現時点で振り返りながら体系的に整理をすると
次の4つの施策にまとめることができます。

1)水の汚れを減らすための対策

2)新たな水源を確保するための対策

3)川底からの悪臭・白濁を減らすための対策

4)自然浄化機能を向上させるための対策


 水の汚れを減らすための対策は主に下水道にかかわるものです。

 堀川の水域は、合流式下水道という方式になっていて、雨水と生活排水が一緒のパイプに
合流して水処理センター(下水処理場)に送られる構造になっています。

 この合流式下水道の場合、ある一定の量を超える雨が集中的に降ると下水管が満杯になって
しまうため、あふれた下水が未処理のまま堀川などの河川に流出してしまう弱点があります。


 一定以内の雨であれば、川に流出することなく下水処理場まで送られた汚い水は、
処理場できれいになってから川に放流されるので、必ずしも合流式下水道が悪いとばかりは
言えないのですが、大雨が降った時は合流式下水道の弱点が出てしまうのです。


 それを改善するために名古屋市が実施してきているのが、下水処理場の高度処理など、
放流水の水質の向上です。

 また雨天時に直接川に汚い水が流れ込むことのないように、地下に雨水滞水池を作って
一時的に汚い水をためておいて、雨が止んだらポンプでその水を下水処理場に送る施設の整備です。

 これは合流式下水道の改善事業と呼ばれています。


 堀川では、平成22年度に堀川右岸滞水池が完成し、稼働を開始してから、数年後に効果が
みえはじめたことを私たち堀川1000人調査隊がデータで確認しています。

堀川が今のように、におわない川になってきたことに、この合流式下水道の改善事業が
大きな貢献をしていると私たち堀川1000人調査隊事務局では認識しています。


そのほかにも

  守山水処理センターの下水再生水の活用、

  浅層地下水の利用といった新たな水源の確保の事業、

  ヘドロの除去や、すぐに除去できない場所に砂をかぶせる覆砂(ふくさ)といった
  川底からの悪臭・白濁を減らす対策、

  自然の川の状態に近づけるため、浅い上流部に瀬渕を作って、自然の浄化機能を
  向上させる事業など、

多面的な事業が総合的、複合的に効果を表して、今の堀川になってきたと、
私たち事務局では考えています。


 これらの事業は、この14年間の私たち堀川1000人調査隊の活動の中で、私たち市民の提案も
とりいれていただきながら行政ができることから順番に実施していただいてきたものです。


 その効果を私たち市民が検証することで、行政はよりよい事業、より大規模な事業に
発展させてきていただきました。

 今、あらためてこれらの事業を体系的に整理することで、私たち市民もより科学的に
検証を続けてゆきたいと考えています。


 2つ目のポイントです。

庄内川が濁っているときは、堀川上流部も濁り、泡も発生しやすい!


 前回の27ステージの調査時に、庄内川からの導水が濁っていると堀川に影響があるのでは、
という報告がありました。

 そこで、事務局で現地を確認し、堀川への取水口のある水分橋付近の庄内川が濁っているときに、
北区の猿投橋付近で実際に濁りや泡があったのを確認しました。


 29ページをご覧ください。

 左上の写真は、庄内川ら堀川に取水している水分橋で撮影した写真です。

 頭首工のゲートによって水がせき止められ、その水が堀川に導水されています。

 昨年12月4日に撮影した写真ですが、せき止められた水が灰緑色に濁っているのを
確認しました。


 その下、つまり左下の写真は、少し下流の猿投橋で撮影した写真です。

 投橋下には2mくらいの滝のような落差がありますが、滝の下の水は灰緑色に濁っており、
水に含まれる成分によって白い泡が発生しているのを確認しました。


 一方、庄内川から堀川への導水は、色々な事情で、時々停止することがあります。

 昨年11月17日は、ちょうど庄内川からの導水が停止した日でした。

 この日の水分橋の頭首工は水をせきとめることをしていないため、右上の写真でおわかりのように、
上流からの水の流れは画面左の右岸側に寄ってしまっており、堀川への取水口に水は溜まって
いません。

 庄内川から堀川への導水はこうしたメカニズムで停止された状態になっています。


 庄内川からの導水が停止すると、堀川上流部では水量が一気に少なくなり水が枯れてしまうと
魚などが生息できなくなってしまいます。

 堀川には、こうした生態系維持と水質浄化のために、護岸に何か所かの井戸を掘って、
浅い層の地下水を放流していただいています。

 庄内川からの導水が停止した時は、堀川上流部の水の流れは、この地下水が主となりますので、
水量は少ないものの、水質はたいへんきれいになります。


 この11月17日、導水の停止していた日の猿投橋の落差の下流では、水は透明で濁りがなく、
白い泡もたっていないのを確認しました。

 それが右下の写真です。

 このように、堀川上流部の水質は、庄内川の水質に影響を受けることを今回改めて確認を
いたしました。


 3つ目のポイントです。

堀川に捨てられているごみは、一握りの限られた人がやっているものなのだろうか?



30ページをご覧ください。

わたしたち市民が、堀川の護岸の清掃活動を繰り返し継続していると、いつも同じ場所に
同じようなもの、例えば同じ商品の空き缶、同じ種類のペットボトルなどが捨てられることに
気が付くことがよくあります。

画面左上の写真は昨年7月3日に撮影したもの。その右の写真は同じ場所で10月2日に
撮影したものです。同じような空き缶が、同じように並べられているのがよくわかります。


大多数の市民は、そういう行為をされないのに、一握りの人がやっていると考えざるをえないのです。

善意でごみを拾い、清掃活動をする人たちと、ほんの一握りのポイ捨てをする人たちの
いたちごっこを、何とか終わらせることができないのでしょうか。


そういう問題意識が提議されています。

これらについては今少し慎重に調査データを集め、問題提議と解決のための提案をしてゆく
必要があるように思われます。



4つ目のポイントです。

水の色は黒くない、水に透明感もある、でも堀川の水面が黒く見えるのはなぜ?



85ページをご覧ください。

この28ステージでは9月〜12月のデータを集計していますが、市民調査隊の報告の中に
よくみると水は透明感が感じられるのに、景色としては水の色が黒く見える、という指摘が
ありました。

85ページの写真は、地球倶楽部調査隊から数多く送っていただいた写真の一部ですが、
早朝や夕方に観察した堀川は、「またしても真っ黒けの堀川でした」という印象が添えられて
いました。


 水の色は黒くない、水に透明感もある、でも堀川の水面が黒く見えるのはなぜ?


 この問題提議に対して、事務局で仮説を立ててみました。

 堀川の水質が改善され、透明度が一段と高くなっている、でも太陽の高度は低い、
この冬場に気づいた今の堀川の事実です。


 86ページは2020年の太陽の高度について整理したものです。

 夏場に比べて秋から初冬の太陽の高度が低いのがよくわかります。

87ページと88ページは、太陽の高度の高いときと太陽の高度の低いときの
堀川の色の見え方を整理したものです。
89ページは、調査した時間帯と見えた色を整理したものです。


朝の6時〜8時台と夕方の17時〜18時台は暗い色に見えていることが
多いことがわかります。


また時系列的に見ると、堀川の透視度が高くなってきた近年、
朝・夕に暗い色が増加する傾向があることがわかります。

 

90ページをご覧ください。

事務局では、これまでのデータから、堀川では透視度が改善すると
朝夕の暗色が増加する傾向があること、

雲により太陽光が遮られると暗色になる傾向がある、ということを確認しています。


 そこで事務局で建てた仮説は次の通りです。

堀川の水が透明感がある水になると、太陽の高度が低いときに、水深方向に光が届きにくくなり、
水面が全体的に黒く見えるのではないか、という仮説。


また、太陽の光の弱いときは、水面が黒っぽい色(暗い色)に見えることがあるのではないか、
という仮説です。
92ページをご覧ください。


 左側の上の写真は、太陽の光が強い状態、
 その右側は太陽の光が弱い状態、

同じ水面でも太陽の光が強いか弱いかによってずいぶん違った色に見えることが
わかります。


 また、その下の写真は、建物や橋などで太陽の光が遮られた場所と、そうでない場所の色が
くっきりと分かれていることがよくわかります。


 水質がよくなって白濁がなくなってくると、こうした傾向がもっともっと強くあらわれるのではないか
と事務局では考えていますが、現段階ではまだまだデータが少なく仮そこまで立証できないため、
今はまだ仮説でしかありません。

今後の皆さんからの調査報告、レポートなどでそれが立証されてゆくのではないかと期待しています。


次に5つ目のポイントです。

北清水橋付近に浮遊ごみが集まるのはなぜか?


93ページをご覧ください。

北区の北清水橋付近では、水面を浮遊するごみが集積する様子がみられ、
その集積した浮遊物は、上流向き・下流向きに異動している様子が報告されています。

94ページをご覧ください。

 田幡橋からから志賀橋の間で、同じ浮遊物が行き来して、滞留する様子が
写真で記録されています。


97ページから100ページで

その様子をこれまでに調査隊の皆さんが撮影した写真をもとに整理してみました。


これをもとに、事務局で建てた仮説が95ページに書いてあります。


川幅が広がる場所があると流速が低下し、浮遊物が滞留しやすくなること、

さらに感潮区間では潮の満ち引きで浮遊物が移動・集積を繰り返す。


この仮説をこれからさらに検証し、今後の対策を行政とともに考えてゆきたいと思っています。


6つ目のポイントです。

堀川に船が定期的に走ると、堀川の川底の環境が改善! 証明できたか?



102ページをご覧ください。

定期船の運航頻度が高くなると川底の環境が改善するのではないか。

調査隊事務局では、これまでに立ててきたこの仮説を実証するために、数年にわたって
データを集めてきました。


 

101ページをご覧ください。

たまたま昨年令和2年11月に名古屋市のイベントで4週間の間に8日間定期便が
運航されました。

その前年、令和元年には2週間で5日間定期便が運航されました。


103ページと104ページはこの秋の堀川でクルーズが行われた時に撮影された写真です。


10月30日のクルーズではヘドロが巻き上がり水が濃い灰色に濁っていました。

 

しかしイベント後半の11月21日のクルーズのときはヘドロの巻き上げは
確認されませんでした。


船が定期的に運行を繰り返すことにより、こうした状況の変化が生まれました。
105ページをご覧ください。


 令和元年と令和2年の10月と12月のデータを比較すると、運行回数の多い
令和2年のほうが水質が改善している、という傾向が確認されました。


 画面左下の黄色い枠の中に書かれている通り、船の運航頻度が高くなると、
水の汚れの印象、透視度、COD、色、あわ、においが改善することを今回
確認いたしました。


106ページをご覧ください。

調査隊事務局では、定期的な船の運航によって、その水域と堆積物が
定期的に攪拌されること。

それによって定期的にその水域と川底に酸素が供給されること

浮遊物の川底への沈降や堆積が減少すること

堆積物の中の硫化水素等を定期的に解放できること

  などが期待できると考えています。


 さらにまた、ヘドロは浚渫しても、また堆積しはじめますが、
定期的な船の運航による攪拌が続けば、ヘドロの再堆積を抑制し、
堀川の自然浄化能力の回復に役立つのではないかと考えています。


船の定期的な運航というのは、一見、観光など堀川の活用の面ばかりに光があたって、
採算性などで議論されることが多いと思われますが、船の運航は水質浄化という
副次的な効果も期待できるということになれば、定期船運航の価値は、
さらに高まるのではないでしょうか。


 定期船の運航によって堀川の水質改善につながる、と結論付けるには、
まだまだ現段階では時期尚早で、さらなるデータの積み上げが必要ですが、
興味ある仮説だと事務局では考えています。


最後に7つ目のポイントです。

新堀川のヘドロ浚渫から2年。その効果は?


33ページをご覧ください。

新堀川では、私たち堀川1000人調査隊が調査し、、市民がにおいを感じていた区間と、
行政がヘドロがたまっていると認識した区間がほぼ一致していたことから、
重点的な区間の早期のヘドロの浚渫を要望し、その結果、平成29年度と平成30年度に
悪臭対策として、堀川との合流部および新堀川上流部のヘドロの浚渫が行われました。


今年、そのヘドロ浚渫後、2年が経過しました。


この2年間に調査隊が集めたデータを分析した結果、最上流部から少し下った向田橋付近で、
改善が確認されました。


左の資料は、向田橋での改善の様子です。

向田橋では、「あわ」「におい」「色」の改善が確認されました。

ヘドロの浚渫の水質への効果は、まだまだ新堀川の全区間で確認されているわけではありません。


ただ、新堀川の全区間で魚や鳥などを確認することが増えるなど生態環境には着実な変化が
みられました。

 今後の自浄作用回復に期待がもてそうです。


ヘドロの浚渫後に、においや白濁が減少し、透明度が改善した理由として、
水中の酸素を消費してしまうヘドロなどの有機物が減少したことで、
水中の無酸素の状態が改善され、それによって硫化物の発生が減少し、
白濁の原因となる硫黄コロイドが減少する、というメカニズムが
働き始めたのではないかと事務局では考えています。



以上で事務局からのご報告を終わります。お疲れさまでした。








事務局より   令和2年10月10日
 
   令和2年10月10日(土に、ウィルあいちで開催された、第27回堀川1000人調査隊会議で

  事務局から発表させていただいた、第27ステージの市民調査の総括報告を紹介いたします。

    

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら


最初に連絡事項です。2点あります。

まず、次回の調査隊会議開催日についてですが、 令和3年2月13日(土)に、東区の

ウィルあいち、今日と同じ13:30から開催させていただく予定で会場を予約しています。

コロナの感染拡大が異常事態にならない限り開催いたしますので、ぜひご予定ください。



2点目。

スマートホンなどから定点観測を入力しやすいようにQRコードをつけました。

本日のこの報告書の表紙右下にホームページと定点観測入力フォームにとばせる

QRコードが印刷してありますので、ぜひ読み取ってお気に入りに入れておいてください。


現地で直接入力すれば、帰ってからパソコンで入力する手間が省けて便利かと思います。


さて前回2月に予定していた第26回調査隊会議は、新型コロナウィルスがこれから感染拡大を

してゆく前の段階で、大事をとって中止をいたしました。

結果は大正解だったと思いますが、このために準備していた資料をご報告することが
できませんでした。


本日、皆様に前回26回の資料を配布させていただきました。

   ⇒前回の資料はこちら

この中でも表紙に黄色い字で示してあります、

「新堀川ワーストランキングから考える汚れのメカニズム」という項目と、

「雨が降ると水が汚れるって本当?」という2点はぜひ皆様にご報告したい事項でしたが、

本日はより盛りだくさんの内容になっているため、これに触れることができません。

ぜひお帰りになってから目を通していただければありがたいと思います。


それではまず今回の27回の資料の目次をご覧ください。

黄色い字で書いてあるのが、今回新しく記述をした項目です。

これだけでも結構なボリュームになりますので、本日は項目を絞ってご説明

させていただきますが、あとでゆっくりとご覧いただくと興味深いと思います。



最初に27ステージの概況をご報告します。

このステージはコロナ禍の真っ最中であったため、皆さんの活動が停滞または

停止せざるをえない状態だったと思います。

このため事務局ではそれを補うため、3密を避けながら、こまめに定点調査活動を重ね

報告いたしました。


10ページのグラフをご覧いただくとお分かりになりますが、調査数そのものは

事務局が補った部分を含め、いつもより多くのデータを集めています。


反面、多くの人の目で見た堀川の平均的な姿をとらえる、という堀川1000人調査隊の

本来の趣旨からすると、一部の人の目でみた偏りが出た可能性も否定できません。


これから先は、極力本来の姿、つまり多くの人の目で見た堀川の平均的な姿と実態を
とらえてゆく、というところにできるだけ戻してゆきたいと思っていますので皆様の
ご協力をどうぞよろしくお願いします。




さて、この27ステージの堀川の水質の特徴についてご報告します。

22ページをご覧ください。(1)のところの赤い字です。

平均気温は平年よりやや高く、6月は統計開始以来1位の高温でした。

降水量は平年並みでした。


これは堀川の水質にとって、決して好条件というわけではなかったのですが、

(3)の4行目からの青い字を見ていただくと、水の汚れの印象、におい、川底からのあわ、

などに顕著な改善の傾向がみられました。



その2行下には、猿投橋から大瀬子橋の間でどぶ臭とヘドロ臭の割合が減少し、

無臭、つまり何もにおわないという割合が84%まで増加しました。




54ページのグラフをみてください。

無臭のグラフがジグザグ状になっていますが、夏場はいつも数値が悪く、

秋、冬によくなっていますが、今年は夏場の無臭の数値が84%と

驚異的に高くなっています。 

これは本当に驚くべきことだと思います。



もういちど22ページに戻ってください。4行目にかいてありますが、今回の調査結果は

新型コロナウィルスによる社会・経済活動の落ち込みの影響などが関係している

可能性があるかもしれません。


例えば人出が減ったり、生産活動などが停滞すると、下水道に流れ込む汚濁物質が

雨のときに流出する量がひょっとすると少なくなっていたのかもしれない、ということです。


こうした点については、今回の特殊な事情として今後考慮に入れていく必要が

あるかもしれないと考えています。



もういちど22ページに戻ってください。

4行目にかいてありますが、今回の調査結果は、新型コロナウィルスによる

社会・経済活動の落ち込みの影響などが関係している可能性があるかもしれません。


例えば人出が減ったり、生産活動などが停滞すると、下水道に流れ込む汚濁物質が

雨のときに流出する量がひょっとすると少なくなっていたのかもしれない、ということです。


こうした点については、今回の特殊な事情として今後考慮に入れていく必要があるかも

しれないと考えています。





表紙の下、2ページの目次をご覧ください。

黄色い字で書いてあるのが、今回新しくご報告する事項です。


まず、71ページをご覧ください。

これは、皆さんが感じた、堀川の印象が特に悪い場所を統計的データから

抜き出したものです。


まず北清水橋付近、次に天王崎橋から上流に向かって中土戸橋までの都心部、

尾頭橋から新洲崎橋付近。

そして御陵橋付近の印象が悪くなっています。



まず、71ページをご覧ください。


これは、皆さんが感じた、堀川の印象が特に悪い場所を統計的データから

抜き出したものです。


まず北清水橋付近、次に天王崎橋から上流に向かって中土戸橋までの都心部、

尾頭橋から新洲崎橋付近。そして御陵橋付近の印象が悪くなっています。


それぞれに要因があると考えられます。


まず北清水橋付近は、川幅が広がって、川底に汚れが堆積しやすい環境になっています。

つまり流速が遅くなり汚濁物が沈降しやすい場所です。


中土戸橋から天王崎橋付近は、海から上がってくる海水の潮の先端部になり、

川底に汚れが堆積しやすい場所です。


71ページの右の白い図に論文から抜き出したそのメカニズムの一端が説明してあります。


3番目に新洲崎橋から尾頭橋付近は、中川運河からポンプで送り込まれる排水の影響が

考えられる場所です。


4番目に御陵橋付近は、新堀川の影響が考えられる場所です。





この4か所のイメージを示したのが72ページです。


さてその中でも、今回中川運河からの排水の影響についてみてみたいと思います。

77ページをご覧ください。


平成29年、2017年の10月(つまり今からちょうど3年前)に露橋の水処理センターの高度処理が

稼働しました。


77ページの3つの図をご覧ください。

一番左が、露橋水処理センターの工事の前、つまり平成16年3月より以前の状態です。

今から16年ほど前です。


この時には中川運河には名古屋港からの海水が一日に7万トン、そして露橋の

下水処理水が6万トン、合計一日13万トンが松重のポンプ所のポンプで堀川に

排水されていました。


露橋水処理センターの改修工事が始まったのが平成16年4月です。

真ん中の絵です。

工事期間の約13年半の間、下水処理水の排水は停止し、名古屋港からの海水だけ

1日7万トンだけが堀川に排水されていました。


そして3年前の平成29年10月から露橋水処理センターの高度処理水の排水が始まりました。

露橋からの排水は3万トンは上流の堀止に放流され、残りの3万トンは露橋水処理センターから

直接中川運河に放流されるようになりました。

合計6万トンの高度処理水はとてもきれいな水です。

そして海水7万トンとあわせて、一日13万トンが堀川、つまり松重閘門付近に現在

排水されています。


 



この影響について、皆さんの調査結果のデータを整理してみました。


79ページをご覧ください。

これは、露橋水処理センターの高度処理施設の稼働前3年間と、稼働後の3年間について、

松重閘門より下流側が左の表、上流側が右の表として整理をしたものです。


まず左の列の項目というところで、水の汚れの印象についてみてください。


重閘門より下流では、高度処理稼働前に汚いまたはやや汚いと悪い印象を感じていた割合が

77%でしたが、高度処理稼働後は悪い印象が48%まで下がっています。


松重閘門より上流ではどうかというと、高度処理稼働前の悪い印象が84%から高度処理稼働後は

43%まで下がっています。 これはかなり大きな改善だと思われます。


もっと具体的に顕著なのがにおいです。

稼働前は、ひどくにおうからにおうという割合が下流側では12%だったのが0%に、

上流側では20%だったのが2%に下がっています。


無臭、つまりにおいは全く感じなかったという報告は下流側で69%から82%に上がっています。

上流側では、においは全く感じなかったという報告は稼働前の52%からなんと87%まで

あがっています。


つまり、私たち市民の五感の中でも特に大きな影響を持つ、「におい」についていうと、

露橋水処理センターが稼働したあと、中川運河からその高度処理水が排水されることに

よって、私たち市民は堀川のその付近でほとんど悪臭を感じなくなった、ということがデータで

示されたわけです。


ただひとつ注意しなければいけないのは、高度処理水が中川運河に放流されたことにより

中川運河、特に堀川に近い東支線の水質が改善したというのは容易に想像がつくのですが、

私たちはそれを証明するデータをもっていないことです。


また水質だけでなく、水の循環量に注目すると、工事期間中に海水だけの7万トンであったのが、

工事完了後は、海水+下水処理水の13万トンにふえている、つまり循環総量が増えていると

いうことです。


堀川でにおいを感じなくなったのが、水質の変化によるものなのか、循環量の変化によるものなのか、

またはその両方なのか、それがそれぞれどの程度きいているのか、そこまで説明するだけのデータを

現時点では私たちはまだもっていない、ということは押さえておきたいと思います。


ただ、水の循環量を増やすこと、下水の高度処理を進めることが、非常に大きな効果があること

だけは確実に証明されつつあると思います。

これは、今まだ悩みを抱えている新堀川上流部の水質改善に大きなヒントにつながって

くると考えます。




次に新堀川についてのご報告をしたいと思います。

87ページをご覧ください。


新堀川では前日、当日に雨が降ると、白濁系の色が多く出現することが

わかってきました。

87ページ下のホリゴンの吹き出しをご覧ください。


3行目です。

新堀川では雨とともに有機物が新堀川に流出します。

それが分解されるときに水中の酸素が消費されます。

そうすると酸素が少ない環境を好む硫酸還元菌が、流入した有機物をエネルギーとして

分解する時に硫化物が発生すると考えられます。

この硫化物が新堀川の色を白濁させます。

この硫化物が卵の腐ったようなにおいを発生させます。


皆さんの調査結果から、新堀川では雨が多く降ると有機物が流入して、白濁が発生

しやすい環境になりやすいことがわかってきました。


堀川でも以前そうだったのですが、新堀川でも調査件数が蓄積されてきて

こういうことが証明されてきました。





次に、新堀川では上流部と堀川合流部でヘドロが浚渫されてから2年になります。

この2年後の変化をまとめてみました。


89ページ90ページをご覧ください。


結論から言いますと、新堀川の最上流部に近い舞鶴橋から記念橋あたりでは

顕著な改善効果がまだ確認できていません。


しかし、やや下流の向田橋では、においがやや少なくなり、白濁系の色が減少しました。

ヘドロの浚渫により、においと色が改善したと考えています。





94ページをご覧ください。

4つのグラフの内右下の向田橋ではややにおう〜におわないがやや増加し、

少し改善が見られます。


一方ではその上の舞鶴橋では、ひどくにおう〜におうが増加しています。


 



95ページをご覧ください。


右上の舞鶴橋、左下の記念橋では、ヘドロ浚渫後に卵の腐ったにおい、

つまり硫化水素臭が増えています。


一方、右下の向田橋では「無臭、つまりにおいが気にならない」割合が26%、

つまり、4回に1回はにおいは感じなくなっています。



この違いがどこから来るのか、まだはっきり決めつけることはできませんが、

今の段階で、仮説的に考えられるのは、新堀川は海から見て入り江のようになっていて、

記念橋より上流では、向田橋付近と比べて、海水の満ち引きによる水の入れ替わりが

しにくいため、向田橋と同じようにヘドロを浚渫しても、上流では、改善が見えて

きにくいのではないかと考えています。



このことは、新堀川の水質改善のためにとても重要なヒントを示しているのですが、

単にヘドロを浚渫しただけではなかなか改善が見られず、水の入れ替わり、あるいは

循環といった要素が加わらないと、水質改善に結び付きにくいのではないか、と

思われるわけです。


先ほど、中川運河から堀川への水の循環量が位置に一日7万トンから13万トンに増えて、

松重閘門付近のにおいが減ってきたというご報告をさせていただきましたが、これは

新堀川の水質改善のヒントにもなってきているのではないかということを指摘させて

いただきたいと思います。


さて、ヘドロを浚渫した後の新堀川では、生き物の様子も少しずつ変化してきています。


100ページをご覧ください。

この27ステージでは5月14日に橋付近までボラの幼魚の群れが遡上しているのが

確認されました。

6月9日には宇津木橋付近でコノシロの群れが、5月22日には死んで間もないと思われる

ウナギも確認されています。

魚なんていない、というイメージがあった新堀川が少しずつ変わってきています。

 




101ページ、102ページをご覧ください。

鳥の仲間も新堀川で、多く確認されています。


川底の浚渫、堀留水処理センターの簡易処理高度化施設の稼働などで、

水中の酸素の状態が改善したと考えているわけですが、生き物の様子からも

新堀川が少しずつ変わってきていることが感じられることをご報告したいと思います。




さて、本日最後のご報告事項です。


堀川は、都心部を流れる中流部に問題が残っていて、早く何とかしてほしいということを

この会議でも、以前から名古屋市にお願いしてきているのですが、今回、その中流部を

さらに2つにわけて、天王崎橋より上流側を幅下橋まで、これを堀川Aとしました。


そして天王崎橋より下流の新洲崎橋から下流の大瀬子橋までを堀川Bとしました。

そしてこの堀川Aと堀川B、それに新堀川を加えて3つの区間を比較特徴を

みてみました。

それが103ページから107ページまでの資料です。


結論から申し上げますと、この3つは、堀川B(つまり下流)が一番印象が良く、

堀川A(つまり上流)、新堀川の順に印象が悪くなっています。


その決め手は、川底の貧酸素の状態の差ではないかと考えられます。


一般に川底が貧酸素状態になると、その状態を好む硫酸還元菌が働いて硫化物が増えます。

それが川の水を白濁させ、泡を発生させ、卵の腐ったにおいを発します。


103ページの表をご覧ください。

新堀川では、堀川A,、堀川Bと比べて汚いという印象を持つ割合が87%と断トツに

高くなっています。


汚くなっていると評価している根拠は、63%が色です。

その色がどんな色が多いかというと、貧酸素状態を示す、白濁系の色が58%にもなっています。


この白濁系58%という数字はその隣の堀川A,、堀川Bと比べ、断トツにおおくなっていることが

わかります。


においでみてみます。

ひどくにおう〜におう、つまり5段階評価の5と4の割合が、新堀川では43%と断トツに

高くなっています。


その匂いの種類は、腐卵臭(たまごの腐ったにおい、つまり硫化水素臭)が28%であり、

堀川Aの3%、堀川Bの1%と比べて断トツです。


つまり、新堀川の川底の状態は、ヘドロの浚渫は終わりましたが、まだまだ状態が

改善しているとはいえず、これから対策が必要であると考えられます。


では、どんな対策が効果がありそうか。それは堀川での成功体験がヒントになってくると思います。


その前に、堀川Aと堀川Bの違いについて少しご説明させていただきます。

引き続き、103ページの表をご覧ください。


堀川Aつまり上流側は印象が汚いという評価の4と5の割合が74%と、

堀川B(つまり下流側)に比べて高くなっています。


その評価の66%は色で、8%はにおいで評価されていて、その割合はいずれも下流側の

堀川Bより高くなっています。


色は上流側の堀川Aは白濁系とヘドロ系が高くなっていて、下流側の堀川Bは赤潮系、

つまり貧酸素ではないときにみられる色の割合が高くなっています。


ひどくにおう〜におうという5段階評価の4と5の割合は、上流側の堀川Aが29%、

下流側の堀川Bは17%と上流側の方が悪くなっています。


そのにおいの種類ですが、どぶ臭、ヘドロ臭の割合が高くなっています。


一方で下流側の堀川Bは無臭つまりにおいを感じない割合が64%と断トツに高くなっています。


これを整理してまとめますと、上流側の堀川Aは下流側の堀川Bと比べてヘドロの存在、

そしてそれが巻き上がる状態が目立つといえます。


それは、堀川Aの、特に納屋橋より北の上流側は、海水が遡上してくるときの、潮の先端部に

なりやすく、ふわふわしたヘドロがたまりやすくって、しかも簡単に巻き上がりやすい状態に

なっていて、それが、どぶ臭、ヘドロ臭、色の悪さにつながっていると思われます。



堀川Bの下流側は海に近く、水もいれかわりやすく、比較的ヘドロもたまりにくい、

酸素も供給されやすい状態になっていて、堀川Aと堀川Bはその点に違いがあると思われます。



104ページの右側、課題という欄をご覧ください。


堀川Aの地区では護岸整備に伴うヘドロの除去や合流式下水道の改善などの

ヘドロの再堆積を減らす施策が、現在実施されあるいは計画されていますが、

それらの効果がでてくるのを期待し、これから観察を続けてゆきたいと思います。



一方新堀川では、堀川に比べて水の汚れの印象がよくありません。

新堀川の課題は、川底で発生する硫化物に由来する色とにおいの、

日常的な悪化がその印象をさらに悪化させていることが課題です。


新堀川の汚れのメカニズムを理解し、効果的な対策を講ずるためには、

さらなる調査データの蓄積と整理が必要です。


そして、基本的には、雨が降った時に合流式下水道から流れ出す汚濁負荷の削減で、

汚れのもと、そのものを減らすこと、

それに加えて、水の循環量を増やす、あるいは導水するなど、水が停滞することを

防いで、川底の貧酸素化を防ぐこと、

たとえば船を定期的に運行させて水を攪拌して、水中に酸素を供給すること、

などが効果があるのではないかと事務局では考えています。


これらは、堀川で私たちが観察を続け、一定の効果を検証してきたことでもあります。


新堀川がきれいになれば、堀川との合流部付近にも必ず良い影響がでます。


堀川での成功体験をヒントにして、行政には、ぜひ新堀川でも水質の改善を進めて

いただくと同時に、まだまだ問題の残る堀川Aの水域のさらなる改善をはかっていただき、

わたしたちもその効果をしっかり検証してゆきたいと思います


以上で事務局からのご報告を終わります。お疲れさまでした。








以下は、令和2年3月13日付で掲載した関連記事です。



事務局より   令和2年3月13日
 
   結果的に中止になりましたが、令和2年2月29日(土)、名古屋都市センターで開催される計画であった

  第26回堀川1000人調査隊会議で発表を予定していた、第26ステージの市民調査の総括報告を

  ここでご紹介いたします。


   ※スライドの右側のコメントは、当日事務局が発表するつもりであった原稿をそのまま掲載、

    ご紹介しております。


    

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら

最初に連絡事項です。2点あります。

まず、次回の調査隊会議開催日についてですが、 
現時点ではまだ予約ができていません。

正式に決まりましたらまたご連絡させていただきますので、
ぜひご予定ください。

2点目。次回 堀川一斉調査について 

 定期船の運航と堀川の水質改善について調査を続けていますが、
春のフラワーフェスティバルのときの船の運航がどうなるか
現時点でまだ確定をしておりませんので、そのことがはっきりした段階で
調査を実施するかどうかも含め改めて一斉メール等でご連絡させて
いただきますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、本日ご報告したいことは非常にもりだくさんあるのですが、
時間の都合上、ポイントを絞ってご報告させていただきます。

まず全体像についてですが、資料の2ページをご覧ください。

本日のご報告の中で、新しい情報について黄色い字で表示してあります。

6.9 白鳥橋〜大瀬子橋付近でごみが帯状になるのはなぜ?
6.12 新堀川ワーストランキングから考える汚れのメカニズム
6.13 ヘドロ浚渫後の新堀川が改善
6.14 新堀川の水の色とその特徴を調べる
6.15 雨が降ると水が汚れるって本当?
6.16 第11回堀川一斉調査 (定期運航による堀川の変化)

本日は、このうちの6.15 雨が降ると水が汚れるって本当? と、
6.12 新堀川ワーストランキングから考える汚れのメカニズムについて、
を中心にご報告させていただき、後の項目については簡単にご紹介をして
あとで見ていただければという形で時間内でご説明をしたいと思います。
まず最初のお話ですが、先ほど名古屋市の上下水道局からの
堀川浄化施策の報告の中で、貯留管を入れて堀川に汚濁物質の
流入を防ぐことにより水質を改善する、というお話がありました。


私たちはこれまでの調査活動の中で、堀川は雨が降ると印象が悪くなる、
ということを繰り返し確認してきていますが、特に堀川の中流部については
水質の改善が遅れているし、中流部は名古屋の顔になる大事な場所なので
早く何とかしてください、と1年半前の2018年9月の第23回調査隊会議で
皆さんの一致したご意見として名古屋市に要望をしていました。

それにこたえていただく形で、今回上下水道局さんから貯留管の施策について
発表があり、そのこと自体私たちにとってたいへんありがたく喜ばしいことだと
思っています。

一方で私たちは、平成22年5月に堀川右岸滞水池が供用開始されたあと、
3年くらいたった、平成26年くらいからその効果が徐々に表れ、中流部をのぞく
堀川の各所で水質が改善してきていることも確認しています。

雨に対する対策をすることで堀川がきれいになってきていることを確認している
わけですが、今回、このような名古屋市からの発表がありましたので、あらためて
これまでのデータを分析しなおして、「雨が降ると水が汚れるって本当?」という
テーマでまとめてみました。

105ページをご覧ください。

ここに結論が書いてあります。雨が降ると水が汚れるっていうのは、本当でした。

また堀川よりも新堀川の方が水の汚れが顕著でした。

堀川はすでに堀川右岸滞水池などで対策が進んでいるのに対して、新堀川は
まだまだこれから、ということも言えますし、だからこそ、今度の名古屋市の施策の効果が
新堀川にも期待できる、ということでもあるように思います。

くわしく見ていきたいと思います。

105ページのタイトルの下に白い小さな字で書いてありますが、まず堀川については、
平成22年3月に木曽川からの導水が終わった後の第7ステージから26ステージまでの
10年間、水質の改善があまり進んでいない中流部の朝日橋から松重橋までの
調査データ1171件をピックアップし、調査の前日、当日ともに雨が降らなかった日のデータを
雨なし、として整理し、また調査の前日、当日に雨が降った日を雨ありとして整理しました。

また新堀川でも調査を始めてから26ステージまでの全データ784件を、堀川と同様に
整理をしました。


それを「水の汚れの印象」「透視度」「におい」「色」など、項目ごとに雨のある時とない時、
堀川と新堀川にわけて整理したのが105ページの表です。

その結果、水の汚れの印象、透視度については、堀川・新堀川ともに雨が降ると悪化して
いました。

その一方で、においとか色の変化(白濁)についてみると、堀川ではあまり顕著な違いは
見られなかったのに対し、新堀川でははっきりと悪化していました。

以前は、堀川でも現在の新堀川と同様、雨が降るとにおいや白濁がみられることが
多かったのですが、この10年のデータでは、雨が降ってもそれほど悪化しない川に
かわってきて、水質が改善していることがわかります。



また新堀川には、新堀川なりの独特の水の汚れのメカニズムがあるようです。

あとで別の項目の中で説明させていただきますが、新堀川は、構造的に水が
入れ替わりにくいため、硫化物が生成される環境になりやすく、汚れが長期化
しやすいのがその要因だと考えられます。


106ページをご覧ください。

堀川のデータです。きたない〜ややきたない 5段階評価の悪い方から2つの合計を
集計したものです。

雨なしのときはその割合が73%であったのに対して雨のときは80%に悪化していました。

まあそれにしても、中流部はやはり印象が悪いなあと改めて感じたことも事実ですが、
一方で73%と80%ではそんなに大差ないなあと思ったのも事実です。


一方で新堀川の方ですが、107ページをご覧下さい。

5段階評価の悪い方から2つの合計を集計したものが、雨がなしのときは74%だったのが、
雨ありのときはなんと90%にまで悪化しています。

雨が降ると新堀川ではほとんどの人が印象が悪くなっていますし、その悪化の度合いも
堀川と比べてかなり差があります。
108ページをご覧ください。透視度とCODを比較したものです。

透視度についてみてみると、左側の堀川では、雨がないときの堀川中流部では、
透視度が68cmであったものが雨が降ると50pまで悪化しています。


ちなみに私たちは過去のデータの分析で、透視度が70cmを超えるときは、
堀川の印象はそれほど悪くないという相関関係があることがわかっていて、
透視度70cmは市民の許容値であるとしています。

堀川の中流部は、雨さえ降っていなければ、ほぼ市民の許容値に近い値で
あることがわかります。


一方で新堀川では、雨のないときは市民の許容値の70pを超えて72cmに
なっていましたが、雨が降ると43cmまで一気に悪化していることがわかりました。



それに対してCODの方を見てみると、堀川中流部では雨があってもなくても
CODは11と変わっていませんでした。

一方で新堀川でも雨のあるなしにかかわらずCODは16で、COD自体は雨によって
悪化するわけではないけれども、そもそもの値が堀川中流部よりもずいぶん悪い
ことがわかります。
109ページをご覧ください。においと色についてみてみました。

においについて、5段階評価の悪い方から3つ、つまりひどくにおう、ややひどくにおう、
におうの3つを合計したものを比較してみました。


堀川中流部では雨のないときは21%(おおむね5回に1回臭いと感じるということですが)、
雨のある時は23%と顕著な違いは見られませんでした。


色の変化についてですが、汚濁物質が流れ込んで硫化水素が発生する時に現れる
白濁系の色の発生割合は、雨のあるなしにかかわらず、堀川中流部では25%で、
顕著な違いはありませんでした。
110ページをご覧ください。新堀川についてにおいと色をみてみました。


まずにおいについては、雨のないときでも新堀川では37%と、かなりにおいが気になる
ことがわかりますが、雨が降るとこれが54%まで悪化していることがわかりました。


硫化水素が発生する時に現れる白濁系の色についても雨のないときは34%であったものが
雨が降ると52%まで悪化していることがわかりました。


また堀川中流部の23%とか25%とかいう数字と比較してみると、上流部や下流部と比べ
水質改善が遅れている堀川中流部と比べても、新堀川は絶対値が悪いことがわかります。
以上の分析から、次のことが言えると思います。

1. 堀川でも新堀川でも、雨が降ると川が汚れるということが改めてデータで確認できた。


  それは、合流式下水道から雨が降ると川に流入する汚濁物質によって、透視度が下がったり
  硫化水素が発生して川が白濁したり悪臭が発生するためであり、
その結果、市民が堀川や
  新堀川を見た時の印象が悪くなっている、ということが改めて確認できた。


2. 一方では、堀川でも、特に水質の改善が遅れている中流部でさえ、これまでに実施された
   堀川浄化策によってそれなりの水質改善は進んでいて、特に合流式下水道改善のための
   堀川右岸滞水池などの効果によって堀川は新堀川と比べて状態が良くなっていることが
   あらためて確認できた。



3. したがって、今回名古屋市の施策によって新堀川でも合流式下水道の改善が進めば、
  新堀川でも水質の改善効果が大いに期待できそうであること。



4. またこのような考察が可能となったのはこれまでの13年間におよぶ地道な水質調査活動の
  継続によるデータの蓄積であって、これまでよくわかっていなかったり、裏付けのある説明が
  なかなかできなかった堀川・新堀川の水質改善には、こうしたわたしたち市民の活動と行政の
  施策の協働がこれからも大いに役立ってゆくのではないか、ということ。


 以上のようにまとめたいと思います。


さて2番目のお話として、新堀川でのヘドロ浚渫前の新堀川と浚渫後の新堀川の変化について
ご報告したいと思います。


私たちは以前、新堀川のヘドロの堆積している場所とにおいやあわの発生している場所が
一致することをつきとめ、悪臭のひどい新堀川では、ヘドロの浚渫を一刻も早くお願いしたいと
この調査隊会議で要望し、それを受けて昨年3月までに名古屋市が新堀川の上流部と堀川との
合流部のヘドロの浚渫を完了されました。


その半年後、つまり昨年9月の調査隊会議で4月〜6月に生じた新堀川での春〜夏に生じた
新堀川の変化をご報告しました。

このときは、ヘドロを取ったばかりの新堀川はちょうど畑を耕した後のようになっていて、
そこからヘドロやスカムの塊が浮いたりにおいがひどくなったりして、まだヘドロの浚渫の効果は
よくわからないので、時間をかけて観察を続けようということになっていました。


今回、9月から12月のいわゆる秋から冬にかけての調査結果を集計したのですが、今回は
前回と違って、かなりはっきりとヘドロの浚渫の効果がみられました。



95ページをご覧ください。

11月21日に撮影された写真ですが、最上流の鶉橋までボラの幼魚の群れが遡上してきて
カワウに追われて逃げ回っている様子が写っています。

生き物の様子だけ見ても変化が感じられます。

また新堀川の色やにおいにもはっきりとした変化が出ていました。

99ページをご覧ください。

ヘドロ浚渫前の24ステージ(つまり2018年9月〜12月)と比べ、
26ステージ(2019年9月〜12月)の新堀川では、硫化水素が発生する時に
現れる白濁系の色と、ヘドロ系の黒っぽい色が、はっきりとわかるほど
少なくなっています。



100ページをご覧ください。


5段階評価のいいほうの二つ、つまりにおわない、ややにおう、をたした合計は
浚渫前の49%から69%まで増えています。

その結果として新堀川を見た時の印象もはっきりと改善しています。


97ページをご覧ください。

きれい、ややきれい、どちらともいえないの5段階評価の上から3つを合計した割合は、
浚渫前の21%から浚渫後は47%まで改善しています。



98ページをご覧ください。

評価をした理由について分析をしたものですが、そうした評価をした理由について、
「におい」の割合が11%から6%までおよそ半減しています。


ヘドロ浚渫後初めて迎えた秋〜冬の季節に、新堀川は前の年と比べてあきらかに
印象が良くなっていて、その理由が、悪臭が減った、ということであるがわかります。


このように新堀川の悪臭が減った理由を考えてみたのが96ページに書いてあります。


96ページをご覧ください。

新堀川では2019年3月までに川底のヘドロ除去が完了しました。

また3月までに堀留水処理センターの簡易処理高度化施設が動き始めました。

それによって、新堀川の有機物が減少したと考えられます。

すると酸素の消費量が減少します。

それによって、水中の無酸素の状態が改善します。

昨年までは、酸素がない状態を好む硫酸還元菌が有機物を分解して硫化物を生成し、
堀川を白濁させたり硫化水素ガスを頻繁に発生させていたのですが、

ヘドロ浚渫後は有機物も減少し、貧酸素状態も改善して硫化物の生成、
硫化水素ガスの発生がへり、新堀川の白濁やにおいが減って川の印象をよくしてきた
のではないか、そのように考えられます。


また水中の酸素が増えたことによって、ボラなどの生き物も上流まで上がってきやすく
なったのではないか、と考えられます。


3つ目の話題に進めたいと思います。

9ページをご覧ください。

皆さんの長年の地道な調査活動のおかげで、堀川・新堀川をあわせて、
13年間で6,000件を超えるデータが集まってきました。

そして新堀川だけでも784件のデータが集まり、これまで、まだデータ数が少なく
分析まで至らなかった点についてもかなりいろいろなことが言えるようになってきました。


今回はこのデータを使って、新堀川の汚れのメカニズムと、新堀川浄化へのヒントを
ご報告したいと思います。

85ページをご覧ください。

タイトルは「新堀川ワーストランキングから考える汚れのメカニズム」です。

新堀川の汚れの特徴を整理してみました。

これは一年前に、皆様にご報告したものです。

まず、色についてですが、新堀川は堀川よりも「白濁系」と「赤潮系」の色が
多くなっています。

そして白濁系が多くあらわれるのは春の季節。
赤潮系が多くあらわれるのは夏の季節ということがこれまでのデータでわかっています。


次ににおいについてです。

新堀川は堀川よりもにおいがひどくなっています。

においの種類は、「どぶのにおい」「卵の腐ったにおい」が多く発生しています。

そしてどぶのにおいが約5割を占めています。

また、一年を通して卵の腐ったにおいが発生しています。

特に卵の腐ったにおいは秋に多く発生しています。

次にCODですが、これは有機物が多いかどうかの指標です。

新堀川は堀川の約2倍の20を超えた数値になっています。
そしてCODの数値が高いのは秋の季節だということがわかっています。

  

そして透視度ですが、これは透明感、にごりの指標になります。

堀川と新堀川の透視度はほぼ同じで64cm、季節による変化は顕著ではありません。
(堀川は冬場になるとかなりすきとおっていますよね)


86ページをご覧ください。

これまでに集まったデータを使って、地点別、月別、潮周り別に、
水の汚れのワーストランキングを作成してみました。

 集計した項目は、

  1.川底からのあわの確認頻度、
  2.ヘドロ(スカム)の確認頻度、
  3.卵の腐ったにおいの発生頻度、 
  4.白濁の発生頻度です。

さて地点別のデータからワーストランキングを整理してみます。

まず、川底からの泡の発生頻度についてですが、上流の鶉橋がトップ、
最上流の舞鶴橋が2位、記念橋が3位でした。

鶉橋を中心にして上流区間が多いようです。


次に、ヘドロ(スカム)が浮いているのを確認した場所については、
鶉橋、記念橋が同数でトップ。2位が宇津木橋、3位が舞鶴橋でした。

90ページをご覧ください。

卵の腐ったにおい、腐乱臭については舞鶴橋がトップ、鶉橋が2位、
宇津木橋が3位でした。

白濁の発生頻度としては、少し下流に下がった向田橋がトップ、
記念橋が2位、東雲橋が3位でした。


これをみると、泡やヘドロ(スカム)、腐乱臭は、堀留水処理センターの処理水(淡水)や
合流雨水(淡水)と海水がまじりあう場所で有機物を含む浮遊物質が集まって
川底に沈んで堆積しやすいのではないかと考えられます。


また卵の腐ったにおいが舞鶴橋でとトップなのは、川底(海水)で生成された硫化水素が、
堀留水処理センターの処理水の放流水が暖かくて軽いため川底の方の海水を持ち上げて
表層まで硫化水素ガスを持ち上げるためではないかと思われます。

このイメージは、少し戻って88ページをご覧ください。

絵の右のほうが上流、左の方が下流です。


新堀川は水深が深いため、上の方の水は満潮と干潮間に動きがあるのですが、
その下の濃い水色の部分の海水は水の移動があまりありません。


最上流の堀留水処理センター付近で淡水と海水が混ざりあったあたりで作られた
有機物の浮遊物質は、動きの少ない川底に沈んで堆積して、あわ、ヘドロ、スカムを
発生させます。

その状態で、水処理センターからの放流水が川底の海水を持ち上げることで、
においの成分を大気中に揮散しているのではないかと思われます。


 一方、白濁は少し下流の向田橋、記念橋あたりが多くなっていますが、硫黄がコロイド上に
なる反応がピークになるのに、少し場所を移動するだけの反応時間が必要なのかもしれません。


次に、月別にワーストランキングを整理してみました。


91ページをご覧ください。

月別の平均気温がオレンジ色の折れ線グラフ、降水量が棒グラフになっています。

92ページをご覧ください。


まず泡についてみると、7月がトップ、次が8月、3位が6月になっています。

7月、8月の平均気温は25℃を超えています。


腐乱臭のトップは7月です。2位は9月10月 3位は6月です。

ヘドロ(スカム)の発生頻度は春先の5月がトップ、2位が7月、3位が3月です。

白濁のトップは4月、2位は3月と5月、3位は3月です。
これに説明を試みてみます。

91ページのグラフを見ながらお聞きください。

 冬場は雨が少なくて、新堀川に流入する汚濁物質の量が少なくなりますから
川底に蓄積する有機物は少ないと思われます。

 また水温が低いため、川底の有機物の分解がされにくく、水中の酸素が
減りにくくなっていると思われます。

 そして有機物が分解されないまま蓄積していっていると思われます。

 そして春になると、川底に蓄積された多くの有機物が、水温が上昇する春先から
徐々に分解をはじめ、酸素を消費するので新堀川が貧酸素化してゆきます。

そういう状態のときに、硫化水素や硫黄のコロイドが生成されますので、
3月4月5月といった春先には硫黄コロイドによる白濁がみられ、ヘドロ(スカム)が浮いてきて
確認頻度が増えるのではないかと考えられます。


 また、7月に川底からの泡と腐乱臭がピークになります。

 これは梅雨のときの雨で、川底に有機物が蓄積しているところに、気温が一気に高くなって、
有機物の分解が増大するためであると考えられます。


次に潮周り別にワーストランキングを整理してみました。

93ページをご覧ください。

潮周りは、動きの少ない小潮から約1週間かけて若潮、長潮、中潮、
そして大潮と変化していきます。


94ページをご覧ください。

青いグラフが潮が満ちてきて海抜0mを超えたときです。

オレンジ色のグラフが、潮が引いてきて海抜0mより低くなった時です。

堀川と同じように新堀川でも潮が引いた時の方が、泡やにおい、ヘドロ(スカム)の
発生頻度が高くなっていることがわかります。


これは、潮が引いて水位が低くなると水圧が低くなり、水位が高かった時には
水圧で押さえつけられていた泡が、水圧が下がって、上の方に解放されやすくなるため
と考えています。


ヘドロ(スカム)も一緒になって浮いてくるのだと考えられます。

白濁に関しては、水位の高さによる違いはあまりないようです。

さて、もう一度93ページに戻っていただくと、オレンジの薄い部分が
海抜0m以下のときです。

あわ、ヘドロ(スカム)の浮上、腐乱臭、白濁とも、若潮から中潮の付近に
集中しているのがわかります。


これに説明を試みてみたのが93ページ右上の赤い字の見出しと黒い字の本文です。

読んでみます。

一日の間の潮位の差が大きくなり始める若潮・長潮・中潮のときに、汚れが顕著になります。

潮の動きが少ない小潮のときに川底に汚れの要因となる硫化物が蓄積され、潮が下がり始める
若潮・長潮のときの海抜0m未満のときに水圧が低下し、川底にたまった硫化物が上の方に
浮き上がってきやすくなる(つまり解放されやすくなる)のではないか?

以上をまとめて、それを新堀川の水質改善に結び付けるヒントを考えたものが
86ページに書いてありますので、86ページをご覧ください。

 右上のまとめのところです。


 読んでみます。

新堀川の汚れのメカニズムは、鶉橋を中心とした有機物の堆積と、川底に停滞する
海水の存在、水温、潮位(水圧)などに関係していることがわかってきました。

 新堀川に流入する浮遊物質(有機物を含む)を減らすこと、水温を下げること、
川底の海水を停滞しないようにすることなど、今後の対策を考えるためのヒントが
見えてきたように思います。

 その下のイメージ図を見ていただくとわかると思いますが、新堀川は、
平均の干潮時の水位の下にほとんど動かないと思われる海水が、
5mから6mもの深さで停滞しています。
 
この海水を動かすために、例えば中川運河や堀川の水を導水して上流から下流に、
そして海を通ってまた中川運河や堀川にというようにぐるぐるまわしてやれないだろうか、

定期船を、特に引き潮時に頻繁に走らせて、スクリューで攪拌してやれないだろうか、

などと夢を描いたりします。


また、新堀川より水温の低い地下水や堀川の水を、新堀川の上流部に導水して、
上流部の水温を少しでも下げられないだろうか、
水処理センターから出る処理水を何らかの熱回収・熱の再利用によって
少しでも冷ましてから放流できないか、などといった妄想が、具体的な施策として
実現できればいいのになと私は個人的には思います。



以上で事務局からのご報告を終わりますが、最初に申し上げましたように限られた時間で
すべてをご紹介ご報告することができませんでしたので、2ページの目次の黄色い字で
書いてある部分についてはあとで目を通していただければと思います。

お疲れさまでした。








事務局より   令和元年9月28日
 
   令和元年9月28日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第25回堀川1000人調査隊会議で発表された、第25ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら

最初に連絡事項です。3点あります。

まず、次回の調査隊会議開催日についてですが、 令和2年2月29日(土)に
都市センターで今日と同じ13:30から開催させていただきますので、ぜひご
予定ください。


2点目。次回 堀川一斉調査について お手元の資料をご覧ください。 

11月2日、3日、4日の3連休と次の週末9日(土)10日(日)に水上交通の
運航実験が行われます。

これにあわせて、秋の一斉調査を行いたいと思います。

春に行った一斉調査のときの動画を本日もあとでご紹介いたしますが、
この時の一斉調査をきっかけに今回非常に興味深い事実がわかってきて、
後ほどご報告させていただきます。

今度の一斉調査は秋のバージョンになります。
少しでも多くの動画、写真を集め、定期船の運航が堀川をきれいにする、という
私たちの仮説を証明して、堀川の浄化に役立てていただくよう行政に
働きかけてゆこうと思っていますので、ぜひ多くの方のご参加をお願いいたします。

調査方法についてはお手元にお配りした資料の表面の下に書いてありますが
通常の定点観測のほか写真とか、30秒くらいの動画をスマホなどでとって
できるだけたくさんメールで送っていただくと助かりますので、どうぞ
よろしくお願いします。


3つ目の連絡事項ですが、去る6月25日に、皆さんの活動が、日本水大賞の
国土交通大臣賞を受賞いたしました。

これは、グランプリに次ぐ実質的に2位に相当する非常に名誉ある賞です。

このとき配布された受賞活動集に、私の書いたレポートと、審査員の講評が
掲載されていますので本日お手元の資料にコピーを配布させていただきました。

私たちの活動を多くの人に知っていただき、ご理解ご参加いただける人を
増やしていくために、ぜひご活用いただければ幸いです。

以上がとりあえずのご連絡事項です。



さて堀川1000人調査隊の長期にわたる調査活動がこの25ステージで
丸々12年半になりました。

これまでの定点観測のデータはもう少しで6,000件になります。

写真データも無数にあって、今回もそれを使って色々と新しいご報告を
皆さんにさせていただけるようになりました。

また新堀川の定点観測データも600件を超えました。

その結果として、わたしたち市民から行政に対して、いろいろな要望や提言を行い、
それが実現することで堀川の水質もよくなってきました。

一人一人の力は小さくても、みんなの力が合わさると大きな成果につながっている
という点で、皆さんにぜひ誇りに思っていただきたいと思います。

それではその成果についてご説明させていただきます。



本日の皆さんへの報告事項のポイントは次の3つです。


1)    これまでも、堀川は満ち潮で水位が高い時と引き潮で水位が低い時では、
   印象や水質が違う、ということは何となくわかっていました。

    また上流部と下流部では、潮の満ち引きの影響がなんとなく違うということも
   漠然とわかっていました。

    今回、これまでに集まった膨大なデータを改めて整理したところ、
   堀川の水面が、海抜0mより低くなった時と海抜0mより高くなった時では、
   納屋橋より上流側と納屋橋より下流側で、堀川の汚れの印象や水質が
   違っていることを初めてデータで示すことができました。

    そしてこれは、春の一斉調査で皆さんが記録した動画とも結果が一致するという
   大きな成果があがりました。

    堀川は納屋橋より上流で海抜0mより水位が下がった時に水質が悪くなる、
   ということがデータで裏付けられましたので、今後の堀川の浄化施策に、
   ぜひ行政にも役立てていただきたいと思います。


2)    2つめは、新堀川のヘドロの堆積した場所ではにおいがきつく、水質が悪いので、
  ぜひ早くヘドロを浚渫してください、と私たちが要望し、名古屋市はこの前の3月までに
  新堀川と堀川との合流部、および新堀川上流部のヘドロの除去を完了されました。


    しかしながらその後、4月〜6月にかけての新堀川の市民調査で、小さなヘドロ、
   スカムが浮き上がってくるのが目立つようになった、においの頻度も悪くなった、という
   期待していたものとちょっと違う結果が出てきました。

    これについてはヘドロ除去後の一時的なことなのかどうか、今の段階では結論付ける
   ことができませんが、現段階での事実関係を整理してご報告させていただきます。


3)    3つ目は、熱田区の白鳥から宮の渡し付近の浮遊ごみの移動の様子やその
   メカニズムが、特に地球倶楽部調査隊さんのレポートで少しずつ明らかになってきた
   ことです。

    これまでの調査で、上流の方では五条橋付近と松重橋付近を浮遊ごみがいったり
    きたりして、潮廻りによって浮遊ごみが集まる場所などもわかってきていました。

     一方白鳥・宮の渡し付近でも、同じようなメカニズムで、ごみがいったり来たり
    しているのではないか、という仮説を立ててはいましたが、それを立証するだけの
    データがありませんでした。

    今回地球倶楽部さんから、たくさんの写真データをご報告いただいたことで、
   その実態が少しずつ分かり始めました。

    
本日は以上の3点を中心にご報告をさせていただきます。





ではまず、11ページと12ページをご覧ください。

これまでに皆さんからご報告いただいた定点観測データは、6月末までで5,773件に及び、
毎年400件以上のデータが蓄積されています。

これが堀川の実態解明に大きな威力を発揮し、名古屋市の堀川浄化策の立案・実施に
役立てられてきました。

この点が、今回の日本水大賞の受賞の大きな理由の一つになっています。



25ステージ、つまり今年の4月から6月の気象の状況を整理しておきたいと思います。


16ページをご覧ください。昨年の23ステージは、数日の周期で天候が変化し、
記録的な高温、多雨という特徴がありました。

今年の25ステージはそれと比較すると数日の周期で天候が変化したという点では
同じでしたが、晴れた日が多くて気温が高く、降水量は平年並みでした。

こういう一年ごとの気象の変化で、堀川の水質は毎年影響を受けますが、
長期的に見ると少しずつ改善の傾向にあります。

それはたとえば臭いの発生状況の変化で見るとよくわかります。



60ページをご覧ください。

グラフの上の方に、名古屋市が実施している堀川浄化施策が書いてあります。

その効果によって、年によって悪化する時もありますが、臭いの状況が少しずつ
改善に向かっていることがよくわかります。



61ページはこれを区間別に見たものですが、どの区間でも堀川の臭いの状況は
改善しており、堀川は臭い川、というイメージがだんだんなくなってきて、水辺を活用して
色々なイベントをしても問題なく実施できるようになってきています。





128ページをご覧ください。

堀川ではほぼ毎年、春から夏にかけて、大潮とまとまった降雨が重なった時などに
魚が大量死する現象が発生しました。

しかし、最近2年、平成30年から、この大量死は発生していませんし、最近
堀川には大量の魚がいることもわかっています。


こうした現象も、堀川が長期的に見て少しずつ改善傾向にあることを示していると
思います。


さて、本日の最初の話題です。70ページをご覧ください。

これまで、この調査隊会議では、名古屋の都心を流れる中流部、
具体的には名古屋城付近の朝日橋から松重閘門あたりまでの
都心の中流部に堀川は問題が残っている、という指摘をしてきました。


今回は、これまでの膨大なデータをもう少し整理し直して、名古屋の中心部を
東西に走る広小路通りを境にして、それより上流側の納屋橋から朝日橋と、
広小路通りより下流側の天王崎橋から松重橋までに分けてみました。




そしてもうひとつ、垂直方向にも堀川を分けて整理してみました。

そのイメージ図が69ページです。

堀川は潮の満ち引きの影響を受けますが、そのほぼ中心となる、
海抜0mで線を引いて、海抜0mより水面が高い満ち潮のとき、
海抜0mより水面が低い引き潮のときにデータを分けてみました。


69ページのAが下流側の満ち潮のとき、Bが下流側の引き潮のとき、
Cが上流側の満ち潮のとき、Dが下流側の引き潮のとき、こういう整理を
してみたのです。


データを整理してみたところ、堀川は海抜0mよりも水面が低い、引き潮のときには、
納屋橋より上流で水質が悪くなるが納屋橋より下流ではあまり悪くないということが
わかりました。


一方で海抜0mより水面が高い時には、納屋橋より上流でも納屋橋より下流でも
それほど大きな変化は見られないことがわかりました。


これまで、都心の中流部では、引き潮のときに堀川の印象や水質が悪くなる、
と私たちは指摘してきましたし、実際に現地でそういう実感を持っていましたが、
それをデータで裏付けることが今回初めてできました。


さらにその中流部でも、納屋橋より上流と、納屋橋より下流では、
上流のほうが引き潮による影響を受けやすい、ということが、
今回初めてわかり、データで裏付けされたのです。




もう少し詳しく見ていきたいと思います。

79ページをご覧ください。

これはにおいについてまとめたものです。

海抜0mより水面が高いときの下流側がA,上流側がCです。

AとCを比較すると下流より上流のほうがにおいを感じる回数は確かに多いのですが、
その回数そのものは決して多くありません。

上流側でも水色のグラフの一番右側、つまり昨年と今年のデータでは9%しかなく、
つまり10回に1回以下しかにおいを感じないのです。

下流側はまったくにおいを感じていません。


つまり潮が満ちているときは堀川は中流部でも堀川はほとんどにおいを感じていない
のです。


ところが、海抜0mより水面が低くなると様子が違ってきます。

納屋橋より下流の昨年今年のパーセンテージは6%しかありません。


ところが納屋橋より上流ではなんと臭いを感じる回数が60%にも達しているのです。


堀川がにおう川なのかどうか、というのは私たち市民にとって非常に大きな要素ですから、
納屋橋より上流の引き潮時に堀川は大きな問題を残している、と言ってよいと思います。





80ページをご覧ください。
色についてみてみます。

潮が満ちて海抜0mより水面が高い時には上流下流であまり顕著な違いは
みられません。


ところが潮が引いて海抜0mより水面が低くなると、ヘドロ系の黒っぽい色、
硫化水素が発生しているときの色である白濁系の色が上流の方で目立つように
なっています。これらの色のときの堀川は、ヘドロ臭、硫化水素臭を発生させます
のでにおいのデータとも符合します。


 



さてところで、海抜0mというのはどんな水位か、というのを写真で示してみました。

71ページ、72ページをご覧ください。

これらは引き潮のときの写真にピンクの線で海抜0mのあたりを表示したものです。

海抜0mというのは、ほぼ平均の水位と一致しますので、これからも護岸を見るときに
ご参考にしていただければと思います。




もういちど今度は77ページに戻ってください。

77ページはCODについてまとめたものです。

それぞれの棒グラフを比較していただきと、水面の高いAとCのときは、
左の下流側、右の上流側で比べると、下流の方が上流より多少は良い値に
なっていますがそれほど大きくは変わりません。


しかしながら、水面の低いBとDで比べると、明らかに上流側の方が数値が高く、
悪くなっていることがわかります。




こうした傾向は78ページのあわについてもほぼ同じです。

 



ところで事務局が注目したのが透視度についてです。
76ページをご覧ください。


海抜0mより水面が低い引き潮のときに、透視度だけは納屋橋より上流のほうが、
下流よりも数値が良くなっています。


この原因についていろいろ考えたのですが、透視度の調査は堀川の表層の水を
採水していますので、ひとつ考えられるのは、堀川の上流では名城水処理センターで
浮遊物質をろ過してから処理水が放流されていること、地下水が多くの場所で放流されて
いること、などから元々透視度が高いのではないか、

それから調査時に、たとえば採水した水を透視度系にいれて3回検査すると、
1回目より2回目、2回目より3回目とだんだん透視度の数値が高くなるという経験を
されている方がいらっしゃることから考えて、納屋橋より上流では、たとえば浮遊物が
攪拌されていても比較的早く沈降して透き通りやすくなっているのではないか、
ということを現時点では推測しています。


一方で納屋橋から下流は、名古屋港の海水の影響を受けやすく、名古屋港の海水は
SSという浮遊部室の数値が高いことが名古屋市の公表しているデータでもわかっていて、
おそらくは動植物のプランクトンが増殖しているため透視度が高くならないのではないかと
現時点では推測しています。



さて、春の一斉調査で皆さんから送っていただいた動画でも、以上のことがよくわかりますので
ご紹介したいと思います。


動画報告


以上で1点目の報告を終わります。



次に2点目の報告、新堀川のヘドロ浚渫後の状況についてご報告します。

99ページをご覧ください。

棒グラフは新堀川で確認された水面の浮かんだヘドロ(スカム)の確認の頻度を
昨年と今年で比較したものです。

青いグラフは昨年、オレンジ色は今年ですが、今年の方がヘドロ(スカム)が
浮いている確認頻度が明らかに多くなっています。


ところで、今回のこの報告では、ヘドロという言葉とスカムという言葉が頻繁に
出てきます。 

これについては、別紙の資料でご説明した思いますので、配布した資料をご覧ください。



写真を見てみたいと思います。
101ページをご覧ください。

ヘドロの浚渫前にはヘドロの大きな塊が水面に浮上しています。



102ページをご覧ください。

これはことし4月頃からみられる現象でヘドロが細かい塊で浮いています。



103ページをご覧ください。ヘドロが水面に広がっている状況とその拡大写真です

 



104ページをご覧ください。

調査の途中で川の中央部分の潮の流れが速くなってV字型にスカムが広がっている状態です。



105ページをご覧ください。

新堀川の両岸に小さな段があるのですが、その段の上にたまったヘドロが
満ち潮のときにはがれて水面に広がったのではないか、という様子がわかります。



その下の106ページをご覧ください。

小さな段の上で緑色の藻類が成長し、それがはがれて水面に浮かんだのでは
ないかと思われる様子が記録されています。


また舞鶴橋上流で、直径1mくらいの円形の中にちいさなあわが吹き出し
そのあとに黒いスカムが浮上してきて、同時に硫化水素集が発生していた様子が
記録されています。




107ページをご覧ください。

川底から浮上したスカムと小さな段の上から剥離したスカムが混在して
水面に広がっていた様子です。

スカムの集団は潮の流れや風の影響で河川の中央部に移動していました。




108ページをご覧ください。

向田橋付近でも大量のスカムが浮いていました。




109ページをご覧ください。

法螺貝橋や富士見橋付近でも大量のスカムが確認されています。


 



こうした新堀川のヘドロの浚渫後の変化は、定点観測の「におい」の項目でも
はっきり出ています。


113ページをご覧ください。

昨年の23ステージでは、ややひどく臭う〜ひどく臭うの割合が18%でしたが
今年25ステージでは36%まで増えています。

逆に、「臭わない」の割合は28%から16%に減っています。



114ページをご覧ください。

臭いの種類についてはどうかというと、どぶのにおいが41%から51%に増えています。

また卵の腐った臭いが18%から23%に増えています。

一方でヘドロの臭いは11%から10%と大きく変わってはいません。

 



一方、エコドコ応援隊さんが向田橋で定点観測を続けて下さっていますが、
ヘドロ浚渫後の色の変化に大きな特徴が出ています。

116ページをご覧ください。


浚渫前に多く見られた濃灰色、灰緑色が大きく減っていることがわかります。

この濃灰色、灰色、灰緑色はいわゆるヘドロ系の色で、向田橋ではヘドロ系の色が
大きく減っていることがわかります。。


逆に淡い黄灰色は3%から23%に増えています。

この色はいわゆる白濁系の色で、白濁系の色が増えていることは、水中に硫化物が
解放されて白濁している頻度が増えたことを意味しています。




そうしたコメントは115ページのまとめに書いてありますのであとで
ご覧いただければと思います。



以上の事から、新堀川でヘドロ浚渫後に何が起こったのかをまとめたのが
101ページと102ページです。


101ページに戻ってください。


ヘドロ浚渫前の@は、水温が低く雨が少ない冬の状態です。

新堀川の底には、堆積したヘドロの表面部分がやや固まっていた状態だったと
思われます。

ヘドロ浚渫前Aの絵をご覧ください。

春になって水温が上昇して雨が降ります。

新堀川には堀留の水処理センターからの処理水の放流に加えて、合流式下水道から
雨水が流出し有機物が供給されます。

これが、「どぶの臭い」の原因と思われます。

そしてヘドロの中で泡が生成されます。


ヘドロ浚渫前Bの絵をご覧ください。

ヘドロの塊(スカム)が浮上してきます。

このスカムは、表面部分が固まっているため、大きなヘドロの塊が大量の泡の浮力で
はがされるように浮かび上がります。

これがその上の写真です。




さて102ページの、ヘドロ浚渫後@の絵をご覧ください。

水温が低く雨が少ない冬です。

ヘドロの浚渫によってヘドロは除去され、底質の表面は除去工事でほぐされて
柔らかい状態になっていたと考えられます。


ヘドロ浚渫後Aの絵をご覧ください。

春になって水温が上昇し、雨が降ります。
堀留水処理センターからの処理水の放流に加えて合流式下水道から雨水が流出し
有機物が供給されます。


以前よりは少なくなりましたがヘドロの中で泡が発生します。


その右のBの絵をご覧ください。

底質の表面付近は柔らかいため、小さな泡の浮力でも細かいヘドロが浮上します。

これがその上の写真です。

4月頃からヘドロ(スカム)が細かい塊で浮上しているのが確認されるようになりました。


この泡は硫化水素で、卵の腐った臭いがしますし、合流式下水道からあふれた雨水で
新堀川はどぶの臭いがします。




99ページに事務局が立てた仮説が黄色い四角の中にまとめてあります。

まず4月にヘドロ(スカム)の確認頻度が増えた理由について。

ヘドロの浚渫作業によって、川底の泥が柔らかくほぐされた状態になりました。

このため水温が低い4月でも小さい泡の浮力で泥が水面に浮きあがりやすくなったと
考えています。


次に、6月にヘドロ(スカム)の確認頻度が増えた理由です。

4月以降小さい泡の浮力で水面に浮きあがった泥が新堀川の小段に堆積し、
そこに藻類がマット状に繁殖し、それが乾燥・剥離・浮遊したものが確認されました。


このヘドロ(スカム)は大量に長期間滞留しました。

その理由は、浮上直後の潮汐や気象条件によって、その表面の乾燥や、藻類が
マット状に繁殖したことで、浮力が増加したためと考えています。


これらのことが、ヘドロ(スカム)の確認頻度の増加につながったと考えています。







そこで、この先の見通しについてですが、現時点ではまだまだ継続的な観察が
必要だと思われます。


このまま来年にかけても、においや泡が、悪い状態のまま一層ひどくなってゆくのか、
あるいは今年はヘドロの浚渫直後の一時的な現象で、少しずつ硫化水素が水中に
解放されてゆくうちに、徐々に臭いが薄れてゆくのか、これからも継続的な観察が
必要だと考えています。


新たな施策として、雨が降った時の合流式下水からの汚い水の流入を減らすことも
必要だと思いますし、水源のない新堀川に新たな水源も必要だと思います。


そんなことを116ページの右下にまとめてありますのでご覧いただければと思います。


また、一つのヒントとして、堀川でも、船が定期運航を始めると最初の内は攪拌されて
強いにおいが感じられますが、運航が続いてゆくにつれ、臭いがしなくなってくる、
という現象が確認されています。


そうすると、例えば、新堀川の底を、定期的に耕してやるような感じで、硫化水素を
少しずつ解放してあげると、ひょっとすると新たな新堀川の浄化施策になるかもしれません。


以上で2点目の報告を終わります。




次に3点目のご報告です。


87ページをご覧ください。

白鳥・宮の渡し周辺の浮遊物の移動、集積のメカニズムが少しずつ明らかに
なってきたことをご報告します。

これについては、地球倶楽部調査隊さんが7月の終わりころから観察を開始し、
非常にたくさんの写真を送ってくださっているのですが、これがこれまでよく
わかっていなかった、この周辺のごみの動きについて貴重な情報となりました。





88ページをご覧ください。


白鳥周辺で見られた浮遊物は、黄色い楕円の中に書かれた木の葉、ヨシなどが
枯れたもの、護岸などに付着し成長した藻類が枯れてはがれたもの、レジ袋、
ペットボトル、紙などの人工ごみでした。


これらが潮の干満で移動、集積するメカニズムが少しずつわかってきたのです。




90ページをご覧ください。

これは、大潮などの潮の流れが速く潮位差が大きいときの写真から事務局が
仮説を立てたものです。


左側は下げ潮のときです。

水面を浮遊するごみは川の中央から両岸に押し分けられるようにして
水際に沿って流下していきます。


そして水門とか、船着場とか、石積みの護岸などに引っかかったりしながら
最終的に、新堀川との合流部(宮の渡し付近)のくぼみに流入して集積するようです。


次に右側の絵をご覧ください。

上げ潮から満潮の、水の流れが速い時間帯の浮遊ごみの動きです。

水位が上昇し、上流向きの強い水の流れが、くぼみや護岸、水際にたまっていた
浮遊物を上流に押し上げていきます。

しかしながら、上げ潮時にも上流からは一定の水の流れがあり、上げ潮と上流からの
流れがぶつかって表層の流れが停滞する場所にごみは集積されます。


その場所が熱田記念橋から瓶屋橋付近のようです。




89ページをご覧ください。

潮位差が小さい小潮などのときは、大潮のときのような顕著な浮遊物の
移動・集積は少ないようです。


下げ潮のときも、水際に沿ってごみが流下するのではなく水面に広がった状態で
流下するようです。


上げ潮のときも瓶屋橋から熱田記念橋付近に集まってはきますが、大潮の時ほど
顕著な集積はみられないようです。





91ページをご覧ください。

上の写真は、小潮など流れのあまり早くない下げ潮時間帯。
浮遊物が広がって流下する様子です。


下の写真は白鳥庭園横のくぼみにごみが集積している様子です。




92ページをご覧ください。

上の写真は、熱田記念橋付近に広がって停滞した浮遊物が、
引き潮の時間帯にはいり、まだ流れがあまり早くなっていないようで、
水面に広がりながら流下している様子をとらえたものです。


89ページの図で言うと、図2から図1の状態に移行しようとするタイミングです。





ここでちょっと面白いことに気がついたのですが、91ページの上のグラフを
ご覧いただくと、この日は大潮なのですが、1日に2回干潮があるのですが、
昼の干潮と夜の干潮では、最低の潮位が1m近くも違うのがわかります。


たとえば7月30日には、昼の12時の水位は平均の水位(海抜0m)より
1mも低いところまで下がるのですが、夜の干潮のときは深夜0時の
干潮時の水位は海抜0m付近までしか下がりません。

従って、大潮と言っても、潮位差の小さい夜の時間帯は、大潮であっても、
あまり潮の流れは速くなくて、小潮のときのような流速になると思われます。


 

従ってこの7月31日の早朝7時に撮影された写真なのですが、潮廻りは
大潮に間違いはないのですが、早朝はまだあまり潮の流れが速くない、
だから浮遊物もゆっくりと広がりながら流下していたものと考えられるのです。


この現象は夏と冬は逆転するそうです。

冬場は夜間の方が流れが速くなり、昼間は流れがあまり早くならないそうですので、
そういうことも頭に入れて浮遊ごみの観察をしていただくと興味深いかもしれません。


91ページの写真は白鳥庭園の横のくぼみにごみが集積した様子です。




92ページの写真はこれから流れが速くなる上げ潮の時間帯に護岸などに
付着、成長した藻類が枯れてはがれて帯状に浮遊している様子、
下の写真は昔の貯木場のくぼみに集積した浮遊物がくぼみから出て
遡上する様子をとらえたものです。




93ページの写真は新堀川に集積していた浮遊物が、堀川の上げ潮に
誘われるように、堀川の水面のほうに流れ出してくる様子をとらえたものです。


下の写真は、満潮に近い夕方の時間帯に、瓶屋橋から旗屋橋の間で
浮遊物が集積している様子です。

これは90ページの右の図4に近い状況です。


このように、今回、これまで想像はしていたものの実際にはよく整理できていなかった
白鳥・宮の渡し付近の浮遊物の動きが、かなり整理できるようになりました。


ゴミの動きがわかってくると、ごみの集め方やごみがたまりにくい護岸の整備など
についても市民から行政に提案ができるようになってきます。


地球倶楽部の長岡さんが毎朝散策しながら写真を撮影して送ってくださっていて、
今もその調査は継続中ですが、季節がかわり、潮の動きが変わってくるとまた違った
現象がみられるかもしれませんので、大いにその結果に期待したいと思います。



以上で事務局からのご報告を終わります。











以下は、平成31年2月23日付で掲載した関連記事です。



事務局より   平成31年2月23日
 
   平成31年2月23日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第24回堀川1000人調査隊会議で発表された、第24ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら




みなさんが第24ステージ(平成30年9月〜12月)に
調査活動をしていただいた結果の分析をご報告させて
いただきます。

最初に連絡事項です。

次回の調査隊会議開催日について 平成31年9月の(土)に
都市センターでと考えていますが、まだ予約がとれてないため
日時は未定です。後日またご連絡させていただきます。


次回 堀川一斉調査について

春のフラワーフェスティバルのとき定期船が運航しますので、
このときに一斉調査をしたいと思います。

船の運航日は、5月11日(土)、18日(土)、
19日(日)、25日(土)です。

 ⇒詳細は下記をご覧ください。


さて、堀川1000人調査隊の長期調査活動がこの24ステージで
丸々12年になりました。

これまでの定点観測のデータは5500件に迫り、写真データも
無数にあって、今回も色々なことが説明できるようになりました。

また新堀川の定点観測データも500件を超えました。

その結果として、わたしたち市民から行政に対して、いろいろな
要望や提言を行い、それが実現することで、堀川の水質もよく
なってきました。

一人一人の力は小さくても、みんなの力が合わさると大きな成果に
つながっているという点で、皆さんにぜひ誇りに思っていただきたいと
思います。

それではその成果についてご説明させていただきます



本日の皆さんへの報告事項のポイントは次の3つです。

1)    先ほどの名古屋市の報告でもありましたように、新堀川の
  ヘドロの浚渫や湧水の利用など、新堀川がホットな話題に
  なっていますので、今日はまず、今、新堀川に見られる変化の
  兆候、そして新堀川と堀川を比較しての新堀川の汚れの
  メカニズム、そしてこれからの観察のポイントについて整理
  していってみたいと思います。

2)    2つめは、11月に実施した一斉調査について、皆さんから
   送っていただいた動画を事務局で編集しましたので、
   それを使ってご報告したいと思います。

3)   3つめは、この24ステージで皆さんが集めていただいた
    データや写真などから、堀川の最新の状態について報告
    させていただきたいと思っています。



ではまず、128ページをご覧ください。

新堀川では、下流部で平成29年(2017年11月)から
平成30年5月(2018年)にかけてヘドロの除去と覆砂が
実施されました。


そして今年度引き続き上流区間でもヘドロの除去が
実施されました。


事務局では、新堀川の上流部で、今年1月にカワセミと
ボラの遡上を確認しました。

その時の写真がここに掲載してあります。


調べてみましたら、新堀川にボラが遡上するのは
決して初めてではないそうです。

平成25年度(今から5年前)には名古屋市の河川計画課が
実施した生物調査で5月、8月、2月に数は不明ですが
ボラが遡上したという記録があるそうです。

また3年前の平成27年6月には4cmくらいのボラの大量死が
発生しているそうです。


今年度については事務局が、昨年10月5日に20p程度、
30尾程度の群れを富士見橋で確認しました。

それ以降も10月、11月、12月、1月とボラを確認していますが、
今年はまだ、ボラの大量死は発生していません。


そういうことから考えて、今年の新堀川の水質が良かったことを
示しているのかもしれないと考えています。



それはおととし11月から下流部で実施したヘドロの浚渫、そして
今年度の上流部でのヘドロの浚渫と関係があるのではないかと
期待もしています。


以前は、ボラが誤って新堀川に遡上してしまうと、酸素が
不足して死んでしまう環境であったのが、ヘドロを浚渫した
今では、悪臭がして水質が悪いと考えられていた新堀川
上流部でも、20pクラスのボラが長期間、生きていられる
環境に変わっている。

そういうことに事務局でも大変驚いているところです。


そして今日のご報告の共通のテーマでもありますが、私たちは
透視度やCODといったデジタルなデータに加えて、汚れの印象や、
色、臭いといった人間の五感で集めたデータ、さらにに加えて、
生き物の様子についても観察を続けてきました。


実は、12年前の2007年、この定点観測活動を始めるときに
名古屋市さんと調査の内容について話し合ったときに私は、

「透視度やCODなどは市民として調査がしやすい。

 でも多くの市民にとって生き物は、まず名前もわからないし、
なかなか関心が向きにくいのではないでしょうか。

 堀川自体に、あまり生き物自体多くないですし、意味がないのでは?」
と発言したことを覚えています。


しかし、そのとき名古屋市の担当の方は、

「2010年にはCOP10生物多様性会議も名古屋で開催されるし
 生き物にはこだわっていきたいんです」

 とおっしゃり、今のかたちになりました。


当初は私の懸念した通り、皆さんの定点観測のデータに
生き物の記述(報告)はそれほど多くありませんでした。


しかし、木曽川導水が2007年4月に始まった、すぐその次の冬
1月に、最初のボラの大量遡上がありました。

また2月と3月の大潮のときに、そのボラが大量に酸欠死する
という事件が発生しました。


そんなことから私自身にも、生き物の様子が堀川の変化を
非常によく示しているのではないか、ということがわかりました。


あとでご報告しますが、今年は一年を通して堀川の状態がよく、
特に魚や鳥の姿がとても多く見られました。

数値などではなかなか表現が難しい堀川の環境の変化が、
生き物の様子で、とてもよくわかるようになってきた、


これが今回の皆さんへのご報告の中で大きなポイントだと考えています。


私たちは、新堀川で感じる悪臭や不快感を感じる場所は、上流部や、
下流部の堀川との合流点付近であることを 定点観測データで
気づきました。


また名古屋市が実施したヘドロの厚み調査で、ヘドロの厚い場所と
私たちが不快に感じる場所がほぼ一致していたことも確認しました。


そこで、上流部と合流点での新堀川のヘドロの浚渫を、ぜひ優先的に
実施してほしい、と、この調査隊会議で皆さん満場一致の意見として
名古屋市に要望してきました。


その結果として、こんなに早く!と思うくらいのスピードで、新堀川の
ヘドロの浚渫が実施されました。


そうしたら、なんと、新堀川上流部に長期間ボラが生息できるような環境に
変化し、カワセミまで確認される、わずかの間に、そんな川に新堀川が
かわってきました。


これは、私たちの活動のひとつの大きな成果ではないかと思います。



次に109ページをご覧ください。

私たちがきれいだと思っている、木曽川の色を犬山付近で撮影
してきた写真です。

木曽川の水の色は、隣の色見本でみるとHの灰黄緑色でした。


水の色はお天気や太陽光の加減で色々な見え方をすることは
事実ですが、私たちが都会で川を見て、まあきれいな川じゃない?
と思う川の色はこんな色なのではないかと思います。


反対に汚いと思うのは、その色見本の下にある「白濁系の色」
これは水が貧酸素状態になると発生する色です。

「ヘドロ系の色」 これは水底のヘドロが巻き上がった時に
見られる色です。

そして 「赤潮系の色」 これは、水中のプランクトンが増えすぎた
ときに見られる色です。


さて、今日もお見えになられているEcoドコ堀川応援隊さんが、
会社近くの新堀川・向田橋付近で2014年ころから定点写真をとり、
ブログにアップされているデータをお借りして、その色について
事務局で分析してみたのが110ページの資料です。


ヘドロ浚渫前は上段の円グラフ、左側が春〜初夏、
右側が秋から初冬のデータを抜き出して円グラフにしたものです。

下の段のグラフは、今年秋以降の、ヘドロ浚渫工事中の写真の
色を抜き出してグラフにしたものです。


秋から初冬のグラフを比較してみてください。
つまり右上のグラフと下のグラフです。


浚渫工事前は白濁系の色、つまり黄褐色、淡黄灰色が
約3分の1を占めています。

下の段をみてください。

浚渫工事が始まって以降、まだ工事は終わったわけでは
ありませんよ。

でも下のグラフからは、この白濁系の色がまったくなくなっています。

白濁、つまり貧酸素をあらわす白濁系の色が向田橋のデータから
なくなっているのです。

この色の変化が、20p級のボラが10月から1月にかけて長期間
生存していられる環境にかわってきたきたひとつの説明資料に
なるのではないか、と考えています。



もう少し見ていきます。

ヘドロ系の灰緑色は23%から5%に激減していますが、一方で
灰色は10%から21%に増え、濃い灰色は0%から11%に増えています。

これはヘドロの浚渫工事が真っ最中で、ヘドロが攪拌されていることと
関係があるかもしれません。


しかし、浚渫工事が始まっただけで、これだけの変化があったわけ
ですから、この工事が終わったこれから先は、水の色、におい、
そして生き物の様子に大きな変化があらわれる可能性もあります。


また、より条件の良くない春から夏にかけてはどうなるのか。


こうしたところが、これからの新堀川の観察のポイントになってくると
思いますので、ぜひこうした点に着目して観察をお願いいたします。



さて、ここで97ページにもどってください。


新堀川と堀川を比較して、新堀川の汚れのメカニズムについて
説明を試みようとしたのがこの資料です。


新堀川の水の汚れの特徴として、まず色はどうかというと、
堀川よりも、白濁系と赤潮系が多い

白濁系が多いのは春、赤潮系が多いのは夏、ということが
わかってきました。


においはどうかというと、堀川よりも新堀川のほうが臭いがひどい、

どぶのにおい、卵の腐ったにおいが多い、

どぶの臭いが5割をしめる。

年間を通じて卵の腐ったにおいがする、特に多いのは秋。


CODは堀川の約2倍の20mg/L で特に秋にCODが高くなる。

透視度そのものは堀川と同じ64cm  季節による変化はない。


そういうことが皆さんの集めたデータでわかってきました。


じゃ、それはなぜなのか?




98ページをご覧ください。

それを考えるためのポイントを整理したイメージ図です。


まず気象条件は、堀川と新堀川は同じと考えていいと思います。

海水が海から上がってくることについても同じです。


ちょっと違うのは、新堀川は最上流部で水処理センターの放流水が
あることです。

この放流水は、比重が海水よりも軽くて、年間を通じて温かくて、
どうしても有機物、窒素、リンなどを含んでいます。


これが原因で、新堀川を貧酸素化しやすく、ヘドロがたまりやすく、
硫化物が発生しやすくそして卵のくさったにおいを発生させやすく
なっているのではないか。


そうしたメカニズムを考えるために、新堀川の形状や、水の流れの
特徴を整理してみました。

そして、堀川の合流点付近と上流区間にヘドロが堆積するメカニズムが
みえてきました。




99ページをご覧ください

上は、堀川の川底の形状を示したものです。
下は新堀川の川底の形状を示したものです。

茶色いところが土の部分と思ってください。


新堀川は、最上流部までずっと深さが同じで、
潮の満ち引きで上の方の水は入れ替わるとしても
下の方の水は全体的に入れ替わりにくい、という
特徴を持っています。


特に小潮のときなど潮位の変化の少ない期間は
水が入れ替わりにくくなっています。

また特に、上流域の底の方の水は停滞しやすく
なっています。



100ページをご覧ください。

こうした新堀川の川の断面の形状から、事務局が
考えた仮説です。


まず、左下の仮説の説明です。

堀川との合流点付近にヘドロが堆積するメカニズムです。

この付近は、川幅が広がって、水の流れが遅くなっているため、
水の中に浮遊している物質が沈降、堆積しやすい、と考えられる
ことです。


また上流から流出した土砂や浮遊物(浮泥・・ヘドロのもと)が
川底に沈降、堆積しやすい、


堀川から逆流して流れ込んだ浮遊物(浮泥等)が沈降、堆積
しやすい。


次に上流区間にヘドロが堆積するメカニズムの仮説です。


主に水処理センターからの放流水と、雨の降った時に雨水吐から
流出すると考えられる浮遊性物質等が川底に沈降、堆積しやすい
のではないか。


101ページをご覧ください。

ややわかりにくいかと思いますので、単純にお話しますと、
年間を通じて新堀川上流部で水の汚れの印象が悪くなって
いる理由を説明しようとしてものです。


まず、新堀川上流部では、川底が深いために、水が
いれかわりにくい構造になっている。

そこに水処理センターから暖かくて軽くて有機物などを含んだ
汚れのもとがはいってくる。

雨の降った時には雨水吐からも汚れのもとが流れ込む。

水が停滞しやすいのでそれらの物質が沈んでたまり、ヘドロが
生成される。

そうした有機物を微生物が酸素を使って分解するために、
水中や川底が貧酸素の状態になる。

水温が高いので年間を通して貧酸素になりやすい。

貧酸素になるとそれを好む硫酸還元菌が働き、海水の中に
含まれる硫酸イオンと有機物が反応して、卵の腐ったにおいや
白濁の元になる硫化物を発生させる。


(参考)
酸素のないところを好む硫酸還元菌は、硫酸イオンを呼吸に使って、
有機物を分解してエネルギーにして生きています。

その際に硫酸を還元して卵の腐ったにおいや白濁の元になる
硫化物を捨てています。


ざくっというとこんな仕組みで、新堀川上流部はヘドロがたまりやすい、
一年を通して、色が白濁している、卵の腐ったにおいがしている、
そんな水環境ができあがっているのではないか



以上が現時点で事務局が考えている仮説です。


では、新堀川のこんな状況を打破して水環境をかえてやるには
どうしたらよいのか?



たとえば、これまでにも、新堀川は堀川と比べて水温が
年間を通して高くなっているため、水質改善が難しいのでは
ないか、という指摘がこの調査隊会議でもありました。


そこでたとえば、先ほどの話で、鶴舞図書館の湧水が
新堀川に導水されたとすると、その量的効果は知れている
かもしれませんが、多少なりとも水温を下げるという効果は
期待できるのではないかしらん?

そんな思いがいたします。


また、堀川は官民みんなのこれまでの努力で、特に冬場は
とてもきれいになってきているけれど、堀川中流から新堀川の
上流に堀川の水を導水してやったら、新堀川の上流部の水質は
劇的にかわるのではないだろうか?


そのような、色々な気づきや発想が皆さんからもいただけるのでは
ないかと期待をしています。

そうした声をぜひとも今後この会議などでとりあげて、提案・提言
していけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。


以上で、新堀川に関する報告をとりあえず終わりにして、次は
秋に実施した一斉調査の報告に移りたいと思います。


事務局追記

 名古屋工業大学河川計自由研究隊から提供いただいた
堀川・新堀川の同時観測記録をここでご紹介しました。

  その資料は下記でこちらでご覧いただけます

    ⇒堀川・新堀川の同時観測記録はこちら


(動画の上映)




ただいま動画で説明しました報告ですが、資料の111ページから
122ページにまとめてありますので、中身をご確認されたいかたは、
このページをあとでご覧ください。



さて、動画の中で出てきた、船がとおったあとにできる、
白い泡について少しご報告したいと思います。



事務局で当初検討したときに、この泡のもとは、事業(企業)活動や
家庭での生活排水に含まれる洗剤に由来する泡ではないか、という
見方をしていました。


しかし、一方で本当にそうなの? 

もしそうだとしたら、これを、特に家庭の生活排水を解決するのは、
相当に大きなキャンペーンを貼って、洗剤メーカーも巻き込んだ
一大ムーブメントをおこさない限り解決しないようなおっきな問題で
ほとんど解決不能なのではないの? という意見がでました。


そのときふと思い浮かんだのが、猿投橋の滝のような落差で
みられる白い泡の事でした。


今回、堀川の中下流部で一斉調査をした時に動画にうつっていた、
船の通った後にできる白い泡の正体はひょっとしたらこれなんじゃないか? 
というのが事務局会議での素朴な気づきです。


59ページをご覧ください。

左上の写真は今年1月11日に黒川樋門で撮影した白い泡の
写真です。

同じ日に撮影したのが真ん中の段、右の猿投橋の写真で、
かなりたくさんの白い泡がたっています。


実はこの白い泡については、今から11年前の第2ステージ
つまり平成19年から20年にかけての冬にすでに指摘されていました。


特に平成19年の12月頃には洗濯排水のような白い泡が
北清水橋付近まで堀川を真っ白にしていたのを私自身もみています。


この泡の正体は何なのか、当時みんなが色々調べていました。


そして私自身が確認したのですが、この白い泡は、12月中、かなり
激しく泡立っていたのですが、12月30日頃から1月4日まで
ぱたっと完全に消えていました。


そして1月5日からまた少しずつ泡が増えていって、やがてすぐに
元の真っ白な状態に戻ってしまいました。


そうしたことからこの泡のもとは、家庭排水ではなく、企業活動によるもの
ではないか、と確信に近い思いを当時もったわけです。


そしてどういう状態のときに猿投橋で白い泡が立つのかを調べてゆくうちに、
一年に何度か、庄内川からの導水がとまると、白い泡も消えることが
わかりました。


また白い泡が出るのは、11月頃から2月頃に多いこともわかってきました。




65ページをご覧ください。

この写真は、水分橋の上で上流側つまり東側を見て撮影したものです。


左の方から春日井市を流れる八田川、右のほうから庄内川の本流が
流れてきます。

それが水分橋の手前で合流します。

水分橋の下にはゲートがあって、このゲートをせき止めると、ゲートの手前が
プール上になって水位があがり、それが右のほう、つまり堀川に流れ込む
仕組みになっています。


このゲートを開くと、プールができなくなり、堀川には庄内川の水が
流れなくなります。

これが水分橋のところから堀川に導水する仕組みです。



さて、65ページの上の棒グラフは庄内川本流の流量を示したものです。


毎年11月頃になると庄内川本流の水量が少なくなってっていて、
2月頃まではずっと少なくなっていることがわかります。

おそらくこの時期の降水量に関係してのことだと思います。


堀川に流れ込む水は、八田川と庄内川本流の水を混ぜ合わせたもの
ですが、毎年この時期つまり11月頃から2月頃になると、八田川と
庄内川本流の水の割合、つまりブレンド率が、八田川の割合が
多くなるのではないか。

それは容易に想像がつくことです。


八田川の水には、その沿線にある事業所、工場などからの排水が
当然含まれています。

もちろん水質基準を守って排水されていると思いますが、11月から
2月頃にかけて猿投橋のところで白い泡が発生すること、そして
猿投橋の上に立つと、鼻につんとくる独特のにおいがするのですが、
それらが顕著な時期と、庄内川本流の水量が少ない時期が一致すること
を考えると、白い泡のもとは八田川にあるのではないか、と思われる
わけです。



一斉調査をした11月は、ちょうど庄内川の水量の少ない時期です。

だから、船の通った後の白い泡のもとは、ここにあるかもしれない、
それが今回のひとつの気づきでした。


それを証明するには今後皆さんの観察による報告が役に立つと
思います。


たとえば、今、中川運河では、定期船が週末に走っていますが、
中川運河でも白い泡がたつのであれば、中川運河には八田川の水が
はいっていませんから、堀川の白い泡の原因は、八田川以外の
別のところにあることになります。


また堀川でも、11月〜2月以外のたとえば5月に船の通った後を
観察したとすると、その時期でも、濃いか薄いかはともかくとして、
八田川からの水自体ははいってきていますから、泡そのものが立つ
可能性は高いのですが、たとえば11月には泡が消えるのに10分ほど
かかっていたのが、濃度がうすくなればもう少し早く消えるようになって
いるかもしれません。


今度の一斉調査は5月ですから、ぜひこうしたことにも着目いただければ
と思います。


また、例えば、他の都市でも河川には下水処理水がはいっていて
においがするような川があると思いますが、そのような川で、もし
遊覧船が走っていたとき、同じように白い泡がたっているかどうか

チャンスがあればぜひ確認してみたいと思うのですが、なかなか機会が
ありません。

皆さんも、もしそういう機会があればレポートしていただけると助かります。


事務局注

 この白い泡の件については、事務局報告後の意見交換のときに
様々な検討がなされました。

 名古屋市環境局からは、猿投橋の白い泡については10年前から
ウォッチをしているが、10年前と比較すると、界面活性剤の濃度は
随分低くなっていること、ペットボトルに水を入れて振ってみても最近は
泡がたたないことがある、などという事実が報告されました。

 また上下水道局からは、最近の家庭用洗剤は、品質がかなり向上
していて、かつては下水処理水からも白い泡がたつ可能性があったが
最近はほとんど心配しなくてよいレベルと考えている、ということも報告されました。


 また市民からは、泡については、生き物にとって大切な泡もあるので
泡が必ずしも悪いものと決めつけずに、丁寧に事実をあきらかにしていって
欲しい、という意見も出されました。




さて、最後の報告ですが、皆さんからご報告いただいた第24ステージの
堀川のデータのまとめに関するご報告をさせていただきます。

 今回の報告の概要については22ページから30ページにかけて、
概略がまとめてありますので、あとでゆっくり見ていただくことが
できますから、ちょっとマークしておいていただくとよいかと思います。

 時間の都合上、ポイントをピックアップしてお話いたします。



まず第24ステージについては、水の汚れの第一印象、透視度、におい、
などに顕著な改善の傾向がみられました。特に透視度については
朝日橋から大瀬子橋の間でもう少しで平均90pという状況でした。

この要因として、一つは気象条件も関係しているかと思います。


11ページをご覧ください。
黄色い字で、特徴、気温が高く、雨は平年並み、と書いてある下に、
雨は9月に多く、10月と11月は少なかった、と記載してあります。

10〜11月に雨が少なかったことで汚濁物質が、特に中下流部で
堀川に流れ込まなかったことが関係している可能性があります。


また23、24ステージを通して、堀川には上流中流下流を問わず
春からたくさんのボラやハゼの稚魚が確認されました。

つい最近では上流部に20cm級の大型のボラの大群が遡上して、
これが春先からいたボラが成長して上ってきたのか正確には
わかりませんが、そうであってもおかしくない、生き物豊かな堀川でした。


12月に木曽川上流の方々との上下流交流を白鳥庭園でしたときも、
ガイドの方が今年のユリカモメは例年の3倍くらい来ている、と
おっしゃっていましたし、船を運転していた東山ガーデンの船頭さんは
今年は、宮の渡しの船着場が鳥の糞でいっぱいで、掃除が大変だと
おっしゃってみえました。


そういった生き物の様子からも、堀川の水質がとてもいい状況だった
ことがわかります。




32ページをご覧ください。

水の汚れの印象をイメージしたものですが、一番右の24ステージに
向かって青い部分が広がっていっていることがよくわかります。




34ページをご覧ください。

肌色が春から夏、水色が秋から冬です。

一番右が今年ですが、昨年と比べて春も秋も改善していることが
わかります。

5〜3の許容できる範囲、という評価が今年は66%、
つまり3回に2回にふえています。




35ページをご覧ください。

春から夏は右上の中流部であまり改善していなかったのですが、
その他の区間でははっきりと改善の傾向がみられました。






36ページをご覧ください。


今年の秋から冬は、中流部でも改善がみられました。

昨年は中流部で濁りを伴う灰黄緑色のときが多く、中流部は
印象が良くなかったのですが、今年は覆砂の効果が出たのかも
しれませんが、中流部の印象が大幅に改善しています。




透視度をみてみましょう。

47ページをご覧ください。

中流部で覆砂工事が終わった後の昨年の春から夏は、
中流部の透視度が74pまで改善しています。






48ページをご覧ください。

同じ中流部の透視度が、89pまでのびています。


市民の許容できる透視度は70cm以上ということが
これまでのデータでわかっていますが、それを大幅に
上回っていました。






においについてみてみます。


71ページをご覧ください。


春から夏は中流部でのにおいは、10回の内4回弱と、目立った
改善はありませんでしたが、中流部以外の区間ではよくなっています。

もうほとんどにおわない、といってもいいレベルだと思います。






72ページをご覧ください。

夏はよくなかった中流部でも秋から冬は10回の内1回、
におうかにおわないか、というレベルで、堀川全体が
ほとんどにおいが気にならないレベルになっています。







77ページと78ページをご覧ください。


堀川で出現した色ですが、先ほど木曽川の犬山付近の写真で、
きれいな川は灰黄緑色に見えるというお話をしました。

ページで言うと109ページです。



77ページの春から夏、78ページの秋から冬と、
9番の灰黄緑色の割合がこのところ多くなっていることが
わかります。



84ページをご覧ください。

半年前のこの会議で、納屋橋付近ではいつも同じ場所に
同じ銘柄のタバコやコーヒーの空き缶が落ちているので、
本当に限られた方の行為ではないか、

何とか啓発用の注意看板を付けていただけないか、と
名古屋市さんに要望をいたしました。


現在、この写真のような看板をつけていただいています。

また、ポイ捨ての現場を見つけたときに、市の職員の方から
直接お話していただいたこともあるそうで、その場所では
それ以降、状態が少し改善しているようです。


小さな気づきと提案、地道な活動が、効果を発揮してくることを
期待したいと思っています。

 



最後に、生き物の話ですが、124ページをご覧ください。


12月の上下流交流で船に乗った時に、鯱城堀川と生活を考える会の方
から、フジツボは山王橋から下流で確認した、という情報をいただきました。


その情報をもとに12月25日に、事務局でフジツボの確認に行ったところ、
フジツボのほかに2枚貝が確認できました。









125ページをご覧ください。


フジツボの仲間は山王橋より下流、2枚貝の仲間は
錦橋より下流で確認ができました。








126ページがその写真です。

今現在、その貝が生きているかどうかまでは確認できませんでした。


 



127ページをご覧ください

コメントの下から6行目、フジツボや2枚貝は、一度着床すると
自分では動けません。

これらの種が成長しているということは、水の中に酸素がある状態が
続いている証拠です。

これらの生き物の様子からも堀川の水質が改善の傾向であることが
わかりました。


その下のカワセミの写真をご覧ください。


カワセミがエサを取っているところです。

右上の黄色い文字をご覧ください。


コンクリートの護岸でも凸凹がつくってあると、くぼみや排水管が
ベンケイガニやウナギのすみかになっています。


右下の写真が納屋橋のウナギです。

出っ張っているところはカワセミのエサ取り場になっています。

少しの工夫で生き物にやさしい環境が作り出せそうです。

今後、五条橋付近など、名古屋駅前の浸水対策をかねて
護岸工事やヘドロの掘削がおこなわれるとのことですが、
街の雰囲気を大切にする観点からも、生き物のゆりかごにする、
という観点からも、ぜひコンクリートに模様を描いただけの護岸
ではなく、少し工夫した護岸にして、都心の水辺をうるおいある
空間にしていっていただけたらと思います。


以上で事務局からのご報告を終わります。







以下は、平成30年9月29日付けで掲載した関連記事です。


事務局より   平成30年9月29日
 
   平成30年9月29日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第22回堀川1000人調査隊会議で発表された、第23ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら



みなさんが第23ステージ(平成30年4月〜6月)に
調査活動をしていただいた結果の分析をご報告させて
いただきます。



最初に連絡事項です。

次回の調査隊会議開催日について 

平成31年2月23日(土)都市センター !

  13時30分〜16時00分

ぜひ予定をしておいてください。



次に、次回の堀川一斉調査についてのお願いです。


日程は次の通りです。

 平成30年11月17〜18日 23〜24日


あとでご説明するように、堀川の浄化には船の定期運航が効果が
あるのではないか、という気づきが私たちにはあります。


たまたまこの期間に名古屋市の水上交通の試験運行があります。

これにあわせて、たとえば30秒の動画をたくさん集めるなど
して水上交通が堀川浄化に役立つかもしれないという仮説を
立証する資料がみんなで集められないか、


そういうことに挑戦したいと思っています。


基本的には普段の定点観測を実施していただければいいのですが、
もし可能であれば30秒くらいの動画、写真を事務局までたくさん
送っていただけるとありがたいと思います。



さて、堀川1000人調査隊の長期調査活動がこの23ステージで
丸々11年半になりました。


これまでの定点観測のデータは5200件を超え、写真データも
無数にあって、今回も色々なことが説明できるようになりました。


その結果として、わたしたち市民から行政に対して、いろいろな要望や
提言を行い、それが実現することで堀川の水質もよくなってきました。


一人一人の力は小さくても、みんなの力が合わさると大きな成果に
つながっているという点で、皆さんにぜひ誇りに思っていただきたいと
思います。

それではその成果についてご説明させていただきます。



本日の皆さんへの報告事項のポイントは次の4つです。


1)1つ目のポイントです。

今回の第23ステージの特徴は、数日の周期で天候が変化し、
記録的に高温で、雨が多かったことです。

これまでの私たちの常識では、高温、多雨というのは堀川にとって
非常に過酷な条件でした。

しかし、今回23ステージでは、堀川では雨が降った時でも
雨の降らないときでも、それほど水質などの水環境がかわらなくなった、
という驚くべき変化を見つけました。



高温多雨という悪条件にもかかわらず、堀川の全般的な状況は
本当に改善しています。



2)2つ目のポイントです。

高温多雨という悪条件でも堀川の水質は全般的には改善していると
今いいましたが、都心の中流部だけは水環境が悪化していました。


朝日橋から松重橋の間は浮遊ごみが目立ち、汚いという印象をもつ人が
増えました。

また気温が高かったために、朝日橋〜松重橋の中流部では
あわやにおいの発生が目立ちました。



しかしこの中流部の区間でさえも、透視度は改善していました。


また中流部をのぞいた区間では汚れの印象、透視度、COD、
におい、あわの状況が改善していました。


これほどの悪条件にもかかわらず、中流部以外では
堀川の状態がよくなっている、というのは長い間継続的に
堀川を調査している私たちにとって驚くべき変化です。



生き物の点から見ても、今年の春〜夏の堀川では、ほとんど
毎年みられる魚の大量死がありませんでした。

それどころか、ボラの幼魚の大群ががあちこちで確認され
それを狙ってカワウが飛来するなど生き物の様子からみても
堀川の状況は本当に改善しています。



名古屋市の浄化のための様々な施策が総合的に効いてきている、
といってよいのではないかと思います。



3)3つ目のポイントです。

陸上のごみについてですが、納屋橋付近の水辺に落ちているごみが
目立って増えています。

ご存じのように納屋橋付近は再開発工事が終わり、人のにぎわいが
確実に増えているわけですが、たとえば夢広場のあたりには、
いつも同じ場所に同じ銘柄のタバコや空き缶が落ちていて、
本当に限られた人の行為ではないかと思われるごみが目立つように
なっています。


これに対しては、何らかの対策をしていかないと、ごみを捨てる人と
ごみを拾う人のいたちごっこが終わらない、と思われます。



4)4つ目のポイントは新堀川についてです。

 これまでデータ数の蓄積が少なく、なかなか新堀川の分析が
進んでいなかったのですが、この23ステージで、ついに累積データが
400件を超え、今回はじめて月別の分析を試みることができました。


 また大潮とか小塩とか言った潮廻りと、新堀川に出現する色について
何らかの関連性があるということまでみえてくるようになりました。


また、春の一斉調査の結果の検討をしていたときに事務局で出た話
ですが、今日の資料には記載していませんが、確かに新堀川は
堀川と比べてにおいもあり、白濁も目立って印象がよくないのですが、
水面を浮遊するごみは堀川より少ないのでは、という指摘がありました。


これは、新堀川では、雨水吐に設置してあるごみの除去装置の設置率が
100%であることが効果を発揮しているのかもしれません。


ちなみに平成29年度末時点では、新堀川100%に対し、堀川は
89%だそうです。


以上4点が今回の報告のポイントです。





ではまず、11ページをご覧ください。


今回の23ステージの気象の特徴が書いてあります。

最初に申し上げた今回の報告のポイントの第1番目の話になります。


一口で言うと今年4月〜6月にかけては、赤い字で書いてあります通り、
数日の周期で天候が変化したこと。そして記録的な高温、多雨であった
ことに大きな特徴がありました。


11ページ左下のグラフをみていただくと、今回の23ステージの平均気温が
過去最高であったことがわかります。





















14ページのグラフをご覧ください。

上のグラフが昨年21ステージ、下のグラフが今年の23ステージです。

青い棒グラフが降雨量を示しています。

昨年と比べて雨の回数が多く、大雨が多かったことがわかります。



これまで堀川は合流式下水道の弱点で、大雨が降ると生活排水が
流入し、また気温が高いとあわやにおいが出やすく、堀川にとって
過酷な条件となってきました。


しかしながら、ここが第1番目のポイントなのですが、
これほど過酷な条件にもかかわらず名古屋市の合流式下水道
改善のための堀川右岸滞水池の効果で、堀川全般としては
水質が悪化しなかった、いやもっというと都心の中流部以外では
水質が改善していた、という驚くべき結果が今回出てきたのです。







16ページ右下の地図をご覧ください。

ピンクのDの領域が、堀川右岸滞水池が水を集める区域です。

中土戸橋より上流の右岸にある雨水吐から汚い水が流れ出す
頻度を下げる、つまり堀川に流入する汚濁物質を少なくする
効果があります。

この効果は、前回の調査隊会議でもお話しましたが、
平成22年の滞水池の完成から3年経った、平成26年度くらい
から効果があらわれてきました。


しかしこの23ステージの悪条件の下でも堀川の水質が悪化しない、
というほどの効果が確認されたのは今回がはじめてです。


ちょっと飛びますが、38ページをご覧ください。


このグラフは、皆さんが感じた堀川の水の汚れの印象の内、
きれいを5として、どちらでもないを3とすると3、4、5の比較的良い印象
をもったパーセンテージを年度ごとにグラフにしたものです。


ピンクのグラフは雨の降っていないとき、ブルーのグラフは雨の降った
ときです。


これをみると、ピンクのグラフは、木曽川導水の終了した平成22年頃
から右肩上がりによくなっています。


一方でブルーの雨の降った時のグラフは、平成25年度までは停滞
していますが、26年度以降はぐっと改善してきて、特に今年のグラフで
見ると、雨が降っていても降っていなくても、印象はほとんど変わらない、
という結果になっています。


グラフのピンクの傾向をあらわす点線と、ブルーの点線が右に行くほど
くっついてきている、ということは、雨が降っても降らなくても堀川の印象は
それほどかわらない、雨が降っても以前のようには汚く感じなくなった
という読み方ができるわけです。


これが堀川右岸滞水池の大きな効果だと考えるわけです。

















さらにこれを透視度でみたものが48ページのグラフです。
48ページをご覧ください。







さっきと同様にピンクのグラフが雨の降っていないとき、
ブルーのグラフが雨の降った時です。



ちょっと戻って43ページをご覧ください。



以前にもお話しましたが、43ページのグラフは、皆さんが堀川の印象を
3〜5で評価したときの透視度は概ね70p以上だった、ということを
説明しています。


つまり堀川に関して市民の透視度の許容度は70p以上、ということが
言える、ということです。




さっきの48ページに戻ってください。



ピンクのグラフ、つまり雨の降っていないときの堀川の透視度は、
木曽川からの導水が停止したあとも、比較的70pに近い位置に
いることがわかります。


しかし、雨の降った時の青いグラフで見ると、平成23年、24年ころは
45pそこそこであった透視度が、平成25年度くらいから50p以上になり、
今年はなんと71pにもなって、雨の降っていないときよりもむしろ
雨が降った時のほうが透明感が高くなった、という数字がでています。


ここでもピンクの傾向線と、ブルーの傾向線がくっついてきているのが
わかります。




CODを見てみましょう。











54ページをご覧ください。


ここでもピンクのグラフは雨の降っていないとき、ブルーは雨の降って
いるときです。



雨の降っていないピンクは、CODはおおむね横ばいです。

しかし雨の降った時のブルーはむしろCODが改善しているように
みえます。



以前は、堀川では雨が降ると降り始めの汚れた雨水や生活排水が
堀川に流れ込むため、堀川は汚くなってCODの値も悪くなる、
というのが私たちの常識でした。


しかし最近では、降り始めの汚い水が地下にためられ、
堀川に流出する水はむしろきれいな雨水となって、堀川を希釈する
効果が発揮されているのではないか、とも考えられるわけです。







においやあわについてはどうかを調べてみました。


61ページをご覧ください。


堀川では、川底からのあわがでているときは、においが悪化する、
という相関関係があることが、これまでの調査データからわかって
います。









そこで、60ページをご覧ください。









最近ではあわやにおいをみたり感じたりすること自体が減っている
のですが、今回はあわについてグラフ化してみると雨のときも
川底からあわが発生することが減ってきていることがわかります。







今回は臭いについてグラフ化していませんが、あわとにおいは
相関関係にありますので、あわが少ないということはにおいが
少なくなってきていると言ってもよいと思います。



以上のように、堀川右岸滞水池の効果で、汚濁物質の堀川への
流入が平成22年5月以降減ってきたことによって、これは推測ですが、
汚濁物質の流入と堀川の持つ自然の浄化能力のバランスが徐々に
改善され、平成26年頃からあきらかに堀川の水質の状況が改善されて
いたのですが、今回の23ステージでは、記録的な高温、多雨の過酷な
条件下でさえも、堀川では雨が降っても水質が悪化しなかった、という
驚くべき効果が今年はじめて確認できた、ということです。






もちろんさきほど15ページでみたように、名古屋市は、堀川右岸滞水池
以外にも様々な堀川浄化策を実施していて、その効果は総合的に発揮
されているわけですが、この雨に対する改善効果という点では理論的にも、
効果の出方ののタイミングからみても、この滞水池が最も効果を発揮して
いると事務局では考えています。













そこで、16ページをご覧ください。


もうまもなく、堀川左岸にも滞水池が完成します。

この地図で言うEの地域、すなわち城北橋より上流の左岸に降った
大量の雨が、今は堀川に汚濁物質を流入させているわけですが、
この左岸滞水池の完成後は汚濁物質の流入が一段と少なくなる
ことが期待できます。



左岸滞水池完成後の堀川の水質改善を、ぜひ私たちの調査で
確認していければと思います。






ついでに17ページをご覧ください。



名古屋市は堀川上流部で瀬渕を作ってきたというのは先ほどの
名古屋市の報告にもありましたが、今年度は市民も協力して
瀬渕をつくりました。



平成30年春には、名古屋城北ライオンズクラブが新堀橋上流に
瀬渕を作って寄付してくださいました。



左下の写真は事務局が今年8月にその付近で撮影した写真ですが、
オイカワが石についた藻を食べている様子が写真で記録されました。


瀬渕を作ることが生き物のゆりかごになってゆくのがよくわかります。


このあたりにお出かけのときは、ぜひ見ていただきたいと思います。






18ページをご覧ください。


昨年12月から今年1月に実施された桜橋〜幅下橋の間の覆砂の
工事によって、覆砂された場所ではボラの幼魚の群れが観察される
ようになりました。


この区間が今までの堀川とは全く違う様相を見せ始めています。







さて、19ページから32ページまでは、今日の報告の骨子がコラムにして
まとめてあります。


今日、私のお話を聞き落とされた方も、あとでこの部分を読み返して
いただければ、だいたいおわかりになるように書かれていますので、
印をつけておいていただければと思います。



さて次に2つ目の報告をしたいと思います。


それは都心を流れる中流部の問題です。


ほどから申し上げているように、第23ステージの4月〜6月は、
高温、多雨で堀川にとっては過酷な条件でした。

それによって、都心部にあたる朝日橋〜松重橋あたりでは、
昨年よりも確かに水質が悪化してしまいました。



しかし一方、その都心部以外の流域では、このような過酷な
気象条件にもかかわらず、堀川の水質は改善していました。


堀川は、中流部にネックがあることが改めてクローズアップされ、
堀川の印象をよくするためには今後、この中流部に集中的に対策を
行うことが、必要ではないか、というお話になります。



まず水の汚れの印象についてみていきます。


37ページをご覧ください。


これは4月〜6月の水の汚れの印象のうち、評価3〜5の比較的良い印象
の割合を時系列でみたものです。

左上が上流部の猿投橋〜城北橋 その下が城北橋〜朝日橋、
右上が朝日橋〜松重橋の都心の中流部、そして右下が
松重橋〜大瀬子橋の中下流部です


右上の朝日橋〜松重橋の都心中流部で、今年数値が5%になっており、
がくっと印象が悪くなっているのが、はっきりとわかります。


その年ごとの気象条件によって影響を受ける、というのは避けがたい
ことなので、これは来年以降も長い目で見て傾向をとらえてゆく必要が
ありますが、注目すべきは次の2点だと思います。


 
ひとつは、これほど中流部で印象が悪化したのにもかかわらず、
今年は堀川で魚が大量に死んで浮く、という事件がなかったことです。

 



87ページをご覧ください。

上のグラフは昨年21ステージ、下のグラフは今年の23ステージです。


ピンクの折れ線グラフは気温、ブルーの棒グラフは降水量、黄色い〇は
月齢で、下が新月、真ん中に向かって満月になり、そして上に行くと
また新月になります。


新月と満月のときが大潮です。



オレンジ色の縦の点線が魚が大量死したときです。

 上のグラフでみると、昨年は5月1日の大潮と雨が重なったときに、
そして7月26日の中潮と雨が重なった時に堀川で魚が浮いています。


 しかし、下のグラフで見ると今年は雨が多く気温も高かったにも
かかわらず、堀川で魚は死んでいません。


7月30日に天白川で魚は死んでいますが。


 88ページは堀川での過去の死魚の記録を整理したものです。




89ページ、90ページは大潮のときと小潮のときに分けて、
堀川で魚が死ぬメカニズムの仮説を説明したものですので
あとでご興味のある方はご覧ください。


もういちど88ページをご覧ください。


これまで堀川では毎年のように大潮でまとまった雨が降ったり、
あるいは小潮と雨が重なったりしたときに中流部付近で死魚の発生
していましたが、今年はありませんでした。



 あとで申し上げますが、この大きな要因のひとつに、今年1月までに
実施した中流部約1kmの区間での覆砂の効果があったのではないかと
感じています。


 もうひとつは、この都心の中流部以外の場所では、過酷な環境にも
かかわらず、第23ステージは、はっきりと改善傾向がみられた、
ということです。



先ほどみていただいた37ページをもういちどご覧ください。




透視度についてみてみましょう。

47ページをご覧ください。


透視度については、左上、左下の朝日橋より上流の流域だけでなく、
都心部の朝日橋〜松重橋間も、高温、多雨であったにもかかわらず
改善しています。

 一方で、松重橋より下流では悪化している、という違った結果も
得られました。


ここで透視度についてもういちど考え直してみたいと思います。


私たち堀川1000人調査隊が透視度やCODをはかっているのは、
表層の水をバケツでくみ上げたものです。


一方で堀川の汚れの印象は、透視度やCOD以外の、色やあわや、
においといったほかの評価でも悪化します。

また、見た目の透明感と、バケツで汲んだ水の透視度は
必ずしも一致しません。


堀川の表層水の透視度が高くきれいであっても、堀川の下の方にいる、
塩分を含んだ水が、硫化物で白濁していたり、ヘドロで黒く濁っていたり
すると、橋の上や護岸から水面を見たとき透明感は感じられず、表層水を
はかった透視度と透明感が一致しないということがおきてきます。


従って、今回の23ステージについては、都心の中流部に
ついては、表層水の透視度は高かったが、色や透明感、
あわやにおい、といった多角的に見た水の汚れの印象は
よくなかった、と言えるのではないかと思います。




じゃあ、雨が降ったにもかかわらず、中流部の表層水の
透視度が高かったのはなぜか?


その答えはまだこれから解明していく必要があります。


ただ中流部の表層水の透視度が高かったのは、、その上流に
あたる流域で透視度が改善しているからじゃないか。

上流部の透視度は、庄内川の水質の影響を受けやすいから、
ひょっとしたら庄内川の透視度が高かったのかも。

あるいは堀川右岸滞水池の改善効果で雨による希釈効果が
相当きいているのではないか? 

色々なことが考えられますが、これは今後の皆さんの調査結果で
次第に明らかになってゆくのではないかと思っています。





一方、松重橋〜大瀬子橋の透視度では、中流部と反対の事が
起きています。


37ページの右下のグラフを見てください。


23ステージの松重から下流の大瀬子橋までは、水の汚れの印象は
改善しています。






また、53ページをご覧ください。


CODの値も右下のグラフでは改善がみられます。




59ページのあわについても改善しています。




65ページのにおいについても改善しています。




しかし47ページの右下のグラフを見ると、松重橋より下流だけは
表層の水の透視度が、やや悪化しています。


どうしてこうした現象が生ずるのか。


この理由の解明も今後の課題ですが、今の段階では私の個人的な
推測に過ぎませんがひとつ考えられるのは、堀川の右岸滞水池は、
朝日橋よりも上流部で表層水の透視度を改善する効果があり
その効果は、中流部までは及ぶけれども、松重橋より下流には
その効果は及ばないのかもしれないな、という仮説です。



なぜ私がそう思うかというと、以前、木曽川からの導水が行われていた時に、
おおむね表層水の改善に効果があったのはせいぜい松重橋までで、
それより下流には効果は確認できなかった、という結果が思い起こされる
からです。


堀川左岸滞水池が完成すると、ざくっといって、右岸と合わせて
その効果は倍になるわけですから、ひょっとすると左岸滞水池完成後は
違った結果になるかもしれないと思います。


そういう意味でも完成は楽しみだと思います。




さて、朝日橋から松重橋の、大事な都心の中流部の印象の悪化について
ですが、これはあわと、においでみるとくっきりとその悪化の状況がわかります。




59ページの右上のオレンジ色のグラフをご覧ください。


明らかに川底からのあわの発生頻度は増えています。






においについてみてみます。


65ページをご覧ください。


オレンジ色の中流部では、38%、つまり10回に4回の割合で
中流部ではにおいを感じています。


先ほどもご紹介した61ページのグラフをご覧ください。川底からのあわが
発生しているときはにおいも感じられるという相関関係がありますが、
原因は同じところにあると思います。


つまり今年の4月〜6月の記録的な暑さと記録的な雨の多さ、
その気象条件の影響を強く受けたのではないかと事務局では
考えています。


しかしそれにもかかわらず、今年の堀川では、死魚の発生が
みられませんでした。


これはどうしてか? 

それについては、中流部、桜橋から幅下橋まで今年1月までに実施した
ヘドロの上に砂をかぶせる、いわゆる覆砂の効果が発揮されたのでは
ないかと事務局では仮説をたてています。















86ページの真ん中下の写真をご覧ください。


この冬に覆砂が完了した幅下橋付近でボラやハゼの幼魚が群れている
写真が記録されていますが、ヘドロが露出していた昨年まででは、
この場所に魚が群れるという光景は見られませんでした。


少なくとも覆砂をしたことによって、魚が群れることのできる水環境が
実現したことは間違いないと思います。


大潮とまとまった雨が重なった時には、特にこの中流域では水深が
浅いですから、引き潮で水位が下がった時には、昨年までだと一気に
その水域が酸欠状態になり、逃げ遅れた魚が死んでしまったと考えられ
ます。



しかし、今年ヘドロに砂がかぶされ、ヘドロの巻き上げも少なくなった
この水域では、水中の溶存酸素の低下が昨年と比べて改善したのでは
ないかと事務局では考えています。

 




84ページの写真をご覧ください。


これは名古屋市の河川計画課調査隊が撮影した写真ですが、
7月17日に体長20〜30cmのウナギがなんと上流の猿投橋付近で
3尾も捕獲されました。


これまで納屋橋あたりでウナギの幼魚を見かけることはありましたが、
五条橋や幅下橋あたりのヘドロが干潮時に露出するような浅い場所を
くぐりぬけて、上流の猿投橋まで、こんな大きなうなぎがのぼってきて
捕獲されるというようなことは一度もありませんでした。


シラスウナギが堀川で育って大きくなったという可能性もあります。


ひょっとしたら、ウナギはこれまでも捕獲されなかっただけで
猿投橋まできていたのかもしれませんが、83ページの写真で
見られるように、ボラやハゼの幼魚、モクズガニなど、これまで、
でっかいコイ以外はあまりみかけなかった生き物が、猿投橋まで
上がってきているのが確認できたというのは23ステージの大きな
成果ではないかと思います。



中流部の覆砂が直接その効果を発揮しているのかどうかは、
まだ推測や仮説の段階ですが、大きな要因の一つである
可能性は高いと事務局では考えています。





とにかく最近の堀川は、猿投橋より下流のあちこちで、中土戸橋でも
納屋橋でも、白鳥付近でもいたるところで大量のボラやハゼの幼魚が
みられました。



それを狙ってカワウが集まってくる様子も85ページの写真で記録
されています。



何か最近の堀川は、生き物の様子が一気にかわった!という印象が
あります。


それが今の段階では、合流式下水道の改善の成果なのか、
覆砂の効果なのか、はっきりと断言することはまだできませんが、
いろんな施策が総合的に効果を発揮して堀川の水環境が急速に
改善していることは間違いないことだと思います。





さて、このように中流部が堀川のネックだということも浮き彫りに
なってきました。


中流部のネックは、やはり堆積したヘドロにあると事務局では
考えています。


 その証拠に、気温が高くなり、雨が多くなるという悪条件が重なると、
堆積したヘドロに問題のある中流部では他の水域と違って、においや
あわが発生し、水質が悪化しています。



もうひとつ、ごみという観点からも中流部には問題点が浮き彫りに
なってきています。


これが本日の3つ目のポイントになります。


77ページをご覧ください。

これは水面を浮遊するごみの確認個数をグラフにしたものです。

傾向としては徐々に減ってきていますが、最近少しずつ増加してきている
のがわかります。


78ページの下の写真とコメントをご覧ください。

23ステージは汚れたごみをよくみかけました。

数日の周期で降った雨による増水で、水際にあったごみが流出し、
移動し、滞留するということを繰り返しているため、水に落下してから
相当時間がたったと思われる汚れたごみが左側の写真です。


朝日橋から松重橋そして大瀬子橋の中下流ではこうした汚れた
浮遊ごみが23ステージでは多く見かけられました。





また少し戻って75ページをご覧ください。


陸上に落ちていたごみの確認頻度をあらわしたグラフです。

一番左のグラフが全体の合計を現したものです。

統計を取り始めた第2ステージに比べると第23ステージは約半分まで
減っています。


これは調査隊応援隊の皆さんをはじめとする堀川を愛する市民の輪が
広がり、清掃活動をする団体や会社が増加し、市民の意識に変化が
あらわれていることを実感できる大きな成果だと思います。



しかし一方で残念なことも起き始めています。


76ページ右の写真をご覧ください。

この写真は納屋橋の船着場の南にできた夢広場付近の写真ですが、
最近納屋橋付近の水辺に落ちているごみが増えています。


このあたりの再開発が完了し、人の流れが変わったのかもしれませんが、
この周辺に落ちているタバコの吸い殻や空き缶は、同じ銘柄が多く、
ごく限られた人が、ごく限られた場所で、繰り返し同じごみを捨てて
いるのではないか、と思われる現象が起きています。


掃除をした後、すぐにまたごみが散らかっている!
ごみを拾う人と、ごみを捨てる人のいたちごっこがいつまで続くのでしょうか。



以上中流部で浮き彫りになった問題点、すなわち、ヘドロ、浮遊ごみ、
陸上のごみのご説明をさせていただきました。

それでは、中流部がよくなれば、堀川の印象はもっともっとよくなると
思うがゆえに、事務局では次のような提案をしたいと思います。


27ページをご覧ください。

まずは、名古屋市にお願いしたいことを提案させていただきます。

赤い文字で書いた4つの提案です。

1つ目は、水辺エリアでのポイ捨て禁止をもっとアピールしてほしい、
ということです。

確か名古屋市には美化地域重点指定地区とかの制度があって、
ポイ捨て禁止地区に指定されたところでは、、罰金をとられますよ、
という看板をみたことがあるように思うのですが、この納屋橋エリアの
水辺もそういう指定にするとか、あるいはみんなの水辺をきれいに
保ちましょう、とかいうアピール看板をとりつけられないものでしょうか。


2つ目は、水面に浮いているごみについて、特に中流部で行ったり
来たりしているごみをより効果的に取り除くために、研究・検討を
していただけないでしょうか。

もちろん私たちの情報も役立てていただけるようにこれからも情報を整理し、
提案していきたいと思います。



3つ目に、すでに実施していただいているヘドロの除去の継続実施です。

前回の会議で、国の助成金を受けてゲリラ豪雨対策として護岸を整備
しながら河床の掘削をおこなうことで同時にヘドロも除去する、という
ご説明がありましたが、中流部のヘドロ対策をぜひとも早く進めて
いただければと思います。


そして4つ目に、かねてから私たちは堀川に船が定期的に運航すれば、
堀川がきれいになるのではないか、と考えてきました。


今回も11月に、名古屋市の定期運行実験にあわせて一斉調査を実施する
予定ですが、船が走ると、スクリューで水が攪拌されて酸素が供給され、
それだけでも確実に溶存酸素が増加しヘドロが少なくなる要因になるのでは
ないかと思われます。


特に水深の浅い中流域では、船が走る攪拌の効果は大きいのでは
ないかと思います。


船の運航自体は、今日おいでの緑政土木局や、上下水道局、
環境局さんの管轄ではないかもしれませんが、オール名古屋で
みれば、もし船の運航が堀川浄化に効果があるのであれば、
仮に定期運航そのものは赤字であっても、堀川を浄化するという
メリットもあるのであれば、ある意味それは採算に合う事業、
という考え方も可能かと思います。


そういう意味でも、船の定期運航が堀川のヘドロ削減、DO改善など、
水質改善役立つのではないかという研究、検討を、河川管理者の
立場から実施していただけないかと思い提案させていただきたいと
思います


以上、ポイ捨て禁止のアピール、浮遊ごみ除去、ヘドロ除去、
定期船運航の研究についてお願いをしたいと思いますし、
ここにご参加の皆さんのご意見もあとでお聞きしたいと思います
のでどうぞよろしくお願いします。

一方で私たち市民も引き続き啓発活動を実施していく必要があると
考えています。

雨の時にできるだけ家庭から出る水の汚れを減らすこと、
陸上を清掃すれば川に落ちるごみも少なくなること、などは
みんなで周りに声をかけて一人でも多くの人にそういう事実を
知ってもらうことがこれまでも大きな力になってきました。


これをぜひ継続していきたいと思い提案する次第です。


それでは、最後に春の小潮の一斉調査の結果に絡めて
新堀川のことや堀川と新堀川の比較について報告させて
いただきます。


これが本日の4つ目のポイントです。


先ほどもご紹介しましたように、新堀川についての調査報告も
累計で400件を超え、今回も初めて月別の分析が可能になるなど、
少しずついろんなことがわかってきました。


また先ほどの名古屋市の報告でもありましたように、1年前の
この会議で私たちが要望した新堀川上流部のヘドロを早く除去して
ください、というのが実現して、今、新堀川のヘドロの除去が
進められています。


今後、この上流部のヘドロの除去が堀川の水質や印象に
どのような変化をもたらすか、引き続き皆さんの調査報告で
検証していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。





さて、91ページをご覧ください。


これは新堀川の水の汚れの印象をあらわしたものですが、
左側の内田橋から右に向かって上流になっていきます。


紫色が皆さんがきたない、といって1の評価をした割合です。


向田橋から右の最上流部舞鶴橋にかけて汚いという1の評価が多い
ことがわかります。

これが、先ほどのヘドロ除去事業の事前データになっています。


今後上流部のヘドロの除去が終わった後、新堀川の印象が
どのように変化するか、皆さんのこれからのレポートに期待
したいと思っていますのでどうぞよろしくお願いします。



次に95ページをご覧ください。


今回、初めて月別に新堀川のデータを整理してみたものですが、
上のグラフは4月から3月までの水の汚れの印象にいついて整理
したものです。


赤いのが汚いという1の評価、肌色がややきたないという
2の評価です


1+2でみると、4月から10月までそして3月は80%をこえていて、
あとの冬場の11月〜2月も50%を超えているのがわかります。



その下のグラフは、何でもって評価したのかを示しています。
グラフの灰色の部分は「色」で評価したもの、黄色は「におい」で
評価したものです。


新堀川では、主に色で汚れの印象を判断していることがよく
わかります。


ただ、3月と9月は黄色いところ、つまり「色」ではなく「におい」で
評価している割合も多くなっています。


3月と9月は何らかの要因で新堀川でにおいが目立つのかもしれません。




97ページをご覧ください。


今日もおみえになっていますが、Ecoドコ堀川応援隊さんが、独自に
向田橋で定点観測をされ、その写真をご自身のホームページに
公開されています。


ご了解を得て、その105枚に及ぶ向田橋の写真を事務局で分析した結果、
非常に興味深いことがわかりましたのでご報告します。



98ページをご覧ください。


考察というところを読んでいきます。


1.向田橋では、新堀川の水の色の特徴である白濁系の色が
   全データのうちの4割以上を占めていました。

    白濁しているときは新堀川の水が酸素が少なくなっている
    ことをあらわしています。


2.こうした白濁系の色は、大潮と中潮のときに多く発生していること
  がわかりました。


3.緑色系。黄褐色系の色は、水の移動量が少ない小潮・長潮・若潮
  のときに多く発生していることがわかりました。

  これは水中のプランクトンの量に関係しているかもしれません。


 向田橋は最上流の堀留に近い場所ですが、プランクトンに由来すると
考えられる色が報告されているなど堀留付近と異なる変化が報告されて
いますので、今後新堀川の実態をひもとくための貴重なデータであると
思われます。

 

また今年春の小潮一斉調査で皆さんからいただいたレポートで
堀川と新堀川を比較をしてみたのですが、これも非常に興味結果が
でています。





100ページをご覧ください。


昨年は皆さんに大潮のときに一斉調査していただきました

そして今年は小潮のときに一斉調査していただきました。


 100ページの絵は、左側が小潮のときの満潮時と干潮時のイメージ、
右側が昨年実施した大潮のときの満潮時と干潮時のイメージです。



潮位差が全く違うことがよくわかるかと思います。





103ページをご覧ください。

今回の春の小潮一斉調査の結果をまとめたことが書いてあります。



ポイントの一つ目は、1行目、小潮のときは、上げ潮の時間帯でも
上流向きの流れになっているという報告が少なかったことです。


右側の写真は昨年の大潮のときの写真ですが、海から遡上する流れと
上流側からの流れがぶつかって、浮遊ごみがたまる、いわゆる潮目が
昨年の大潮のときには確認されましたが、今年の小潮のときには
こういう報告はありませんでした。


次に6行目のおわりのところ、さらに、新堀川の上流中流部では
下げ潮時間帯であるにもかかわらず、水の流れが下流向きにならず、
停滞している様子が報告されました。


堀川でも新堀川でも潮汐の変化の少ない小潮のときは、大潮の時に
比べて水が停滞しやすい環境になっていたと考えられます。


次に(4)のところですが、昨年の大潮のときは、干潮に近い時間帯に
、瓶屋橋から上流の幅下橋の間でヘドロの巻き上げが報告されましたが、
今回の小潮の一斉調査ではヘドロが巻き上げたという報告はありません
でした。


大潮のときは、流速が早くなりやすいこと、特に干潮のときは川底の
ヘドロ面に近いところまで水位が下がることから、ヘドロが巻き上がり
やすい環境になることが考えられます。



一方、新堀川ではヘドロの巻き上げを確認したという報告は、昨年も
今年もありませんでした。

新堀川は堀川よりも水深が深いということで、大潮で水位が低くなっても
川底は現れません。

それが、新堀川ではヘドロが巻き上がらない要因になっていると思われます。



以上が、春の小潮の調査全体に関する報告ですが、次に堀川と新堀川を
比較してみると、かなり面白いことがわかりました。


 今のところは、こうした違いがあった、という事実が指摘できるだけで、
どうしてこうなるんだろう、どういうメカニズムなんだろう、と想像を
働かせる楽しさはありますが、回答がわかるのは、まだまだこれから
いろんな観察データが積みあがってからのことになります。

















それでは106ページをご覧ください。


これは水の汚れの印象を示したものです。

上段の堀川では、昨年の大潮のときは、5のきれい、4のややきれい、
3のどちらともいえないの3つの合計が18%でしたが、今年の小潮の
調査ではこの割合が26%でした。きたないという1の評価も去年の大潮
では41%でしたが、今年は26%でした。


今回の調査データでは、堀川では、大潮のときと比べて小潮のときの
ほうが、やや印象がよいという結果がでています。


一方新堀川では、大潮のときの1のきたないは17%でしたが、
小潮の今年は1のきたないは58%と6割に近い数字となっていました。


新堀川では、大潮のときよりも水の動きの少ない小潮のときのほうが
印象が悪いのでしょうか。

堀川の場合と全く逆の結果がでていました。




107ページをご覧ください。


下のグラフの新堀川では、小潮のときのほうが汚く感じているはず
なのですが、その評価する根拠として「におい」をあげているものは
8%しかありません。


もっぱら色や透明感で評価しています。


昨年の大潮のときは、2のややきたない、という評価が多かったのですが、
評価する根拠として色が7割と多いものの、においが3割を占めているのも
興味深いです。


一方堀川では、小潮のときの透明感での評価が増えています。


これはきれい〜どちらともいえないという、いい方の評価とリンクしている
可能性があります。


つまり堀川ではあまり水がうごかない小潮のときは、結構透明感があって
それほど汚く感じないときがあるのかもしれません。





109ページをご覧ください。


川底からわいてくるあわについて、堀川では大潮でも小潮でも
10%程度とそれほど違いはありませんでした。


一方新堀川では、大潮のときは小潮のときとくらべて泡がわいてくる割合が
多いようです。





110ページをご覧ください。

新堀川では非常に顕著に違いがみられます。

昨年の大潮のときは「におわない」は14%でしたが
小潮の今年は「におわない」が69%、つまり約7割をしめています。


新堀川については、特に昨年の大潮のときのデータ数が少ないため、
大潮と小潮を比較して色々なことを言い切ることはできませんが、
何となく色々なことが見えてくるような気がします。


特に今年の小潮については12件のデータがあるのですが
このデータだけからいってるだけのことで、それが正しいかどうかは
まだわかりませんが、ざくっとまとめると、堀川では小潮のときは
そんなに印象が悪くない割合が多い。


それに比べて、新堀川では最低の印象1を付けている人が多い。

でもあわやにおいはあまり感じない。

色や透明感が新堀川の印象を悪くしている。



 そんなまとめ方ができるのかもしれませんが、実際に見てこられた
皆さんのご意見もお聞きして今後の新堀川の実態解明に結びつける
ことができれば、と思います。



これからも、ぜひたくさんのデータを事務局まで送っていただければ
ありがたいと思います。


 以上で事務局の報告を終わります。








以下は、平成30年2月17日付けで掲載した関連記事です。


事務局より   平成30年2月17日
 
   平成30年2月17日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第22回堀川1000人調査隊会議で発表された、第22ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら

堀川1000人調査隊の長期調査活動がこの22ステージで
丸々11年になりました。

これまでのデータの蓄積で今回も色々なことが説明できるようになりました。

その結果として、わたしたち市民から行政に対して、根拠のある提言や
要望もできるようになり、一人一人の力は小さくても、みんなの力が
合わさると大きな成果につながっているという点で、皆さんにぜひ
誇りに思っていただきたいと思います。


それではその成果についてご説明させていただきます。


本日の皆さんへの報告事項のポイントは次の通りです。


1)堀川に悪印象を与えてきたいわゆる悪臭は、本当に減ってきて
  いることがあらためて確認されたこと。

  そして今も残っている悪臭の大半が、ヘドロのにおい、どぶのにおい
  (つまり下水臭)であることが、データではっきりわかってきたこと。


  つまり堀川で、ヘドロの問題が片付き、下水の問題が片付けば、
  堀川のにおいの問題は解決に向かうことが、データではっきり
  しめされたこと。


  そして今名古屋市が進めているヘドロ対策、合流式下水の対策は
  方向性として間違いがなく、これがきちっと進めばその効果が大いに
  期待できること。

  これはとても大きな成果だと思います。



2) 今まで堀川は雨が降ると水質が悪化するというのが、私たちの
   共通認識でした。

   雨が降ると下水があふれて堀川に流入し、それが堀川の水質悪化、
   そして悪臭にもつながっていました。

    しかし、平成25年から26年を境に、雨が降っても堀川の汚れの印象や
    においの状況はよくなっているという発見が今回ありました。


    これは、名古屋市の合流式下水道対策が時間をかけながら
    はっきりと効果を現わしてきているからではないかと思います。


    名古屋市の合流式下水の改善の施策が、汚濁物質の流入をおさえ、
    これまでバランスを崩していた汚濁物質の流入と自然の浄化能力が、
    バランスを改善し、時間をかけながら堀川の底質の状況を改善してきた
    ために、堀川からあわや臭いが少なくなってきたのではないか。


    そのために最近では堀川では雨が降っても汚れが臭いが減ってきた
    といえるのではないか。

    これも今回の大きな気づきです。


3)次に、今名古屋市では2022年をめざして、名古屋城と納屋橋の間に
  船を定期的に運行しようというプロジェクトが検討されていますが、
  この区間に船が定期的に走るようになると、堀川の浄化が一層
  期待できるのではないか、と思われること。

   それが最近の覆砂の工事を観察していて一層期待が高まってきている、
   ということです。


   船が走るということは、観光やにぎわいづくりに役立つだけでなく、
   水質の浄化にもつながるということになれば、非常に大きなインパクトがあり、
   ぜひ一日も早く実現していただきたいいと思われます。


  以上3点が今回の報告のポイントです。




それでは一つずつご説明をさせていただきます。


まず資料の9ページをご覧ください。


これまでに皆さんが定点観測し、インターネットでご報告いただいた
観測データは11年間で4,952件という、5,000件に迫るすごい数字に
なっています。








また10ページのグラフでわかるように、毎年着実に約400件のデータが
積みあがっています。

このほかにも皆さんから折に触れ送っていただく無数の写真や動画、
メールで送っていただくコメント、そして自由研究レポートがものすごい
ビッグデータになってきました。

今日皆さんにさせていただくご報告も、すべてこれらのデータの裏づけのある
科学的な根拠に基づくもので、だからこそ説得力があり、行政の堀川浄化
の施策の立案にも生かされてきました。


そして毎年着実に堀川が改善していっている。
こういう活動では全国的に見てもほとんど例がないと言われています。

これはひとりひとりの力ではできないけれど、みんなですることによって
実現する皆さんがたのすごく大きな社会貢献活動であると、ぜひ皆さんに
誇りに思っていただきたいと思います。






11ページをご覧ください。


今回の22ステージの気象の特徴が書いてあります。


一口で言うとこの秋から冬にかけては、気温が低く、
雨が多い年だったということです。






12ページのグラフをご覧ください。

一番下のグラフが今年、そのうえが昨年、一昨年のグラフです。


毎年毎年、気象条件が違うことがよくわかります。

特に気温は堀川の印象に大きな影響を与えてきましたが、
そうした気候の変動に影響を受けつつも、堀川は長期的に見て
着実に改善に向かっていることをこれからご説明していきたいと
思います。


特に昨年、今年と雨が多かったという大きな特徴がありました。

それがかえって、今回雨の影響に着目して堀川の水質を考えるという
新しい、そして大きな気づきにつながりました。






25ページをご覧ください。

ここから34ページまでが今回の皆さんへのご報告を
文章でまとめたものです。



聞き落されたことなどがあれば、あとでこの部分を読み返して
いただければある程度お分かりになると思いますので
印をつけておいていただくとよいと思います。


特に26ページの(3)、29ページの(4)、31ページの(5)が、
これからご説明する今回のトピックになります。





それではまず1点目、27ページと28ページのグラフをご覧ください。


このグラフは、左から右にかけてが時間軸です。
一番左が第1ステージ、つまり11年前、
一番右が今回の第22ステージです。


縦軸は、上が上流、下に行くにしたがって下流になります。


たとえば27ページの一番上のグラフは、皆さんが調査に行ったときに
一番先にみる、今日の水の汚れの印象を示したものです。


拡大したものが36ページにありますのでこちらをご覧ください。


赤っぽい色になるにつれて汚い印象になり、青っぽい色は
印象が良いことを示します。


左から右に向かって、そして上から下に向かって青い領域が増え、
赤い領域が減ってきていることがわかると思います。


これは、この11年の間に堀川の印象が上流部から徐々に改善して
きていることを視覚的に表しています。


27ページの下のグラフを拡大したものが58ページにありますので
58ページをご覧ください。


これを見ると、最近では堀川の川底のあわはほとんどなくなって
きていることを示しています。






28ページの上のグラフは、においの発生状況です。

拡大したものが64ページにありますので64ページをご覧ください。


最近では、朝日橋より上流ではほとんど悪臭が感じられないことがわかります。



28ページの下のグラフを拡大したものが70ページにありますので、
70ページをご覧ください。














黄色いグラフは、堀川でにおいが感じられなかったというグラフを
パーセンテイジで示したものです。


たとえば3年間の木曽川導水がとまった第6ステージから
第7ステージにかけては、黄色いグラフはすとんと24%まで
落ちていますが、その後徐々に改善に向かって右上に上がって
いっていることが見て取れます。


グレーのグラフはヘドロのにおい、オレンジのグラフはどぶの臭い
(下水臭)を感じた割合です。


このふたつは区別しにくいという指摘もありますので、それを
足したものが青いグラフです。


堀川では、このヘドロ臭とどぶ臭が大半をしめるのですが、
それを感じる割合はピーク63%から最近では夏場でも30%台、
この秋、冬は19%まで減ってきていることがわかります。





ひとつ前に戻って、67ページと68ページをご覧ください。

67ページは春から夏、68ページは秋から冬の堀川を
上流から4つの区間に分けてにおいについてまとめたものです。


堀川では中流部の朝日橋から松重橋の間では、春から夏にかけて
10回のうち3回くらい皆さんが悪臭を感じていて、それでも少しずつ
改善の傾向がみられることがわかります。


その他の区間では夏場でも10回に1回程度、秋冬はすべての区間で
ほとんど悪臭を感じなくなってきていることがよくわかります。


あとでご説明しますが、透視度とかCODという数値では、ここまで
はっきりと改善の様子は示せないのですが、臭いという人間の五感を
長期的に数値化して堀川の状況の改善を示すことができるというのは、
あまり例のない素晴らしい成果だと思います。




次に第2点目。
雨の降っったときの堀川の水質が改善してきていることについて
ご説明させていただきます。


30ページの写真をご覧ください。


第1ステージから第6ステージ、つまり最初の3年間
(ちょうど木曽川の導水を受けていたころですが)

今から遡ること8年から11年前、平成22年より前の写真ですが、
このころは雨が降った次の日には、灰色の塊やトイレに流された
生理用品や、大きなネズミが堀川に浮ているのが時々見かけられ、
写真で記録されています。


それが平成22年5月に堀川右岸滞水池が完成してから、
少しずつそういうことがなくなってきて、納屋橋付近での
観察記録では、最近こうしたごみを見る頻度が少なくなっています。




29ページのグラフを拡大したものが、94ページと95ページに
ありますのでご覧ください。


94ページは水の汚れの印象についてまとめたものです。

上のグラフは朝日橋より上流、下のグラフは朝日橋より下流です。

横軸は平成22年から29年に向けて時間軸になっています。


肌色のグラフは、雨の降っていないとき(前日も当日も雨がなし)を
示しています。

青色のグラフは雨の降っているとき(前日も当日も雨が降っているとき)
を示しています。

グラフの高さは、「きれい〜どちらともいえない」と皆さんが報告された割合、
つまり、ややきたないとかきたないとは感じていない、つまり、許せる範囲内
だと感じた割合を示しています。


上のグラフの上流も、下のグラフの下流も、平成25年と26年を境にして、
印象がはっきりと改善していることがわかります。


もう少し詳しく見ると、肌色の雨の降っていないときでみると、
左から右にかけて、つまり年を追うごとに改善に向かっていますが、
特に朝日橋より下流では、平成25年以前では雨が降った時の
堀川の印象は晴れているときと比べて堀川の印象は悪くなっていました。


特に平成25年の下流では、雨が降った時の堀川の印象が
許容範囲内だと感じたのはわずか9%、つまり10回のうち9回は
悪印象だったことがわかります。


ところが平成26年以降は、雨が降っても降らなくても、堀川の印象は
改善していて、朝日橋より下流では雨が降っても降らなくても
許容範囲内と答えているのが4割くらいに増えていて、25年以前は
3割以下だったのと比べると大きな変化が見られます。


朝日橋より上流ではもっと顕著で、平成25年以前では許容範囲が3割
くらいだったのが、雨が降ってなければ5〜6割、雨が降っていても4割が
許容範囲、特に気温の低かった今年は雨が降っていても9割くらいは
許容範囲内であったという驚くべき変化になっています。




95ページをご覧ください。

これは同じことをにおいでみたものです。

「におう〜ひどくにおう」という評価、つまり悪臭を感じたときの割合を
示しています。

朝日橋より上流でも朝日橋より下流でも、平成25年以前は雨が降った時は
降らないときと比べて悪臭を感じている割合が高くなっています。

つまりこれまでの私たちの常識というか一般的認識では、
「雨が降ると堀川はくさい」と認識されていたのです。


しかし平成26以降で見ると朝日橋より上流では、雨が降っていないときで
悪臭を感じるのは1割以下。

雨の時は逆に悪臭を感じたという報告はゼロです。


朝日橋より下流でも平成25年以前は雨が降っていると堀川で悪臭を感じる
割合は3割程度、平成26年以降は雨が降っていてもにおいを感じることが
2割程度に減っています。


雨の降っていないときも含めて、堀川で臭いを感じる割合は平成26年以降
減ってきており、明らかに堀川の状況が改善していることがわかります。


グラフの上の方に、この間の名古屋市の浄化のための施策が書いて
ありますが、この現象と最も関係のありそうなのが、堀川右岸滞水池の
供用開始です。

堀川右岸滞水池は平成22年5月から供用開始、つまり利用が始まりました。

その効果がすぐに表れずに4年くらいたった平成26年からなぜ一気に効果が
出てきたと思われるのか、それは現時点ではよくわかりません。


しかし、事務局で私たちが検討した結果の一つの見方ですが、
降り始めで道路の汚れなどを拾った雨水と、その雨水と一緒に
集められたし尿を含む未処理の下水を、いったん滞水池にためて、
雨がやんでから下水処理場にポンプで送って下水処理場で
処理してから堀川に放流するということが繰り返し数年間行われた結果、
堀川に流れ込む汚濁物質の量が減り、自然のもつ浄化能力とのバランスが
回復してきて、堀川の底のつまりヘドロの状況などが少しずつ改善して
ヘドロ臭が減り、また未処理のまま堀川に流れ込む下水が減った結果、
堀川のどぶの臭い(それは下水の臭いとも思われる)が減って、
その相乗効果で堀川で悪臭が気になることが急速に減ったのではないか。

そしてそういう改善が進むには、ヘドロの状況の改善などに3年ないし
4年の年月が必要だったのではないか、そういう見方をしております。


さらにこれから先は、もうあと少しで堀川左岸滞水池も完成し、
供用が開始されます。

右岸だけでもこれだけ効果があったと思われるので、左岸が稼働開始して
数年したときには、相当の効果があることが想像でき、おおいに期待
しているところです。




ついでに透視度とCODについても見ておきたいと思います。

97ページをご覧ください。


これは、透視度について雨があったときと雨がなかったときの違いを
比べたものです。


ひいき目で見ると、透視度については全体にやや改善傾向にあると
思います。

雨が降った時は降ってないときに比べてやや透視度は低いですが、
傾向的に見て横ばいないし緩やかな右肩上がりに見られます。




雨のないときの様子を区間別に見たのが49ページと50ページです。


ここでもあまりはっきりした変化はみられませんが、特に秋〜冬の透視度は
市民の許容範囲である70pを超えていることが多く、あまり堀川の印象の変化に
大きな影響をあたえていません。




ただここで、私たちの測定している透視度と実際に堀川で感じる透明度の
違いを整理しておく必要があると思います。


私たちは、堀川の表層の水をバケツで汲んでその表層水の透視度を
はかっています。

見方を変えれば、私たちのはかっている透視度は、堀川に潜って
水平に何センチ先が見えるか、というものを現わしています。


ところが、実際に堀川で透明度を見るときは、上から見てどのくらいの深さ
まで見通せるかという、垂直方向のすきとおりぐあいをみています。

そしてその垂直の透明度が高い時、堀川の印象がよくなっている
ということがこれまでの調査結果でわかっています。

しかし、堀川の水は塩分濃度の高い塩分を含んだ重たい下の方の水と、
表層を流れる庄内川や井戸水、下水の処理水を水源とした淡水が
2重になっている、いわゆる二層構造になっていることがわかっています。




76ページの絵をみていただくとそれがイメージしていただきやすいと
思います。


淡水の表層水を汲んで測定した表層水の透視度だけでは、
堀川の底の方のヘドロの状況や低層水の改善の状況が
わかりにくいのではないか、と思われます。




それは同様に、CODについても同じことが言えます。


98ページをご覧ください。

これは、CODについて雨のある時と雨のない時についてまとめたものです。


透視度と同様に、平成25年を境にしたあまり顕著な変化はわかりません。




それに比べてもういちど95ページのにおいのグラフをご覧ください。


平成25年から26年にかけてはっきり変化してきていることがわかります。




94ページの水の汚れの印象でも平成26年以降明らかに改善がわかります。


つまり、いま私たちが感じている堀川の変化は、おそらく合流式下水道の
改善を目的とした堀川右岸滞水池の完成、稼働にその要因があり、
その効果として、汚い下水が直接堀川に流れ込むのを防ぎ、堀川への
汚濁物質の流入する量を減らすことを意図しています。


そしてその効果は時間をかけて、徐々に汚濁負荷の流入量と
自然の持つ浄化能力のバランスを改善させ、堀川の底の方の
ヘドロの状況や低層の水質に改善を促しているため、表層水の
透視度やCODといったデジタルなデータではそれを実感しにくいが、
ヘドロの状況の改善や、水そのものの汚れを減らすことによって
堀川から悪臭がなくなり、私たちが五感で感じるにおいといった
アナログな情報をデータとして分析したことによってそれが証明されて
きたのではないか。


そのように事務局では意見がまとまったわけです。

これは堀川1000人調査隊独自のデータのまとめ方であり、
非常に珍しい価値のあるアプローチだと思います。




さて、それでは透視度やCODといった表層水にはそうした効果は
全くないかといえば、そうではないようです。

先ほども49,50ページでご説明しましたように、透視度については
表層水でもわずかながら改善の傾向がみてとれます。


また51ページをご覧ください。

このグラフはオレンジが行政による小塩橋でのCODの測定結果、
青いグラフが私たち堀川1000人調査隊が調べたCODの測定結果です。


私たちの調査でも行政の調査で徐々にではありますが
表層水の改善傾向がわかります。


これは現時点ではまだ証明できていなくて、あくまでも推測になるのですが、
雨水滞水池に降り始めの汚い水がためられて、それが堀川に直接流入
しなくなったことで、以前よりきれいな雨水が堀川に流れ込むようになったこと、
滞水池にためられた汚い雨水は、下水処理場に送られてきれいに処理されて
から堀川に放流されるようになったことから、堀川の水を希釈する効果が
あらわれ、堀川の水そのものがきれいになってきたから、表層水も
改善傾向にあるのではないか。

それ以外にももちろん、毎年ひとつずつ増やしていただいている井戸水の流入、
上流で瀬渕を少しずつ形成し、自然の浄化能力を高める努力をしていること
なども効果を発揮していると思います。

また、皆さんが雨の日に洗濯を控えるとか、台所から油をながさないとかいった
生活スタイルの改善の啓発活動を地道に続けておられることによって
市民の意識が少しずつ変化している、ということも、効果を発揮している
可能性があります。


現時点でそれらを数値化することは難しいですが、いろいろな取り組み、
アプローチが総合的に効果を発揮し、堀川の水質が表層水も含めて
改善してきているということが言えるのだと思います。




第3のポイントについてご説明します。

それは、船が定期的に走るようになると、堀川の水質が改善するのでは
ないかということです。


99ページをご覧ください。

昨年12月から、桜橋から上流幅下橋にかけて、ヘドロの上に覆砂をする工事が
始まりました。


それに伴い、工事のための運搬作業船が堀川を行き来するようになりました。

工事が始まったころ、12月7日に納屋橋で撮影した写真が上の写真です。

船が通った後、ヘドロが巻き上げ、水が黒くなったことが写真で記録されました。


下の写真は工事が始まって約1か月たった1月10日の錦橋の写真です。

同じように船が通過しても、1か月後はへどろの巻き上げは減少しました。

川底から浮上してくるあわもほとんど見られませんでした。





実はこれと同様の現象が今から7年ほど前にあったことにすでに
私たちは気が付いていて、第12回、第13回の調査隊会議で
ご報告しています。

それは2010年にCOP10が開催されたときのことです。

その時は、COP10に合わせて約3週間、朝日橋から白鳥まで
定期的に船が運航されました。

そのとき、最初のうちはやはり川底からヘドロがまきあがり、
水面が真っ黒になって川底から泡が発生し、悪臭がただよう
という現象が確認されました。

しかし3週間後の最後の方は、そうしたことがきにならなくなっており、
それを私たちは確認報告していました。


ただ、期間が3週間と短期であったため、その後ウォーターマジック
フェスティバルなどのイベントの時に船が運航するのに合わせ
その現象をもう一度確認しようとしたのですが、たまたま雨が降ったり
期間が短すぎたりして、十分な効果を確認することができていませんでした。


それが、今回の覆砂の工事であらためて船の運航による堀川の変化が
観察できたわけです。




私たち事務局の立てている仮説は100ページに書いてある通りです。

ちょっと読みます。


定期的に船が通って堀川が攪拌されると、ヘドロの巻き上げとともに、
ヘドロ中のメタンや硫化水素などのガスも定期的に解放され、
あわの量は減少すると考えられます。


 さらに長期の定期運航が実現すると、水域が継続的に攪拌されることで、
川底に酸素が供給され続けます。

これによって少しずつですが、川底の状態が改善(ヘドロが抑制)され、
底層の水質も改善すると考えられます。


実は皆さんにもご存じの方が多いと思うのですが、名古屋市は2022年末、
つまり4年後をめざして堀川の朝日橋〜納屋橋に定期船を運航させようと
検討しています。

111ページの真ん中下の中日新聞記事が1月6日に掲載されたものです。


 101ページをご覧ください。


1月25日には有識者会議で検討された記事が中日新聞にふたたび
掲載されました。

お金をかけて調査が必要とか、干満にあわせた運航が現実的といった
見出しがありますが、それはつまりこういうことです。

堀川は干満の差があるため、特に大潮の時はその差が3m近くあり、
大潮の満潮の時には朝日橋の近くの幅下橋を船がくぐることが
できなくなります。


また潮が引きすぎると、船の底がすったりする危険があります。

そういう事情をクリアしながら、できるだけ早急に船の運航を実現するには
どういう工夫が必要か、そういったことを有識者の皆さんを交えて
検討が始まったということです。


 船の運航の主たる目的は、観光客の増加、堀川を利用した名古屋の街の
魅力づくり、にぎわいづくり、といったことなのですが、もしそれが実現すれば、
同時におまけではないですが、水質の浄化も一緒に達成できるということに
なれば、非常にコスパが高い事業になります。




 特に私たち事務局が、名古屋市が今回計画している定期船の運航は
水質浄化に効果が出る可能性が高いと考えている理由が32ページに
書いてあります。


32ページをご覧ください。

先ほども触れましたが、堀川は表面は淡水、下の方は海水の
2層構造になっています。

海水は淡水に比べて重いため上流に向かってくさびのような形で
底の方に差し込んできています。

そしてどこの河川でもそうなのですが、水中の細かい浮遊物は
海水と淡水の境界付近で沈降してたまりやすいことが定説となって
います。

堀川でも海水の差し込んだ先端部には灰色のホコリのような浮泥と
呼ばれる層があり、その下に黒いヘドロが堆積しています。


その浮泥がたまって最も水質に悪い影響を与えている淡水と海水の境界、
それが堀川ではちょうど納屋橋から朝日橋付近になるのです。


 そしてちょうどよいことに、この納屋橋から朝日橋付近は、それより下流と
比べると水深が浅くなっていて船が走って攪拌したときに、その効果が
大きいと思われるのです。


 つまり下流の水深の深いところでは、船が走ってもあまり効果が
ないかもしれませんが、納屋橋より上流では水深が浅いために、
船が走ると攪拌の効果が出やすい場所なのです。


 しかもこの付近はこの春までには護岸に近いところの覆砂も
工事が完了します。

 川の両岸近くは覆砂で、中央部は船の運航でヘドロの対策が進めば、
これまで悩みの種であった大事な街中の堀川の水環境が一変するのでは
ないか、こういう期待がもてるわけです。

 そういうわけで、私たち事務局では、堀川での定期船運航が一日も早く
実現するように期待をしているのです。




最後に新堀川についてコメントさせていただきます。

 まだまだデータが少なく、前回以上の気づきは今回はありませんでした。

しかしながら先ほど名古屋市の報告にありましたように、新堀川と堀川合流部
でのヘドロの除去をはじめとして、確実に対策が進んでいます。

私たちはその効果を少しでも多く記録に残しその効果を検証してゆくことで、
これから先の新堀川の浄化についても行政の後押しができると思います。


 定点観測はもちろん、写真のご提供も貴重な資料になります。

 ぜひたくさんのデータを事務局まで送っていただければありがたいと思います。


 以上で事務局の報告を終わります。





以下は、平成29年9月9日付けで掲載した関連記事です。


事務局より   平成29年9月9日
 
   平成29年9月9日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第21回堀川1000人調査隊会議で発表された、第21ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら




まず最初に事務局からの連絡事項です。

1)次回の調査隊会議開催日について

 平成30年2月17日(土)都市センター 予定しておいてください!
  
  

2)次回の春の一斉調査は、小潮の時に行います。

  春の小潮一斉調査の予定


   平成30年5月8日(火) です。

   春の小潮一斉調査の主旨、要領については下記をご覧ください。

      ⇒春の小潮一斉調査のご案内はこちら


堀川1000人調査隊の長期調査活動がこの21ステージで
10年半になりました。

これまでのデータの蓄積で、今回も色々なことが説明できるように
なりました。

その結果として、わたしたち市民から行政に対して、根拠のある提言や
要望もできるようになり、一人一人の力は小さくても、みんなの力が
合わさると大きな成果につながっているという点で、皆さんにぜひ誇りに
思っていただきたいと思います。

それではその成果についてご説明させていただきます。



本日の皆さんへの報告事情のポイントは次の通りです。

  1)春の大潮一斉調査の結果

  2)長期的に上流部から堀川の水質が改善していること

  3)堀川と新堀川の特徴が比較できるようになってきた

  4)ヘドロの浚渫が待たれること



まずは、先ほどビデオでみていただいた春の大潮一斉調査について
ご報告します。


89ページをご覧ください。

今年は4月28日に11の調査隊にご参加いただき、24地点でのべ35回の
調査を実施しました。

右下のホリゴンの吹き出しにあるとおり、この日は一年間の内で昼間の
潮位が最も低くなり、水の汚れの印象が悪くなりやすい日です。

ここ数年、この春の大潮の日にみんなで堀川を観察することによって、
色々なことがわかってきました。

ちなみに、春の大潮については一定のデータが得られたので、
来年は正反対の小潮の日、つまり水の動きがもっとも少ない日に
一斉調査を予定していますのでどうぞよろしくお願いします。




90ページをご覧ください。

この大潮の日は、名古屋港で潮位差が最大約2.5mありました。
写真にもあるように調査の前々日に11.5mmの雨が降り、
この日昼頃に錦橋でコノシロの死魚が確認されました。

その後27,28日にかけて死魚が増加しました。


101ページをご覧ください。

錦橋、天王崎橋で確認したコノシロの死魚の写真です。



















102ページをご覧ください。

28日調査の日の午後2時半ころに松重閘門で,
500尾ほどの死魚が確認され、清港会さんの船で
回収していただいている写真です。





少し戻って77ページをご覧ください。

黄色いのは月齢です。

新月から満月に向かって右向きに上がっていき、また新月になると
下に戻るという表現になっています。

上から青い線で降りているのが降水量です。

今年は、4月28日と7月26日に堀川で死魚が発生しました。
その発生日は、たてのオレンジ色の破線で示されています。

今年の場合、いずれも新月に近い大潮などの潮の干満差の大きい時に、
かつ、その前にまとまった雨が降った時に堀川で魚が死んでいることが
わかります。













78ページをご覧ください。

平成22年以降で堀川1000人調査隊事務局が、堀川の死魚の発生
についてまとめたものです。


大潮などで潮位の変化が大きく、しかもまとまった雨が重なった時に
堀川で魚が死んでいることが多いことがよくわかります。

もうひとつのパターンとして、小潮で潮の動きが小さい時にも
雨が重なると堀川で魚が死ぬというパターンも少しずつみえてきています。


いずれにしても、今回の春の大潮一斉調査でも、過去のこうした現象が
繰り返され、確認されました。






もう一度元に戻って、91ページの写真をご覧ください。


これは五条橋で一斉調査の日に撮影されたものです。




















さきほどのビデオでも説明がありましたが、92ページの図で
わかるように、大潮の時には下流から遡上する海水と上流から
流れてくる淡水が潮目をつくり、ちょうどその潮目に浮遊物が集まります。



93ページをご覧ください。

下げ潮の時間帯になるとその浮遊ごみは松重閘門に集まって
いるのが今回も動画で記録されました。

もう一か所、ごみが集まるのではないかと予想していた、
堀川と新堀川の合流部では今回はごみが集まるのを
確認した人はいませんでした。



一方上げ潮の時間帯になると、松重閘門のごみは、
上流のほうに移動していきます。

途中納屋橋の掘割跡のように、くぼんだ所に集まったりしながら
最終的には五条橋のあたりで集まりました。


一方、堀川と新堀川の合流部で集まっているのは確認できなかった
下流のほうのごみですが、上げ潮時間帯に旗屋橋、瓶屋橋あたりを
遡上しているのは確認されました、

この下流側のごみがどことどこの間で行ったり来たりしているのかを
確認するのはこれからの課題です。


このように堀川では、同じごみがいったり来たりしているので、
そのごみを取ってしまわない限り、何回でもそのごみをみることになり、
見た目も悪くなります。


またそのごみは、やがてヘドロにかわってゆくもとになります。


このごみのあつまるメカニズムや場所が特定できれば、効率的に
ごみを回収することもできますし、ヘドロを増やさない対策にもなります。

すでにわかっている、大潮の下げ潮時に松重閘門にごみが集まってくる
という事実だけでも、今後の清港会さんなどの作業のご参考にしていただくなど、
ぜひ情報を活用していただくように名古屋市さんからお願いしていただくと
よいのではないかと思います。




次のポイントとして99ページをご覧ください。

ホリゴンの下の吹き出しに、

「新堀川の透視度は市民の許容範囲である70cm以上でした。
しかし新堀川には水面にヘドロのかさぶたのようなスカム状のものが
浮いており、全体的に白濁して見えることから、この見た目と透視度の
結果が結びついていない」、

という報告が水問題研究所調査隊からありました。


100ページをご覧ください。

この報告を受けて後日、5月12日に事務局で新堀川の記念橋に
出向いて撮影した写真がこの写真です。

事務局が確認したところ、透視度が高い表層の水と、
白濁した下の方の水が2層化しているのが確認されました。

橋の上からは新堀川の水が白濁して見えたが、採水し、測定した
表層水の透視度は、市民の許容範囲の70cm以上になったのでは
ないかと事務局では考えていますが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。












101ページをご覧ください。

あとで堀川と新堀川の比較のところでも関連してきますが、
堀川のCODは7〜18くらいであったのに対し、新堀川では
10〜50と高い値が確認されました。

















102ページをご覧ください。

この日、白鳥橋で調査された鯱城堀川と生活を考える会28期調査隊から
生きているミズクラゲをみられ感動したし、カワウがしきりにもぐっているので
魚がいると思われるという報告がありました。














105ページをご覧ください。

先ほどの名古屋市からの報告で堀川と新堀川の合流部では
ヘドロが2m近くも堆積しているという話がありましたが、
この大潮の引き潮時にはそのヘドロが水面に露出している様子が
確認でき、ヘドロからあわが発生しているのも確認されました。














106ページをご覧ください。

4月27日の午後の干潮時間帯には、この合流部で白濁も発生しており
川底から白濁が沸き上がる様子が見られました。






107ページをご覧ください。

その翌日の同じ場所の干潮時間帯の様子ですが、
川底に堆積しているヘドロは露出していますが、
前日確認された白濁は見られませんでした。


おそらく白濁は何かのタイミングで発生するのですが、
刻々とその状況は変化しており、私たちからすると
白濁がみえたり、みえなかったりするのではないかと思います。


連続的にその場所で集中的に観察しないと、その実態は
よくわからないのかもしれません。


なお、この場所のヘドロは、今年度中、つまり来年3月までには
いったん名古屋市によって浚渫されます。


従って、今後同じ光景がこの場所で見られるのかどうかは
わかりませんが、ヘドロの浚渫の効果の確認という点では、
私たちの調査活動のひとつの大きな課題であるとも思います。


また、この場所は潮の流れや地形(ぐっと広くなっている場所)などの
関係で、浚渫した後も、今後ヘドロがまたたまりやすい場所であると
思いますので、ふたたびたまらないように、あるいはたまったら
またとるように、ということも想定していかないといけない場所で
あると思われます。



以上で、春の大潮一斉調査に関する報告は終わりまして、次に移りたいと思います。







9ページと10ページをご覧ください。

皆さんから今年4月〜6月に送っていただいた定点調査の報告は
128件、年間にすると400件ペースでデータの蓄積が続いており、
10年半のデータの件数は4,700件を突破し、本当に貴重な
ビッグデータになってきたことをご報告します。

本当に素晴らしい、すごいことであり、皆さんのご活躍に
心より敬意を表します。






そしてこの21ステージについてですが、12ページをご覧ください

この夏や最近の気象状況を考えるとやや意外な感もありますが、
21ステージの4月〜6月は晴れた日が多く、気温が高く雨が少ない
という特徴がありました。


(3)をご覧ください。

堀川の水質は、木曽川からの導水停止後に悪化しました。

しかし、その後は、気象条件が関係すると考える事象
(赤潮、青潮の発生など)により悪化することもありましたが、
総じて上流から少しずつ改善の傾向がみられています。

これは堀川の浄化と再生を目指す市民意識の変化と、
導水停止後の新たな水質改善施策の実施による効果だと
事務局では考えています。

(さきほどの名古屋市の説明であった施策の事です)


特に第21ステージでは、猿投橋〜城北橋の透視度が74pになり、
導水停止後の春、夏のステージではじめて市民の許容値70cmを
満足しました。


ただ、残念ながら朝日橋から下流の区間の水質は、市民の印象を
満足するには程遠い状況です。


これについては、先ほども名古屋市から説明のあった、
巾下橋から錦橋の覆砂の効果が、五条橋付近の実験通りに
発揮されれば、ひょっとしたら劇的に改善する可能性を感じています。


大潮でもヘドロが巻きあがらない、濁りが少なくなる、透視度が
感じられる、臭いが少なくなる、生き物が息づく姿がみかけられる、
という良い傾向になってゆくかどうか、今年12月にも早ければ工事は
終わるとのことですので、ぜひ皆さんの視点で観察しレポートを
送っていただきたいと思います。


五條橋の覆砂実験もそうですが、ほとんどの名古屋市の施策は
この調査隊会議を20回も続けてきた中で、私たち市民と名古屋市の行政が
一緒になってデータをもとにした科学的な議論したり、アイデア、気づきを
大切にして、行政の施策の中に活かし、とりあげてきていただいたものです。


そうした施策が効果をあげて堀川がきれいになってきていることは
間違いありませんし、この先もきっと、どんどん堀川の印象はよくなって
ゆくんだと思います。


現に、私も色々な方の生の声をききますが、ほんと、最近堀川きれいに
なってきたよね、という人がどんどん増えているという気がします。


12ページの最後の3行に書いておきましたが、気象条件や潮位の影響
といったものを含めた堀川の水質悪化のメカニズムの解明や、市民の
印象(見た目や感覚)に着目・重点を置いた堀川の浄化対策の、
効率的で効果的な対策の方向性を、私たちが明らかにして提言して
ゆくことが、堀川の一日も早い再生につながってきています。

そういう意味で、定点観測や大潮、小潮の一斉調査などの調査の継続、
データの蓄積などがこれからも必要だし、私たちができる大きな社会貢献で
あると思いますので、ぜひこれからもどうぞよろしくお願いします。





13〜14ページをご覧ください。

上から、水の汚れの印象、透視度COD,においが、
左から右が時系列、上から下が上流から下流なのですが、
右に行くほど、そして上から少しずつ青っぽい色につまり改善に
向かって動いていることがイメーできるかと思います。






ちょっと話が脱線しますが、皆さんがCODをパックテストで測定して
いただいているデータについて、いったいどこまで信用できるのか、
と皆さん自身感じたことがないでしょうか。


そこで、ちょっと調べてみたのですが、48ページをご覧ください。


これは、名古屋市の環境局さんが実施されている、公共用水域水質調査
という正式な行政調査と、私たちのパックテストによる市民調査を
比較してみたものです。

グラフの青い線が市民調査、オレンジの線が行政調査の結果です。


これをみると市民のパックテストの結果は公定法の行政調査の結果より
大きめの値が出ているものの、水質の変化の傾向は相当的確にとらえ
られていることがわかりました。


ホリゴンの右下の浮き出しにかいてありますが、じゃあなぜ市民調査のほうが
大きい値ででてくるのかを考えると、パックテストでは色見本と比べて
肉眼で判断するため詳細な測定結果が得られないこと、
水温による反応時間の管理が難しいため、誤差が広がりやすのではないか、
ということがかんがえられます。


また私たちは低濃度試薬ではなく、高濃度試薬を使っているため、
色見本も10以下の低い数値はあまりなく、高めの数値がたくさん
かいてあるのでそちらに引っ張られやすいというのもあるのかなと
私は感じています


いずれにしても今回の比較の結果、CODパックテストが、水の汚れの
変化を確認するためのツールとして有効な手段であることをあらためて
確認いたしましたので、ここでご報告させていただきます。



さて、元に戻って15ページのグラフをご覧ください。

これは、皆さんが堀川で調査したときに「きれい〜どちらともいえない」
(つまり汚くはない)と評価したときに、それを「透明感」で評価している
ことが多いという相関関係をあらわしたものです。


つまり皆さん(つまりは一般市民)は堀川がきれいかきたないかを、
透明感で実感しているということになります。


そうすると堀川をきれいに感じてもらうには、透明感を感じられるように
対策をしなければいけないということになります。


そのためには、
1)直接的に水の中の濁りの成分を減らす方法 
2)透明感を視覚的に感じさせる方法

が考えられます。


2)については、1年半前の18回の調査隊会議でもご報告しましたが、
右下の写真のように、同じ水質であっても水深の浅いところでは
透明感を感じるが、水深の深いところでは透明感を感じないといった
人間の一種の錯覚を活用した浄化策も、何かの形であっても
いいのかもしれません。


また1)については、名古屋市さんが実施してきている雨水滞水池、
下水の高度処理による汚濁物質の流入の削減、井戸水の活用など
による新たな水源の確保による希釈効果などのほかに、今回実施
される覆砂によってヘドロが巻き上がるのを防いだり、川底を
きれいに見せることによって透明感を感じさせるといった施策が
有効だと期待されるわけです。

16ページをご覧ください。

(6)新堀川の水質についてまとめました。

右下の写真をご覧ください。海からほぼ同じ距離にある、
堀川と新堀川の色の様子を比較したものです。






85ページをごらんください。
それを拡大したものです。


これは5月12日に事務局が、堀川の山王橋と新堀川の大井橋で
撮影したものです。


この二つの橋は、海からみてほぼ同じ位置にあるのですが、
堀川と比べ新堀川は上げ潮時間帯も下げ潮時間帯も
白濁が顕著であることがわかります。

しかも新堀川のほうは、時間帯による色の変化も大きいようです。




86ページをご覧ください。

このグラフは堀川と新堀川のデータを比較したものです。


堀川のほうはたくさんのデータがありますので、使ったのは
新洲崎橋から大瀬子橋の区間です。

新堀川はデータ数が少ないのでこれまで集まった全区間のデータを
使っています。

いずれも当日雨のデータは反映させていません。

86ページのグラフを見ると堀川のこの中下流部の印象が、
ややきたない〜きたないというデータは64%であるのに対し、
新堀川では75%がややきたない〜きたないと感じています。


いずれもその時判断したのは半数近くが色で判断していることが
わかります。



87ページをごらんください。

においについては、におう〜ひどくにおうという割合が
堀川では23%、新堀川では35%でした。


逆ににおわない、というのでみると、堀川の新洲崎橋より下流の
大瀬子橋では52%がにおいを感じていないのに対し、
新堀川では全区域でみて30%、つまり新堀川に行くと
3回に2回はにおいを感じているようです。


また、あわについてみると、堀川では川底から泡がわいてくる割合が
4%なのに対し、新堀川では23%、つまり堀川ではほとんど
あわが見られないのに対し、新堀川に行くと4回に1回は泡が
観察されており、このあわが、においの発生原因のひとつに
なっていると考えられます。

88ページをご覧ください。

色についてみたものです。

堀川では白濁系の色が24%、ヘドロ系の黒い色が20%に対して、新堀川では白濁系が29%、赤潮系が20%となっています。

この色の違いは、堀川と新堀川の汚れのメカニズムと対策を考えるうえで重要な違いであると考えています。また先ほどもお話したように、新堀川のCODは堀川よりも高くなっていることもヒントになります。

これはどういうことなのか、ということですが、ここから先は、
まだはっきり言い切ることのできないことなので、事務局の
というか私個人の気づき、というか問題提議というレベルの話に
なりますのでこの資料には書いてありませんので口頭でお話を
いたしますから、あとから皆さんのご意見などをお聞かせいただければ
と思います。


私が思うに、堀川と新堀川は、海からほぼ同じ位置にある橋なのに、
なんで白濁がおきたりして色が違うのだろうか、とこのデータを見て
率直に思いました。



堀川と新堀川は何が違うんだろう。

先ほどの名古屋市の資料の4ページをご覧ください。

名古屋市の調査でもわかりますように、新堀川には堀川との合流部に
約2mヘドロが堆積しているほか立石橋から上流に向かってもちろん
大井橋のところにもヘドロが堆積しています。

このヘドロと新堀川の白濁には当然密接な関係があり、ヘドロが
白濁の原因の一つになっているだろうということは容易に想像ができます。


一方で、堀川にはヘドロ系の黒い色が目立つのに、新堀川ではあまり
ヘドロ系の黒い色は目立ちません。


堀川では、ヘドロの巻き上げがよくみかけられるのに、新堀川では
ヘドロが巻き上げないのだろうか、
じゃ、それはどうしてなのか、と考えると、それは堀川と新堀川の
地形の違いが関係しているのではないかと思うのです。


堀川は、海の水は猿投橋までどんどん上がってゆけるので、
大潮の時にはかなりの流速で海水が遡上しますから、
ヘドロが巻き上がって真っ黒になっている様子がよく観察されます。


しかし、堀川に比べて新堀川は、堀留で行きどまりになっているので、
海水がそこまでのスピードで遡上できないのではないか、つまり
新堀川は流速がおそいのではないか。


たとえて言えば、新堀川ではいつも流速は小潮のような状態になっていて、
堀川と違ってヘドロが巻き上がったりすることもなく、水の入れ替わりが
あまりない水域になっているのではないのか。

だから上流部にはヘドロも沈降、堆積しやすいのではないか。

そんな想像を私はしてしまいました。




79ページから82ページまでは、新堀川でこれまで皆さんが
蓄積していただいたデータを水の汚れの印象、透視度、あわ、
におい、によって整理してあります。




これを視覚的にもう少しわかりやすく説明できないかと
区間別に整理してみたのが83ページ、84ページのグラフです。


左側が下流、右側が上流です。

データ数が少ないので、まだ言い切ってしまうにはとても乱暴で、
そう言い切ることはできないのですが、私個人の気づきとして、
申し上げます。


先ほどの名古屋市の資料の4ページのヘドロの厚みのグラフと、
この83ページのグラフがなんとなく似ていると感じませんか。

堀川と新堀川の合流部付近の内田橋ではヘドロがかなり
堆積しています。


そして立石橋から上流の舞鶴橋にかけてもヘドロが1m近くまで
堆積しています。


そしてそのヘドロの堆積している場所では、水の汚れの印象も悪く、
CODも高く、あわもにおいも多い、そんな傾向が見て取れると
思うのですが、いかがでしょうか。



実は、この名古屋市の資料のP4のヘドロの堆積状況を示す図は、
半年前のこの会議で示していただいたときには、29年実施のところは
記入されていなくて、立石橋から大井橋にヘドロが堆積していることや
立石橋から下流にはあまりヘドロが堆積していないことなどは、
わからない絵になっていました。


しかし、今回、名古屋市がこうして中流部の調査結果を示して
くださったことで、私たちは、私たちの市民が感じ、データに残していた
立石橋から上流が白濁や悪臭が目立つという調査結果と、
名古屋市のヘドロの調査結果をドッキングさせることができ、
大きな気づきに結びつきました。


市民だけでもできない、行政だけでもできない、官と民が一緒になって
取り組んでいるからこそなしうる、大きな成果の一つであると私は思いますが、
皆さんはいかが感じられたでしょうか。



あくまでも以上の気づきはわたくし個人が感じたことなので、
皆さんのご意見もお聞きしたいわけですが、先ほどの名古屋市の
29年度の施策で、つまり4ページの資料の中で、今年は合流部の
ヘドロの浚渫は実施されるとのことでした。

そして中流部、上流部では測量調査を行い有効な対策を検討する、
ということでした。

有効な対策という意味は、効果があって、かつ経済的にも手が出る、
という意味だと思います。

おそらく名古屋市では、今ちょうど来年度の予算を決めていかれる
時期に当たっていると思うのですが、ヘドロの堆積と、市民が感じる印象、
におい、あわがかなりの相関関係があると考えられるならば、
平成30年度はぜひ新堀川上流部のヘドロの浚渫を予算計上していただきたい、
と私は思うのですが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。


新堀川の水質と堀川の水質は、合流しているとは言うものの、
どこまで直接的に水質が影響しあうのかどうかはまだよくわかりませんが、
少なくとも都心部全体での水環境の改善という観点からみれば、
新堀川中上流部での悪臭対策は非常に優先順位が高いと思います。


もし今日のこの会で皆さんのご賛同がえられるならば、
堀川1000人調査隊会議での今回の決議事項として、新堀川
上流部でのヘドロの浚渫をぜひ早期に予算計上していただきたい
という決議を行いたいと思いますが、皆さんのご意見もこのあと
お聞きしたいと思います。



今回の資料自体は、まだ直接ご説明しきれていない部分が
たくさんありますが、基本的には今回のご報告の主たる論点は以上で、
あとはそれを裏付けるバックデータ、詳細説明になります。

時間の制約もありますのであとで、ゆっくり目を通していただければと
思います。

本日の報告のポイントをおさらいします。

まず春の大潮一斉調査では、堀川で大潮と雨が重なると
死魚が発生しやすいというメカニズムがよりはっきりしてきたこと、
浮遊するごみの移動のメカニズムが少しずつわかってきたので
効率的なごみの回収に役立ててほしいということ、をご報告しました。


次にこの21ステージでは、猿投橋〜城北橋で透視度が初めて
74cmを超えるなど、名古屋市の施策の効果が効いてきて、
堀川は上流部から徐々に水質が改善していることをご報告しました。


また、皆さんが行っているパックテストの有効性について、
これが有効であることをあらためて確認したことをご報告しました。


そして最後に堀川と新堀川の色の違いから、二つの川の汚染の
メカニズムの違い、そしてヘドロ浚渫が新堀川の水質改善に有効と
考えるのですが、という一種の気づきについてご報告をしました。


以上で第21ステージの市民調査の報告を終わります。















下記は平成28年9月3日付けで掲載した関連記事です。




事務局より   平成28年9月3日
 
   平成28年9月3日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第19回堀川1000人調査隊会議で発表された、第19ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら



今日のご報告のポイントについて最初にご説明します。

  まずは連絡事項から。

1.次回の調査隊会議は、平成29年2月18日(土)に
  13:30から名古屋都市センターで開催します。

1. 来年度の春の大潮一斉調査を、平成29年4月28日(金)に実施します。
   可能な方は是非ご参加ください。

   


今日のお話のポイントは次の通りです。

 今回のステージ(4月〜6月)は南からの暖かい空気が流れ込み、
第1ステージ以降で最も気温が高くなりました。

 また短い周期でまとまった雨が良く降り、特に4月の降水量は
第1ステージ以降で最も多くなりました。

 この気温の高かったこと、短い周期でまとまった雨が繰り返したこと
そういう堀川にとって非常に過酷な条件の中で、総じて堀川をみた
皆さんの印象は昨年より悪くなりました。

 しかし一方では、今年も納屋橋あたりでもボラの幼魚の大群がみられ、
鳥の中でも食物連鎖の頂点に位置づけられるハイタカなどが確認され
生態系の多様化が実感できるようになり、こうした生き物の様子から、
短期的には気象条件の影響を受けながらも、長期的には徐々に堀川の状況が
改善に向かっているように思われます。

こうした堀川の改善は、名古屋市の施策、すなわち合流式下水道の改善事業や
地下水など導入など様々な効果が複合的に現われていると考えられ、それらの
策が実施されている上流部から徐々に堀川の状態がよくなってきていることが
皆さんの調査データから確認できることを今日ご報告したいと思います。

それから今回新たにわかったこととして、次の事をご報告いたします。

1.今まで堀川で魚が大量死するのは、春先の大潮とまとまった雨が
   重なった時が多い、ということがわかってきていましたが、今回あらたに、
   春先の小潮など潮位の変化の小さい時と雨が重なった時にも、
   魚が大量死するという仮説が立てられるのではないか。

2.堀川では前日に雨が降ると、朝日橋を境にして、中下流部では
   次の日の堀川の状態が悪くなっているのですが、上流部では
    雨の日の翌日に堀川の状態がかえって改善しているという、
    正反対の現象が見られることがデータの分析で説明できるように
    なったこと。

3.春の大潮一斉調査でわかったことですが、堀川では、川幅が
   急に変わる住吉橋を境にして、それより上流側では大潮の時にきたない
   という印象が強くなるのに対して、住吉橋より下流ではむしろきれいと
   感じる報告もあるように、住吉橋を境にして印象が違うこと。

4.同じく春の大潮の日には、中流部で浮遊するごみが、松重閘門と中橋付近
   を行き来して様子が確認されました。

   中下流部でも御陵橋や熱田記念橋付近で、ごみが遡上しているのが
  確認されましたが、それがどのあたりからのぼってきているのかまでは
  今回は確認できていません。

   ひょっとしたら宮の渡しあたりとの間を往復しているのかもしれないので、
   これから注目していただければと思います。

5. ヘドロに砂をかぶせる実験ですがほぼ1年半たちました。
      生き物が増えている様子はすでにご報告していますが、砂の上にヘドロが
      たまりやすいところとそうでないところがありそうだということがわかってきました。
      今後のヒントが隠されているかもしれません。



それでは、資料に沿って、ひとつずつご説明させていただきます。

まず、5ページをご覧ください。

先ほど来、ご紹介していますように8月1日、堀川1000人調査隊の
皆さんの活動が、国土交通大臣から、本年度の水資源功績者として
表彰されました。

今年は全国で9団体だけですから、ものすごく名誉なことだと思います。
5ページの右側中ほどに、何が評価されたのかという説明があります。

ちょっと読みます。

功績内容 

行政(つまり名古屋市)の浄化施策を市民が調査・検証し、
行政と共有・評価した結果を、浄化施策に反映させ、さらにまた
市民が調査をする官民協働による活動サイクルを確立しました。

このような活動の成果が、下水処理場の新しいろ過施設の導入や、
浄化の実験などに反映されています。

その他、木曽三川の上流域の住民と名古屋市民の上下流交流、
浄化美化、実験活動、清掃活動、啓発活動に継続的に取り組んで
います。

 わたしたちが日常的にごく当たり前にやってきていることが、
全国的に見ても極めて珍しく有意義な活動であることを、
国レベルで評価されたということに、ぜひ皆さん誇りと自信を
持っていただきたいと思います。

 



なお6ページにありますように、表彰式の翌日、河村市長にご報告に
あがりましたが、そのことが中日新聞、朝日新聞に大きく取り上げられ
ましたので、一般の名古屋市民の間にも大きなPRになったと思います。



次に12ページをご覧ください。

皆さんに調査・報告いただいているデータ数は、毎年約400件のペースを
維持しており、今年6月末までの累計件数は4,348件に上ります。

このビッグデータともいえるデータを、様々な形で切り出して
処理することによって、今回も新しい発見がたくさん出てきました。

データの蓄積と新しい着眼点で堀川の実態を解明し説明してゆくことで、
真に効果のある浄化策に結び付けていただき、少しでも早く堀川を
きれいにしてほしいわけです。

皆さん一人一人の集められるデータは決して多くはなくても、みんなの力が
あわさるとすごいことになってきていることがわかります。




次に17ページをご覧ください。

ここから28ページまでに、先ほど私が申し上げた本日の報告のポイントが
まとめてありますので、あとから思い出していただきながら、ゆっくり
読んでいただければと思いますので、ぜひしるしを付けておいてください。







29ページからは、気象条件について書いてあります。

今回の19ステージの大切なポイントです。



32ページの下のグラフをご覧ください。
下のグラフが今回の19ステージです。

オレンジ色の折れ線グラフは気温の推移、上から降りている青い線は
降水量です。

横軸は左から4月5月6月と進んでいきます。

今年の特徴が、赤い字で書いてあります。高温+短い周期のまとまった雨。

青いグラフを見てください。
13ステージ15ステージ、17ステージと比べて、短い周期でまとまった雨が
何回も繰り返し降っていることがよくわかります。

気温も降水量も、第1ステージからの通算で過去最高を記録しており、
堀川にとって最も過酷な気象条件だったことがよくわかります。



それではまず、今年の堀川の、皆さんがみた印象についてご説明します。

33ページの色のついたグラフをご覧ください。

このグラフは縦軸に沿って、上から下へ向かって上流から下流になります。

横軸は時間軸です。左が9年前の第1ステージで右に向かって
第2、第3と進み右端が今回の第19ステージです。

青い色は、皆さんの印象が良かったことを現し、赤っぽくなると
印象が悪かったことを示しています。

左から右に向かって、そして上流から下流に向かって、少しずつ
青い部分が増えていることがわかりますが、今回の19ステージでは、
さっき申し上げた過酷な気象条件の中で特に中流部を中心に印象が
悪化していることがよくわかります。



35ページをご覧ください。

これは、皆さんが「今日の堀川は汚くはない」 つまり 
「きれい〜ややきれい〜どちらともいえない」と評価したときの割合を、
一番左の第1ステージから一番右の第19ステージまで棒グラフに
したものです。

オレンジ色は4月〜6月の春・夏のデータ、青は9月〜12月の
秋から冬のデータです。

皆さんが評価した堀川の印象は、第7ステージに木曽川の導水が停止
していったんは悪化したものの名古屋市の様々な施策の実施に伴って
徐々に改善していることがわかります。

ただし、昨年の第17ステージは、10回堀川に行ったら、4回は
汚く感じていなかった(つまり、まあ許せる)のが、今年は10回中2.5回
しかなかった、つまり10回中7〜8回は、汚いなあと感じてしまっていた
ことがわかります。

長期的には改善傾向にある堀川ですが、今年は気象の影響を受けて
状態が悪くなっていることがよくわかります。

来年以降、どうなるのか、本当に長期的に見てよくなっていっているのか
どうか、そういう目でこれから堀川をみていただきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いします。


36ページをご覧ください。

これは35ページのグラフを区間別にみたものです。

左上が城北橋より上流、その下が城北橋から朝日橋、右上が
朝日橋〜松重橋、その下が松重橋から大瀬子橋と、順に下流に
向かっています。

特徴的なことは城北橋より上流では、今年の気象条件にも関わらず、
印象がかえってよくなっていることです。

ここでひとつコメントさせていただきますが、左下のグラフには
中土戸橋などで調査したデータになりますが、0件となっているのは
なぜか?という疑問が出るのではないかと思います。

これは、今年も実際に9件の調査データを中土戸橋で報告いただいて
いるのですが、いずれも前日が雨ということでした。

前日が雨の場合、水質に明らかに影響を及ぼすことが考えられるので、
この分析では、第1ステージからずっとですが、統計処理上、
前日に雨のデータを全区間ではずして比較をしています。

それで、中土戸橋のデータがこの分析では反映されていない、ということ
であって、報告されたデータがなかったというわけではありませんので
ご注意ください。


 それでは、「なあんだ、前の日が雨だったら、調査しても切り捨てられて
意味がないのか、じゃ、やめだ」と思われるかもしれませんが、そうではない
というお話をこれからさせていただきます。

 今回のように短い周期でまとまった雨が降ると、逆に前日が雨だった場合の
堀川はいったいどうなっているのか、という観点で分析してみたらどうなるのか、
ということに事務局では興味がわきました。

 そうすると、過去に統計から外されていたデータすべてに光があたることに
なります。

39ページのグラフをご覧ください。

このグラフは、左側が下流、右に行くにしたがって上流になります。

区間ごとに、左側のグラフが前日、当日ともに雨が降っていない状態、
右側のグラフが前日は雨、当日は雨が降っていないデータを抜き出して
比較したものです。

 色で見ると、青いのは「きたない」と評価したもの、ピンクは「ややきたない」
と評価したものです。

「きたない」+「ややきたない」を足したものが赤い数字です。

 これを見ると面白いことに気がつきます。

 朝日橋を境にして、左側つまり下流側では、前の日に雨が降ると
次の日は堀川の印象が悪くなっています。

 それに対して、朝日橋より右、つまり上流のほうは、前の日に雨が降ると
次の日はむしろ印象がよくなっているのです。

 




また40ページをご覧ください。

そのときに堀川を評価した理由です。

一番下のグレーは「色」で評価、黄色は、「におい」で評価した割合です。

これをみると、前日に雨が降ると堀川全域で、「におい」による評価が増えて、
「色」による評価が減っていることがわかります。

また、城北橋より下流では「ごみ」による評価が増えています。

つまり堀川は、前の日に雨が降ると、特に朝日橋より下流では汚い印象に
なる、それは悪臭が増え、ごみが増えるからだという説明が成り立つことに
なります。

 また一方で、城北橋より上流では特に特徴的ですが、青い部分、
これは「透明感」を示していますが前の日に雨が降ると、城北橋より
上流ではきれいな印象になる、それは透明感が増したからだ、という
説明がなりたつことになります。

 この原因については、いろいろなことが考えられます。

 たとえば、堀川右岸滞水池ができてからは、その直接的な効果がある
上流部では、雨水吐から、下水の未処理水つまり汚い水とゴミがあまり
流入しなくなったはずです。

 それに対し、堀川右岸滞水池の直接的な効果があまりない朝日橋より
下流では相変わらず雨水吐から汚い水がでてしまうからではないか?

 上流部では雨水による希釈効果が働くが、中下流部では雨水の流入で
流れが早くなりヘドロを攪拌してしまうからではないか?

 上流部はその点川幅も狭く、ヘドロの堆積が少なく雨水の攪拌による
悪影響が少ないのではないか?、というようなことが考えられるわけです。

 また41ページに前回の調査隊会議で報告した資料がつけてありますが
上流部では水位が低くなると透明感を感じやすいという現象も確認されて
いることから、そういう潮が低い時のデータも反映されている可能性もあります。

 これについては、のちほど実際に調査されている皆さんに、それが実感
としてそのとおりなのか、それとも実際の印象とは違っているのか、ぜひ
お聞きしてみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。



43ページから48ページまでは透視度についてまとめてあります。

43ページをご覧ください。

これまでのデータ分析で、調査隊の皆さんが堀川が「汚くはない」と
感じたときの透視度は70cm以上であることがすでにわかっています。

つまり私たち市民が許容できる、許せる堀川の透視度のボーダーライは
70cmだということが説明してあります。


46ページをご覧ください。

先ほど堀川の「水の汚れの印象」を見たときは、かなり数値が
下がっていました。42%から25%。

ところが、透視度調査で見ると、確かに数値は5cmほど下がって
いますが、それほど大きく変化したとはいえません。


47ページで区間別に見ても、松重橋より下流では少し数値が
下がっていますが、いずれの区間もそれほど劇的にグラフは
下がっていません。

これはどういうことかと考えると、46ページの下の文章の最後
のところに書いてありますが、調査隊の皆さんは主に堀川の表層の
淡水を採水して計測していると思うのですが、雨による流れの速さで
ヘドロを攪拌したりする影響は、表層水には表れていないのかも
しれません。


 雨が降ると堀川は雨水吐からの汚濁水の流入や、ヘドロの攪拌で
においがするようになり、色も汚くなって印象が悪くなるのですが、
表層の水に関しては透視度はそれほど悪化していないのではないか、
そういう姿が浮かび上がってきます。


堀川の水が、下のほうの比重の重い海水と、表層の比較的軽い淡水
の2重構造になっていることが影響している可能性があります。


 

42ページに、第18ステージで報告した資料がつけてありますが、
透視度(特に表層水)が改善すると水際や川底が見えてくるため、
水の汚れの印象(特に透明感、色)に変化があらわれるのではないか
と仮説を立てています。


今後も透視度の変化と水の汚れの印象の変化に着目していきたいと
考えているところです。



48ページをご覧ください。

これは、前日が雨でないときがピンクのグラフ、前日が雨の時が
青いグラフ、で透視度を現しています。

全区間で雨が降ると透視度が悪くなっていますが、特に
城北橋〜朝日橋〜松重橋の町の中心部で、前日が雨だと
透視度が特に悪くなっていることがわかります。

これは、このあたりのヘドロがまだたくさん残っていて、
雨によって攪拌され、水が濁ってしまうのではないかとも
想像できるのですが、これから解明していかなければいけない
課題です。

特に、堀川を活用した街づくりや観光都市をめざしてゆこう
という名古屋にとって、街の真ん中で雨が降ると堀川がくさくて
色が悪くて、きたなくて、透明感もない、というのでは話にならない、
って私なんか思うのですが、いかがでしょうか。



49ページから54ページには、CODについてまとめて
あります。


50ページを見ていただくと、今年は若干悪くなっているものの、
傾向として上流から少しずつ改善の傾向にあることがわかるかと
思います。






52ページ、53ページをみていただくと、透視度の時と
同じように、調査隊の観測は表層水をみているので、
「水の汚れの印象」ほど、「透視度」も「COD」も、
著しく悪化はしていないことがわかります。




また54ページを見ると、前日が雨のとき、城北橋より上流では、
CODはほかの区間と反対に、雨が降ったほうがよくなっています。




先ほど48ページの透視度ではこの区間も雨が降ると悪くなって
いますがCODに希釈効果が働くのか、あるいは庄内川の水質の影響を
受けるのかわかりませんが、CODは雨の後のがよい、という統計結果
になっていて興味深いです。



55ページから66ページまでは、「あわ」と「におい」
についてまとめてあります。

ここでは時間の関係でポイントだけ説明させていただきます。

61ページ右側のグラフをご覧ください。

川底からのあわと、臭いの発生には強い相関関係があることが、
すでに私たちの調査でわかっています。




65ページ右上のグラフをご覧ください。

今年19ステージの堀川は、高温と、短い周期のまとまった雨で、
くさい臭いがして汚い川であったこと、特ににおいについては、
朝日橋〜松重橋の間、つまり中区、西区中村区、中川区といった
町の中心部で数値が悪かったことがわかります。

この場所は海からの海水があがってきて、汽水域の中でも
潮の先端になりやすい場所であることがわかってきています。

こうした潮の先端は、ヘドロのたまりやすい場所である、
という論文があります。

それが60ページに紹介してあります。

まさに理論通りの事が堀川で起きている、ということなんです。

67ページからは色についてまとめてあります。

67ページ右上をご覧ください。

これまでの調査で、堀川には3つのパターンが組み合わさって
いろんな色になることがわかっています。

そのうちのひとつは、「白濁系」の色です。

これは堀川が酸素が少ない状態になったときに発生する色で
主に海水に含まれる硫酸イオンが川底の細菌によって還元されて
生成された硫化物(硫化水素等)が酸素と触れた時にコロイド状の
粒子状硫黄になることで発生します。

ちょうど白っぽい温泉のような色で、卵の腐ったような独特のイオウ臭
がします。

もうひとつは「ヘドロ系」の黒っぽい色です。

潮の流れや雨水の流入でヘドロが巻き上げられ、攪拌されたときに
見られます。

もう一つが「赤潮系」の色で、水中にプランクトンが異常発生したような
ときにみられます。


70ページをご覧ください。

今回、前日に雨がふったときと、そうでないときの、皆さんが調べた
堀川の色を比べてみました。

すると、前日に雨が降ると堀川では、白濁系、つまり酸素の少ない時の
色が多くみられることがわかりました。

それも大潮のように流れのはやい時には、白濁系の色が発生していることが
多いようです。

小潮の時と比べると、堀川では雨が降ると大潮の時のほうが白濁することが
多いようです。




これに関連してちょっと話が飛びますが、82ページをご覧ください。

以前の調査隊会議で、堀川では大潮と、その直前にまとまった雨が降ると
特に4月〜6月に酸素が不足する水質になって、魚が大量死するのではないか、
という、私たち事務局がたてた仮説をご紹介しました。

この表は、上のほうから下のほうに、平成22年から今年28年にかけて
新聞や名古屋市で公開された堀川で死魚が発生したときとその時の潮廻り、
気象条件などについてまとめたものです。


一番下の今年の欄をご覧いただくと分かりますが、今年は大潮では
ありませんでした。

原因の欄の「DO低下」というDOは水中の溶存酸素の事です。

この表を見ると魚が死んでいるときには直前にまとまった雨が降っている
ことはまちがいありませんが、大潮だけでもないことがわかります。


84ページの写真をご覧ください。

左上は大潮のときの上げ潮時間帯の様子で、早い流れがヘドロをまき上げ
攪拌している様子がわかります。

右上は満潮になったときです。

向う側が、海から上がってきた酸素の少ない白濁した水で、手前側が
上流から流れてきた庄内川の水や名城水処理センターからの淡水です。


ふだんは、海水は重いので淡水の下に潜り込むように上ってくるので、
水面でその境目はほとんどわかりません。

しかし大潮の時は一気に水があがってくるので、垂直に遡上して
上流からの水とぶつかりあうので、こういう潮目のような境が見られます。


左下は、干潮時間帯になって水が下がり、ヘドロが露出した状態、
右下は、水面が下がって水圧が低下したためにヘドロの中の
硫化水素ガスなどが水面にのぼってきて泡をたてている様子で、
当然、卵の腐ったようなにおいがしているはずです。



これをみると、魚が死んでもしょうかがないかな、ということで立てた
仮説が83ページの図です。

気温が上昇する4月〜6月、有機物の分解が活性化し、水中の酸素が
消費されやすくなる中で、まとまった雨が降ると雨水吐から汚濁物質が
堀川に流れ込み、それを分解することで、ますます酸素が消費されて
少なくなる、そうしたところに大潮が重なると非常に魚が死んでしまいやすい
状態になるのではないか、これが私たちがいままで立ててきた仮説で、
82ページの表を見る限り、かなりあたっているのではないかと思ってきました。



しかし今回もうひとつの新たな仮説を追加してみました。
それが85ページです。

小潮・長潮、若潮という言葉がありますが、長潮というのは、
小潮の末期、最後のほうで干満差が一段と小さくなって
非常に堀川の流れが緩やかになるときです。

若潮というのは、その長潮のつぎにくる潮で、長潮を境に大潮に向かって
潮の干満差が次第に大きくなっていきますが、このように潮が再び大きく
なる状態を「潮が若返る」と言って、長潮の翌日を「若潮」とよんでいるのだ
そうです。

いずれにしても小潮、長潮、若潮のときは、潮の干満差による堀川の流れは
非常に緩くなります。

 そうすると堀川の水の入れ替わりが少なくなり、気温が上がって
酸素が消費されやすいところに、雨が降って、あらたな汚濁物質が流れ
込んで貧酸素かが進む中で、水は入れ替わらないので、水中の酸素が
極めて少ない状態になる、だから魚が死んでしまいやすくなる、
これが事務局が今回新たに立てた仮説です。

今後、こうした目で皆さんも堀川を見つめていっていただき、
いろいろな現象が見られたら写真などを送っていただくと
ありがたいと思います。



それにしても、魚がそれだけ死ぬということは、逆に言うと
堀川にはそれだけ魚がいるということになります。

78ページからは、堀川の生き物についてまとめてあります。

78ページの左上をご覧ください。

堀川では、毎年ハゼの仲間やボラの稚魚が遡上しているのが
確認されており、すごい時は納屋橋あたりでも水面一面がさざ波だって、
あれは何だ、というくらいボラの大群がいるときがあります。



79ページをご覧ください。

そうした魚類を狙って食物連鎖が始まり、生態系の上位に位置する
猛禽類とよばれる鳥も、名古屋の中心市街地でよくみかけるように
なりました。

堀川が徐々に状態がよくなってきていることを示す事実として、
こうした生き物の観察はとても重要な指標になってきています。




次に4月8日に実施していただいた、春の大潮一斉調査についての
ご報告です。

91ページから106ページにまとめてありますが、92ページをご覧
いただくとこの日の潮位差は、約2.5mあり、非常に干満差が
大きかったことがわかります。


もう一つの特徴ですが、93ページをご覧ください。

この一斉調査の前日には、40.5mmのまとまった雨が降りました。


94ページをご覧ください。

雨の降った後、4月の平均気温を上回って調査当日気温が上昇したことが
わかります。

今回の一斉調査にはこの影響も出ていると考えられます。


たとえば、それは、102ページの表の真ん中あたりをご覧ください。

この表は各地点で皆さんが観察した堀川の色を示したものですが、
真ん中あたりの吹き出しに、「干潮時間帯の水の動きが止まった時に
灰色が強い白濁になりました」と書いてあります。

つまりこのとき堀川は、一気に貧酸素の状態になったということです。

しかも、その1時間後には、色が変わってしまったことも記録されています。

干潮で水位が最も低くなり、潮の動きが止まった時に一気に白濁して、
潮が動き出したらすぐに白濁が消えてしまった、

こういう事実が記録されたことは、堀川の色々な現象を考えてゆくのに
大きなヒントになったと思います。

なぜこうなったのか、これについては、まだはっきり説明できませんが、
非常に貴重なデータが得られたことは事実です。


この大潮の日の一斉調査で確認できたことが、もうふたつあります。

96ページをご覧ください。

今回の一斉調査では、住吉橋を境にしてその上流と下流で
結果に違いが見られました。

住吉橋の上流はご存じの方も多いと思いますが、川幅がきゅっと
狭くなっています。

地形的な要素が堀川に影響を及ぼすのではないか、そういう見方が
できるかもしれないことがわかってきました。

この日、住吉橋の上流では、きたないと感じた人がほとんどで、
その多くは色で評価していました。

干潮に近い下げ潮時間帯には、ヘドロが巻き上がり、水の色が
濃い灰色になりました。

干潮時間帯、つまり水の動きがなくなったときには、あわと
卵の腐ったにおいと、白濁の発生が確認されました。

水圧が低下して、底の泥で生成された硫化物が、水中に解放された
と考えられます。

この日の前日は、40mm以上のまとまった雨が降りました。

雨と、雨が降った翌日に白濁が生じる現象の関係を考える
手掛かりになる知見が得られました。

一方、住吉橋の下流側は、比較的よい印象が報告されました。


これも現段階では想像に過ぎませんが、たとえば川幅が広くなって
水のスピードが緩くなり、ヘドロを巻き上げにくいのではないかとか、
この辺りはある程度ヘドロの浚渫が終わっているので、
その効果がでているのではないか、といったことも考えられるかと
思います。




もうひとつ春の大潮一斉調査で確認されたのは、ごみの動きです。

97ページ右側をご覧ください。

潮が下がってゆくときに、松重閘門の、へこんでいるところに
ごみが集積するのが確認されました。

98ページをご覧ください。

上げ潮時間帯になると、そのごみが錦橋から中橋付近まで遡上
していきました。

一旦水面にごみが落ちると、そのごみは堀川を行ったり来たりするので、
ごみで堀川の印象が悪くなる、ということが改めて確認できました。

またごみが集まらない仕組み、あるいは集まったごみを上手に取る仕組み
を考えるための重要な知見が得られました。

また住吉橋の下流の、御陵橋や熱田記念橋でも、上げ潮時間帯に
浮遊しているごみが確認されました。

このごみがどこから来ているのかはまだわかりませんが、たとえば、
ひょっとしたら、宮の渡しあたりとの間で往復している可能性もあります。

この辺りで調査されている方はそういう点でも観察して報告を
いただけるとありがたいです。


次に、覆砂による社会実験のその後についてのご報告です。

資料の107ページをご覧ください。

実験開始した昨年の2月と1年たった今年2月の写真が比較してあります。



108ページをご覧ください。

これは昨年の夏と今年の夏(8月3日)の写真を比較したものです。

写真は中橋から上流つまり北側の五条橋方向を撮影したものです。

露出した砂や石炭灰がやや黒ずんでいることがわかるかと思います。

一年前には、砂で覆った場所と、石炭灰という浄化材で覆った場所の
分かれ目、境がなんとなくわかりますが、今年の写真ではちょっと
わかりにくくなっています。


110ページは、逆に五条橋から下流側つまり南を向いて撮影した写真で、
昨年の夏と今年の夏(8月3日)を比較したものです。

昨年は、砂と石炭灰の境がくっきりみえていましたが、今年はやや
わかりにくくなっています。

私たちは、実験のはじまるとき、砂や浄化材をかぶせても、すぐに
上からヘドロがかぶさって真っ黒けになってしまったり、洪水で
砂が流されてしまったりするのではないか、ということを心配して
いました。

今のところ、大きな台風による出水などがなかったこともあって、
砂や浄化材はそのまま残っていて、一年たった今、
多少黒っぽくなってきてはいるけれども、ヘドロがまともに露出して
いた時のような状態と比べると全然違うということがわかるかと思います。

111ページをご覧ください。

今回わかったことですが、同じように砂をかぶせても、岸に近いところ、
少し高いところにはヘドロがたまりにくく、少しでもへっこんでいるところには
ヘドロがたまりやすいということがわかりました。




砂と石炭灰では、どちらがヘドロがたまりやすいかはとても微妙で、
まだ結論を出すには早いかと思いますが、現時点では112ページ、
113ページの写真を見ると、砂のほうがたまりにくいかな?というようにも
みえます。

ただ、116ページをご覧ください。

白抜きの文字で書いてありますが、カモがエサを探している場所は
砂だけをかぶせた場所よりも浄化材(石炭灰)をかぶせた場所のほうが多く、
どうも浄化材のほうに餌がたくさんあるように思われます。






117ページから121ページには、この実験をする前とその後の
皆さんの観察データがプロットしてあります。

このデータからは、実験区間では、実験前と比べて水の汚れの印象が
ちょっとよくなったかな、透視度がややよくなったかな、CODがやや改善
したかなという傾向が少し見られますが、今年の気象条件が悪かったために、
はっきりと言い切るだけのデータにはまだなっていません。

もう少し長い目で見てゆく必要があると思います。

ただ、生き物のようすなどの観察から、この実験は間違いなく効果が
でている、ということは言えるのではないかと考えています。




最後に新堀川の様子についてご報告します。

87ページをご覧ください。

まだまだ堀川と違ってデータ数の蓄積が少ないため、
いろいろなことを言い切るところまではいきませんが
これまでのデータで、新堀川は最上流部の舞鶴橋から
法螺貝橋付近が特に印象が悪いようです。




88ページ
をご覧ください。

CODについても上流へ行くほど悪くなっています。

透視度については、大井橋と熱田橋付近の透視度が低くなっています。




89ページ
を見ると上流部ではあわも多くみられ、臭いの状態も悪くなっています。




90ページ
をご覧ください。

臭いの種類はヘドロのにおい、卵の腐ったにおいが多く、色も上流部では貧酸素状態を示す白濁系の色が多くなっています。

新堀川については、なんとかしなくっちゃ、といいながら、なかなか見通しやめどがついていないというのが現状ではないかと思いますが、名古屋の町中を流れる大切な川であり、堀川の浄化とも密接な関係があると思いますので、このあたりについても皆さんのご意見をお聞きしたいと思います。



以上で、19ステージに皆さんが定点観測をしていただいた調査報告を終わります。







以下は、平成27年9月5日付で掲載した関連記事です。


事務局より   平成27年9月5日
 
   平成27年9月5日(土)、名城水処理センターで開催された
  第17回堀川1000人調査隊会議で発表された、第17ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

     ⇒PDFデータのダウンロードはこちら






今日のお話のポイントは次の通りです。

(1)五条橋〜中橋区間で1月から始まった覆砂による
  浄化実験の市民による検証(中間報告)

(2)4月20日に実施した春の大潮一斉調査の結果について

(3)累積データ数が非常に大きくなったことによって、月別に
 データが分析できるようになってきて、一段と堀川の状態が
 良く見えるようになってきたこと。

(4)新堀川の状況について


まず最初に、五条橋付近の覆砂による浄化実験の
検証についてご説明します。


資料の順番が若干前後しますが、まず95ページ
ご覧ください。


私がページというときは、右下に書いてある番号のこと
ですからその番号をご覧ください。


今年1月に工事が始まり、2月末までには五条橋〜中橋間の
ヘドロの上に砂や浄化材をかぶせる実験がスタートし、
堀川1000人調査隊による観察も始まりました。



96ページは、中日本建設コンサルタントかわせみ調査隊
による定点観測写真ですが、これをもう少し細かく、
アニメーションにしたものをご覧いただきます。


最初は中橋から上流の五条橋の方向を見たものです。

次に五条橋から下流側の中橋の方向を見たものです。

2月から7月までを連続写真で見ると、一見あまり変化がないように
見えます。


実は私自身、砂をかぶせてもすぐにその上に新しいヘドロが
かぶさってきて、半年もしないうちにすぐにまた真っ黒になって
しまうのではないかと心配していたのですが、この写真を見る限り、
ほとんどそういう心配はなく、ほとんど変わっていないことが
わかります。


これからまだしばらくの間、観察が必要ですが、名古屋市さんとしては
とりあえず最低2年間は観察を続け、その上で市民と行政が一緒になって、
実験の効果を検証、評価することになっていますので、近くを通られたり
定点観察されたときには、ぜひ写真などのレポートを送っていただければ
と思います。


最近はスマートホンで撮影してその場で写真を送ってくださる方も多く
なってきて、非常に有効な画像データが蓄積されてきました。

画像を送っていただくときには、ぜひ日時や場所、方向などをメールに
メモして送ってください。


次に、97ページをご覧ください。

砂や浄化材をかぶせた場所には非常に多くの鳥や魚などの生きものが
観察されるようになりました。


この実験以前の、まっ黒いヘドロが露出していたときには、おそらく
こうした光景を目撃された方は皆無ではなかったと思います。


この実験ではっきりと変わったのは、覆砂によって、少なくとも
既存のヘドロが巻き上がるなどの悪さが押さえられ、自然の
浄化能力も復活たのではないかということ。

その結果、鳥が好むような小さな生き物が生育できるような水環境に
なってきた、ということが言えるのではないでしょうか。


写真や目撃情報はこれを裏付ける非常に貴重なデータになりますが、
限られた調査隊だけの情報ではそれを証明するだけのデータ数に不足します。


ぜひ多くの皆さんのご協力をお願いいたします。


次に、98ページをご覧ください。

これは定点観測隊が積み上げた実験前のデータと実験後のデータを
比較したものです。

真ん中の表が五条橋〜中橋の実験区間ですが、その上流と下流では
水の汚れの印象がほとんど変わっていないのに対し、この実験区間は
印象が改善しているように見えます。


まだまだデータ数が不足していますので、「言い切る」ことができませんが、
今後の皆さんの調査データが積みあがってゆけば、明確にこれを「言い切る」
「評価する」ことができるようになるのではないかと思っていますので
どうぞよろしくお願いします。



次に、99ページをご覧ください。

水の汚れの印象を何で評価したかがこれでわかります。

実験区間では実験前は色で評価するのがほとんどでした。

実験後に、印象が改善してくると、「色」に加えて「透明感」で
評価するデータが出てきています。


(実験前は、透明感なんてまるで感じない区間だったわけです)






100ページをご覧ください。

実験区間では、透視度が改善してきている様子がわかります。

このあたりは水深が比較的浅く、水の流れでヘドロが巻き上げやすい
場所だったところです。

覆砂によってヘドロの巻き上げが押さえられているのかもしれませんが、
まだ確定的なことは言える段階ではないと考えています。

これからのデータの積み上げが必要です。










101ページをご覧ください。

CODについても実験後やや改善しているようです。








ただ102ページををご覧いただくと、「におい」についてはあまり
明確な違いは見られません。


今回の実験で痛感したことですが、こうした実験前との比較が、
データを使って比較できる、ということがとてつもなく素晴らしいことだと
いうことです。


これまでこつこつと積み上げたデータがあるからこそ、名古屋市が実施した
実験の効果が科学的に検証できるということであり、皆さんのこれまでの
努力が大きく報われようとしているひとつの好事例、大きな業績だとつくづく
思うわけです。
 本当に素晴らしいと思います。



では次に、4月20日に実施していただいた春の大潮一斉調査
についてご報告をさせていただきます。

少し戻りますが、79ページをご覧ください。

この春の一斉調査は、春先の水位の変化が大きい時の堀川の様子を
いろんな場所で一斉に調べることによって、これまでわかっていなかった
堀川の実態に一段とせまろうという目的で、今年から企画したものです。




81ページをご覧ください。

残念ながらこの当日、前線を伴う低気圧が通過して、
11時から15時を中心にかなりの雨が降り、時折強い風が吹いて
傘が壊れるほどでした。


また暖かく湿った空気が流れ込んだため、気温が高くなりました。


こういう天候だったため、予定していた調査の日をずらして
別の日に大潮の状態を調査していただいた調査隊もありました。


また雨の中、調査を実施していただいた隊もたくさんありました。


今回の報告では、雨の当日だけのデータをまとめさせていただきましたが、
この日の前後に実施していただいた調査隊のデータは来年以降の
データと比較するデータとして有効に使わせていただく予定ですので
ご了承いただければと思います。





さて、79ページに戻ります。

この日の名古屋港の潮位差は満潮と干潮で約2.4mもありました。













80ページをご覧ください。

春の大潮の一斉調査の着目点は白濁、赤潮が遡上する様子が
みられるかどうか、

川底でヘドロが巻き上がる様子が見られるかどうか、

川底から泡が発生している様子が見られるかどうか、

そして生きものの様子はどうか、

潮の先端の水面に浮遊物が集積する様子はどうか、

というのが主なポイントでした。


結論から言いますと、白濁や赤潮が遡上する様子はこの日は
確認されませんでした。

これは気象条件に関係しているかもしれないと考えています。


ちょっと戻って12ページをご覧ください。


ここでは、上の段が降水量をグラフで表しています。


第17ステージの青いのが4月、緑色が5月、ピンクが6月です。


思い出していただくといいのですが、今年は4月は連休前は
晴れた日が少なくてずっと雨が続いたイメージの方が多いと
思いますがグラフで見てもそれがよくあらわれています。


下の段が日照時間ですが、こちらでみると、もっと顕著です。


4月の日照時間は例年と比べてもかなり短くなっています。

そして5月にぐ〜んと長くなり、6月には平年並みの8日に梅雨入りしました。


この4月20日の調査日時点では、日照時間が短くて植物プランクトンが
増殖しにくかったことで赤潮が見られなかった、また雨の日が続いて、
比較的良好な水質の雨水が堀川に流れ込んだため、酸欠が生じにくく
白濁がみられなかった、ということも要因として考えられるのではないかと
思います。























もう一度戻って、86ページをご覧ください。


一番下、10時頃新堀川の法螺貝橋で白濁系の淡黄灰色が
確認されています。


なぜ堀川では見られなかった白濁が、新堀川ではみられたのか。

この理由は確認ができていません。堀川と新堀川はかなり条件が
違うのかもしれません。



少し詳しく見ていきたいと思います。

81ページの下の表をご覧ください。

この4月20日には、11時〜15時にかけてかなりまとまった雨が
降った様子がわかります。














82ページをご覧ください。

潮位の変化と水の流れの方向について整理されていますが、
堀川中流の中土戸〜伝馬橋では干潮から上げ潮に変わる時間帯
になっても下流向きの流れが続いていました。

また上げ潮時間帯に満潮になる前に下流向きに流れが変わって
いました。名古屋港の潮位の動きと堀川では少しずれがあることが
わかります。



83ページをご覧ください。

中流部では、潮位が下がってきた10時くらいから汚いと
感じている様子がわかります。


残念ながら満潮時にはデータがありませんので、
きれいだったのかどうかわかりません。


しかし下流の白鳥橋や大瀬子橋では、潮位が下がってきた
10時頃でも比較的きれいだった様子がわかります。









84ページをご覧ください。

下げ潮時間帯の中流部では、汚いと感じていた人が、
1の「色」で評価していることがわかります。







ちょっと飛びますが87ページをご覧ください。

干潮に近い下げ潮時間帯には水位が下がってヘドが顕著に
巻き上がっている様子が確認されました。

その色はヘドロの黒い色を反映した「濃灰色」でした。

またヘドロは流れの中心部よりも水際付近が顕著でした。
もういちど84ページをご覧ください。

ひとつ注目していただきたいのは、10時の松重橋のところが、
「におい」でややきたない、と評価されていることです。







 これについては88ページをご覧ください。

左上の写真で、黄色っぽいような色の水が堀川に
湧き出しているのがわかりますか。

これは中川運河から堀川にポンプで排出された水です。

右下の写真はそれを反対の方向からみたものです。

手前が中川運河から排出された黄色っぽい水です。

これが向こう側の堀川の本流の方に流れ込み、どぶのような
においがしていたのが確認されています。

向う側、右側が下流ですが、この黄色っぽい中川運河の水が
下流の山王橋付近まで影響を及ぼしていたのが、この日は
確認されました。


ちなみにこのあと約2週間あとの5月3日、連休のころに急に気温が
高くなったのですが、中川運河でコノシロが約45万匹も大量に浮いて、
大きく報道されました。


水質のためなのか、狭い水域に大量の魚が入り込みすぎて
酸欠になったせいかはよくわかりませんが、中川運河に
あれだけの魚がいたということ自体、個人的にはちょっと
びっくりしました。



それから、中流部での雨水吐からの流出ですが、89ページ
ご覧ください。

岩井橋、洲崎橋、天王崎橋付近で確認されました。

流出していた水は、降り初めによく見かけられるような、どす黒い水
ではなく、川の水の色に近い「灰緑色」でした。



次に、水上を浮遊するごみの状況についてご報告します。

92ページをご覧ください。

この写真は、干潮に近い下げ潮時間帯に、松重閘門の
へこんだ部分の水域にゴミが集積する様子を写したものです。

大潮で潮の流れが速いとこうした堀川の水の動きがよくわかります。


これが上げ潮になるとまたばらけながら上流に向かって流れていき、
浮遊するゴミは堀川を行ったりきたりしますから、こういう流れの
メカニズムを利用してどこかで集まったゴミを一気に掬い取ってしまう
ということができれば、堀川の浮遊ゴミも減らすことができるのですが、
こういうデータはそういう仕組みの考案に役立つのではないかと思われます。






93ページをご覧ください。

これは納屋橋桟橋下流の左岸の昔の掘割の後のところに、
下げ潮時間帯にゴミが集まってくる様子を撮影したものです。


下げ潮の時にこうしたくぼみにゴミが集まって、上げ潮になると
ばらけながら上流に移動してゆく様子がわかります。


94ページをご覧ください。

これまでにもたとえば、日食や月食の大潮の日の調査で、
海水があがってくる潮の先端部分が中橋付近になっていて
このあたりに満潮時にゴミが集積する様子が確認されています。


今から3年前の皆既日食の日は、いつもは楔形に差し込んでくる海水が
垂直状に上げ下げしているためこんな写真が残っています。


ただ、この日は、雨の影響からか、満潮時間帯になる前に、
川の流れが下流向きにかわっていましたので、ゴミの集積は
それほど顕著ではありませんでした。

そして下げ潮になって下流向きの流れが強くなったら、
集積したゴミは分散しました。


以上が春の大潮一斉調査の報告ですが、これは来年以降も
続けてゆくことができれば、もっといろんな現象が確認され、
堀川の実態解明が進み、浄化や水環境の改善のヒントが
見えてくると考えています。

可能であれば、ぜひ来年もご協力いただければありがたいと
思います。




それでは次に、17ステージ全般のご報告を簡潔にさせて
いただきます。


まず9ページをご覧ください。

皆さんの地道な活動で、第1ステージから8年半の間に蓄積した
調査データは何と、3,900件を超えました。








10ページをご覧ください。

年間400件のペースでコンスタントにデータが積みあがっていることが
わかります。

このデータの蓄積がこれからお話しするようにすごい威力を発揮
してきたんです。


ひとりひとりの力は小さいかもしれませんが、多くの市民が力を合わせて、
長い間こつこつと活動を継続すれば、こんなにすごいデータが蓄積される。

いつも申し上げますが、こんな事例はほとんど聞いたことがないくらい
すごいことを皆さんはやっているんだと、自分で自分をほめてもいいと
思うんです。




さて、その成果ですが、まず13ページをご覧ください。

平成19年から現在までの8年半に、堀川浄化のために名古屋市が
取り組んでいる施策が表現されています。

木曽川からの導水は残念ながら最初の3年間で終わってしまいましたが、
水源の確保のための地下水の利用は少しずつ増えています。


今年も中流の中土戸橋に地下水を放流されるそうですが、このあたりには
フレッシュな水が以前から欲しかっただけに、水量はわずかとはいえ、
とても期待が持てるような気がします。


また名城水処理センターの高度処理と平成22年からはじまった
「堀川右岸雨水滞水池の供用開始」で、あとからご説明するように、
堀川の水環境は徐々に改善の傾向に向かっていることが確認できる
ようになってきました。



17ページをご覧ください。


ここには、本日の報告の骨子が書かれていますので、
あとでゆっくり読んでいただけるとよいかと思いますので
ぜひ印をつけておいてください。























20ページをご覧ください。


これは過去8年半、皆さんが調査されたときの堀川の印象を
グラフにしたものです。

ベージュは春から初夏、ブルーは秋から冬のデータを示しています。


平成19年から3年間行われた木曽川導水で改善したあと、
堀川の印象は一旦悪化しましたが、、名城水処理センターの
高度処理の導入や堀川右岸滞水池の供用開始などの
名古屋市の施策が実施されるとともに徐々に改善に向かっている
ことがわかります。




21ページをご覧ください。


これはそれを区間別に見たものです。

上流から、猿投橋〜城北橋間、城北橋〜朝日橋間、
朝日橋〜松重橋間、松重橋〜大瀬子橋間、いずれも
改善傾向にあることがわかります。


ただし、中流部の朝日橋〜松重橋間は、改善傾向にある
とはいうものの、印象そのものはあまり良くないことが
わかります。


23ページをご覧ください。


こういう改善傾向にある堀川を、皆さんがどのような観点で
評価したか、というのがこのグラフです。


木曽川導水が終了した直後の第7ステージと比べると、
それから5年後の第17ステージは、においで評価するのが減って、
透明感で評価するケースが多くなっています。

つまり、おおざっぱな言い方をすれば、この5年間で、堀川は
臭いがあまりしなくなって、透明感がよくなってきた、ということを
このグラフが示しているということです。


これは現実に私たちの多くが感じている実感が、そのままデータで
示されているという点で、非常に興味深く、また価値のあるデータだと
思います。



25ページをご覧ください。


最初にお話をしましたが、この8年半ほどに、4000件に近いデータが
蓄積され、そして今も年間400件ものデータがその上に積み上げられて
いることをご紹介しました。

その大きな成果がこれです。

今まではデータ数がここまで蓄積できていなかったためにできなかった
のですが、いよいよデータを各月ごとに分析することが可能になって
きたのです。


25ページの下のグラフをご覧ください

これは猿投橋〜大瀬子橋のこの8年半のデータを月別に分解したものです。

「きれい〜どちらともえいない」(つまりきたないとはいえない)という評価を
月別に並べると、春から秋(4月から9月)は10月から3月までのデータと比べて
数値が低いことがわかります。


 特に8月はすとんと低くなっています。


 また年間を通して、「きたなくない」という評価は、50%を下回っています。


 ただしこれは、8年前のデータも含まれています。

 ですからたとえば今年から5年先までのデータだけで同じグラフを
つくってみると、特に冬場は、「きれい」が50%を超えているという
グラフになるような気がします。


 しかし8月に堀川の印象が悪い、というのは、私たちの実感を
ほとんど正確に表しているような気がします。


26ページのグラフをご覧ください。

これは、調査データ数の多い区間を抜き出したものです。

下のグラフは、朝日橋〜松重橋、つまり名古屋の都心部、中流部の
データになりますが、年間を通して数値が低く、夏場、特に8月はゼロ
という数字が示すように、堀川の中流部の印象の悪さが堀川の課題に
なっていることがはっきりわかります。


 ただ、先日堀川エコロボットコンテストの会場で私自身が実感したことですが、
11年前にコンテストをやりかけた頃の堀川と、今年の堀川では、比較に
ならないほどきれいになっていることを感じました。

水がさらっとした感じで、上から見ていてもロボットがもぐっていっても
十分透き通って見ることができますし、猛暑の日なのにほとんど臭いを
感じない、これは11年前では考えられないことでした。

 また、先ほどのお話のように五条橋〜中橋間の浄化実験区間では
比べ物にならないほど見た目が改善しています。

 中流部も大きく変わってきている、ということがこれから先のデータで
証明出来てゆくのではないかと思います。




29ページのグラフをご覧ください。

同じ8月でも大潮の時と小潮の時では印象が違うことが
わかります。


夏場の大潮の時の対策をうつことができれば、堀川の印象は
もっと違ってくるのではないかと思われます。


次に透視度を見ていきます。

33ページをご覧ください。

これまでの調査データから、市民が感じる透視度の許容範囲は
70cmがボーダーラインということがわかっていますが、
冬場のブルーのグラフはほとんど70cmを上回っています。


ベージュの春〜夏のグラフは60cm近辺になっていて70cmを
超えていません。

傾向としては、現状維持から、ひいき目に見て気持ち改善の方向
というところでしょうか。









これを区間別にみたのが、34ページです。

区間によっては多少改善傾向に見えますが、はっきりと透明感が
よくなっている、というところまでは言い切れず、現状維持から
やや改善の方向性といったところで、まだまだという感じがします。




ところで先ほど23ページの水の汚れの印象のところで、
この5年間で、堀川は臭いがあまりしなくなって、透明感が
よくなってきた、ということ指摘しました。



しかしながら実際の透視度の数値が示すデータでは、透視度は
多少改善傾向に見えるものの、はっきりと透明感が良くなっている
とまでは言い切れない、と申し上げました。


 この矛盾はなぜ起きるのか。


印象は良くなっているのに、実は数値ではあまり改善していない、
あるいは数値はそれほど改善していないのに、堀川の印象は
良くなってきている。


 この点については私にも理由がよくわかりません。

 後ほどぜひ皆さんのご意見をお聞かせいただきたいと思っています。




















さて、36ページと37ページは月別にみたものです。


今回はじめてグラフで示すことができたのですが、
それもデータ数の積み上げという成果で示すことが
できるわけです。

透視度は9月〜12月に70cmを超えて大変良くなることが
わかりました。

ただ同じ冬場なのに1月になると少し透視度が下がってしまうのです。


堀川の透視度、特に中下流部では名古屋港の水の影響を
大きく受けるのですが、公開されている名古屋港の水質調査結果
を調べてみたのが別紙、公共用水域の水質調査結果です。


真ん中の列が港新橋付近、一番右が名古屋港潮見ふ頭です。

一番上が透視度のグラフです。名古屋港の透視度は10月以降
グーンと上がっているのがわかります。

青い線は24年度、赤い線は25年度、緑色の線は26年度で、
年により若干のふらつきはありますが、おおむね名古屋港の透視度は
10月から3月までよくなっています。


それが堀川下流の港新橋では、同じ10月から3月でも少しデータが
ばらついてきます。

そして私たちのデータでは、1月〜3月は少し堀川全体の透視度が
悪くなっています。

この原因はまだ今の段階ではちょっとわかりません。

皆さんがいろいろなお考えをお持ちだと思いますので、ぜひあとで
お聞かせいただければと思います。

38ページをご覧ください。

大潮時と小潮時では、透視度については、月別のグラフに
大きな違いは見られませんでした。








ちょっと飛ばして、においについてみていきたいと思います。

55ページをご覧下さい。

どの区間においても「におい」が改善傾向にあることがわかります。


58ページをご覧ください。

これまでの分析で、においとあわには相関関係があって、
あわがでるときは臭いもするということがわかっています。


最近、堀川のあわはそれほど目立たなくなっていますが、
においが改善していることと関係があると思います。

それは、堀川の底のヘドロなど低質の改善と関係があると
考えています。




























色についてみていきます。


60ページをご覧ください。

昨年の15ステージで目立った褐色系の色が、今年17ステージは
ほとんどありませんでした。

これは昨年4月に大量発生した赤潮が、今年はほとんど発生しなかった
ためと考えられます。

その理由はおそらく、4月上旬中旬に降水量が多く、日照時間が
少なかったという気象条件によって、赤潮が発生しにくかったためと
思われます。


「色」は堀川の印象を評価する大きな決め手になっていますので、
こうした気象条件が堀川の印象に与える影響がとても大きくなって
きていることを示していると思います。














時間の関係で最後のゴミについての報告に移ります。





66ページをご覧ください。

路上ゴミの中で、17ステージはタバコ系のごみが目立つように
なっています。

他のゴミが少なくなったのかもせいかもしれませんが、タバコ系のゴミが
多いかどうかは市民の意識や文化のレベルを示しているともいえますし、
さらなる啓発の重要性を示していると言えるとも思います。



69ページをご覧ください。

先ほどの大潮の調査でも指摘されましたが、浮遊するゴミは、
護岸の凸凹にたまってくるようです。

瓶屋橋〜住吉橋では、かつて水際にいかだが浮いていて
それにゴミが引っかかっているのをよく目にしましたが、
護岸改修工事のときに撤去された後は、へこみやでっぱりがへり
ゴミが目立たなくなりました。


また逆にこうしたへこみやでっぱりをうまく利用して、ゴミをひっかけて
取り除くということも考えられるかもしれません。


今年、地球倶楽部調査隊が撮影した、瓶屋橋下流の護岸工事現場には
きれいにゴミがあつまっているのが写っています。

ひとつのヒントかもしれません。


最後に生き物の状況についてご報告します。


71ページをご覧ください。

今年は5月から6月にかけて堀川の中流部などで、
かなりおびただしいボラの幼魚が確認されました。


私自身も、6月19日に納屋橋で空心菜の設置をしていたときに、
ものすごい数のボラで、見渡す限り水面がさざ波だっているのを
確認しています。


本当に生き物が増えたなと思います。


一方で今年も魚の大量死が見られました。


73ページをご覧ください。

今年はまず4月6日に住吉橋〜松重橋でコノシロ約230匹が
浮きました。


このときは、直前に大量の雨があり、大潮の時でした。


これは、過去の事例とも条件が良く似ています。


このほかに中川運河で5月3日頃、45万匹のコノシロが浮きました。

4月末の連休に入るころから5月にかけて急激に暑くなっていたことと、
これだけのコノシロが限定された中川運河の水域に大量に入り込んで
いたことが関係あるのかもしれません。

(満員電車の中で熱気で気分が悪くなるような状態だったかもしれません)



また新堀川では、6月22日には牛巻橋〜法螺貝橋間でボラが
1500匹浮きました。

この時はやはり、直前にかなりのまとまった雨が降っていましたが、
大潮とはあまり関係がありませんでした。

堀川と魚の大量死については、気象条件や潮周りとの関係が
かなりはっきりしてきたと思いますが、他の要因もあるようで、
全貌はまだつかめません。

これからもデータの蓄積と観察を続けることによって、まだまだ未解明の
堀川の実態に迫ることができるのではないかと思います。




以上で、17ステージに皆さんが定点観測をしていただいた
調査報告を終わります。








以下は、平成27年2月15日付で掲載した関連記事です。




事務局より   平成27年2月15日
 
   平成27年2月15日(日)、名古屋都市センターで開催された
  第16回堀川1000人調査隊会議で発表された、第16ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

        ⇒PDFデータのダウンロードはこちら

 この報告の要旨

  第16ステージまでのデータを整理すると、堀川は、気象条件によって、毎年ブレがあるものの
 おおむね改善傾向にあることがみえてきました。

  平成伊22年3月で、3年間の木曽川導水社会実験の停止し、その後いったん悪化した堀川の水環境ですが
 その後の下水からの汚濁負荷の軽減や、地下水の活用など新しい水源を増やしてきていることなど、名古屋市が
 平成22年以降に実施してきたいろいろな施策の効果が徐々に出てきているのではないかと思われます。

  また日食や月食など、干満差が大きく潮の流れが速い日に実施してきた一斉調査によっても、堀川の実態解明に
 迫る様々なことがみえてきています。

  今後は、春の大潮一斉調査など、時期を特定して時間をかけて継続的なデータ蓄積を続けてゆくことにより
 さらなる解明が期待できますので、ぜひ多くの皆様のご参加をお願いしたいと思います。





事務局より、今日のご報告についてのポイントは、次の3点です。

1.    第16ステージの報告のポイント

堀川は、気象条件による毎年のブレはあるものの、おおむね改善傾向にあると
思われます。

その要因としては、木曽川導水が止まった平成22年3月以降に名古屋市が
実施した施策の効果が徐々に出てきていると思われること、

その結果、上流部の水質が改善し、その効果徐々に中流域に広がってきて
いるのではないかと思われます。

また、今年新たに始まった中橋〜五条橋間のヘドロに砂をかぶせる実験では
早くもいろいろな鳥が集まり始めていることが確認できており、上流から流れ
込んだ比較的きれいな水をより良い状態で下流まで送り込むという観点からも
効果を増幅させるのではないかと思われ、期待がもてること。

もし今後2年ほどして効果が確認できればさらにそうした実験領域を広げること
でより改善が進むのではないかと期待できること、

また、空心菜やヘドロに砂をかぶせるといった実験から、堀川は条件さえ
整えば生き物が集まってくるような水環境に改善しており、かつて死の川と
呼ばれた川とは全く違ってきた、

 そんなことが今日の報告の一つ目のポイントになります。

2.    新堀川の状況

最上流は堀留水処理センターになりますが、ここから上流の大井橋あたりがネックになっており、
下水処理の高度化など何か手がうてないかという思いを抱かされます。
それが2つ目のポイントです。


3. 昨年10月8日の皆既月食の時に実施した一斉調査の結果のご報告
 そして4月20日に計画している春の大潮一斉調査について。

 これが3つ目のポイントです。






まず、4ページをご覧ください。

私がページというときは、右下に書いてある番号のことですからその番号をご覧ください。

今から3年前に、皆さんで確認し、そしてこの調査隊会議で毎回確認している、私たち

調査隊が果たしている役割を今回も確認したいと思います。


次に、9ページをご覧ください。

皆さんの調査報告の累計が、12月16日までで、3,703件に達しました。

最近では、毎年約400件のデータをどんどん蓄積しています。















10ページのグラフをみていただくとわかりますが、コンスタントに調査件数を重ねている。

この息の長い、地道で、大規模な市民調査活動というのは、おそらく世界でも類を見ない
のではないかと思います。


いつも申し上げますが、このデータの蓄積で、今までよくわかっていなかった堀川の
実態解明や、堀川の汚染のメカニズムに私たちは大きく肉迫し、堀川の効果的な
浄化方法という観点でもものすごく役に立っています。


私たち堀川1000人調査隊は、みんなの力で、ものすごいことを続けている、という
自負と誇りを持っていただければと思います。



さて、気象条件についてご説明します。

昨年2月のこの会議で、1年前の第14ステージは、10月中旬まで気温が高い日が
続いたこと。

11月になって一気に気温が低くなったこと。

低気圧や台風の影響で雨がたくさん降って、特に9月4日には時間雨量が100oを
超えるような大雨があって、そのフラッシュ効果もあったためか、堀川の川底の状態が
改善したように考えられ、あわやにおいが非常に少なくなったというご報告をさせて
いただきました。

そこで次の年はどうなるだろう、というのが今回の16ステージのひとつの焦点でも
ありました。


それでは今年度16ステージの気象条件はどうだったかといいますと、11ページ
ご覧ください。

今年は少し降水量は多かったものの、気温、日照時間ともおおむね平年並みだった、
というのが結論です。


そういう普通の条件下で、今年度の堀川は、水の汚れの印象、透視度、COD,
におい、あわといった各指標がいずれも改善傾向が続いている、というのが
本日のご報告の骨子です。





では、どうして堀川の水環境の改善が続いているのか、ということですが、事務局では、
平成22年4月に木曽川導水が停止して以降に名古屋市が実施してきた様々な施策の
効果が徐々に効いてきているのではないか、と考えています。

15ページをご覧ください。


平成22年からはじまったいろいろな施策のうち、緑色の線が、上下水道局さんが
導入している施策で、名城水処理センターの高度処理(ろ過装置の導入)、
堀川右岸滞水池の稼働の二つは、汚濁負荷の軽減、つまり汚いものを流さない、
という点で非常に大きな効果を発揮していると思われます。


またフレッシュな水を供給するという意味で、守山水処理センターの下水再生水の
活用、(これは夏場だけですが)、毎年1~2本ずつ掘っていただいている地下水(井戸)
そして自然浄化機能の向上をはかるための上流部での瀬渕の形成といった施策が、
総合的に効果を現し始めているのではないかと考えています。


たいへん残念なことですが、瀬渕の形成については、2年続けて実施されましたが
3年目の昨年夏は、予算をカットされてしまったために実現しませんでした。

こういう地道で、それほど大きなお金がかかるとも思えない施策が、カットされると
いうことについては、私個人としては本当に残念に思っています。


16ページをご覧ください。

地下水の利用で、右下の写真は猿投橋上流に昨年8月に導入されたものですが、
このあと、志賀橋上流左岸にも1本導入される予定です。



18ページ
をご覧ください。

これが、事務局で考えている仮説のイメージです。

絵の右側が上流で、段差があるのが猿投橋のところです。

猿投橋より上流で流入させた地下水や下水再生水は、新たな水源としてきれいな水を
増量させます。

また瀬渕を作ることで自然浄化機能が向上していると思います。

また猿投橋より下流でも堀川右岸滞水池や名城水処理センターのろ過装置によって
汚濁負荷が軽減された水が堀川に入るようになってきています。

このため、上流部の淡水域で水質が改善し、またその改善している範囲が徐々に拡大
してきているのではないかと考えるわけです。

そして水質の改善した淡水域で水の底の部分、すなわち低層の塩水の部分にも改善が
および自然浄化機能が徐々に回復してきているのではないか、これが事務局の考えている
仮説のイメージです。

今回の第16ステージでは、一年前の大雨のような気象条件等の大きな影響がなく、
平年並みの気候であったのですが、それでも徐々に水質の改善が進んでいると
みられる理由のひとつとしてこうした仮説をたててみたわけですが、まだまだ
わからないことがたくさんありますので、これから先の調査データの積み上げで
この仮説があっているのかどうか、わかってくるのではないかと思っています。



その水質改善の状況をややビジュアルに表現したのが19ページです。

図は、上から順に、水の汚れの印象、透視度の変化、CODの変化をまとめたものです。

1番左が第1ステージ、一番右が第2ステージです。第6ステージで木曽川からの導水は
ストップしています。
それぞれ上の方が上流で下の方が下流域です。

たとえば、水の汚れの印象(いわゆる現場での第一印象ですが)をみると木曽川導水期間中、
きれいな領域(青い部分)が下流の方まで広がってきていましたが、導水がとまっていったん
上の方に押し上げられたようにみえます。

これは中流域の印象が悪化したことを表しています。

その後、気候などの要因で多少ブレはありますが、おおむね傾向として青の部分が
時間の経過とともに右下に下がってきているように見えます。

これは、中流部にかけてだんだん印象がよくなってきていることを表しています。

透視度をみても、同様に青い部分が下の方に下がってきているようにみえます。

CODについてはちょっとわかりにくいですが、なんとなく緑の領域が下の方に広がって
きているようにもみえます。

こうした傾向は、もう少し時間をかけて確認をする必要がありますし、一年ごとでみると
気温や降水量といった気象条件でも大きくブレが生じることがありますので、慎重に
分析をしてゆく必要があると思います。

しかし、それにしても、名古屋市が実施している様々な浄化策が効いてきているかどうか、
という目で堀川をみてゆくと、それなりにみえてくるものがあるのではないかと考えている
わけです。




それからもうひとつ特筆すべき報告があります。それは生きものの変化についてです。

20ページのコラムの写真をご覧ください。

今から約50年前、昭和40年頃のキャッスルホテルの付近の写真が左側ですが、
この当時は「死せる川」とまで言われていました。


それが21ページをご覧ください。

上の写真は、納屋橋で恵那農業高校と堀川ライオンズクラブが実施している空心菜を使った
浄化実験の様子ですが、空心菜のまわりには、魚やエビやカニや昆虫や鳥といった様々な
生き物が集まってきています。

下の写真は、つい先日、中橋から五条橋付近にかけて、ヘドロの上に砂をかぶせた
浄化実験の現場ですが、早くも幾種類もの鳥が集まってきているのが確認されています。


つまり、堀川は、かつて「死せる川」と言われた状態から、今では、ちょっと条件を整えて
あげれば、生き物がいっぱい集まってくる、様々な生き物が生育・繁殖できる環境に、
少しずつ再生していることを示しているということです。

頭の中で効果があると考え実施してきた行政の施策を、市民が実際に現地でこの目で
確かめ記録に残す、効果があることを立証して、それを次の実験や施策につなげる、という
堀川1000人調査隊の活動が素晴らしい成果をあげているといってよいのではないでしょうか。



次に昨年10月8日の皆既月食の日、つまりこの日は大潮で、干満の差が大きかった日
なのですが、この日の調査の概要をご報告します。

22ページをご覧ください。

この表の見方ですが、まず横方向に、調査のポイントが並べてあります。

たとえば@白濁というポイントについて、平成21年7月の部分日食のとき、
平成24年5月の金環日食のとき、そして昨年平成26年10月の皆既月食の時、
いずれも潮位差の特に大きい特徴的な大潮の日ですが、この3つを並べてあります。

その右側にはAのヘドロの巻き上げ、Bの川底からのあわの発生、Cの生きものの様子、
Dの水面に集積する浮遊物の様子と並んでいます。

表の縦方向は、上の方から下の方に、上流の猿投橋から下流の大瀬子橋までの
区間が分けてあります。

そこで、たとえば@の白濁でみますと、朝日橋〜松重橋までのいわば町の真ん中の
中流部分で、過去2回の調査では青潮や赤潮が確認できましたが、今回はそうした
赤潮も青潮も確認できませんでした。

Aのヘドロの巻き上げでみますと、朝日橋から松重橋までの間で、3回ともヘドロの巻き上げが
見られ、金環日食のときはもっと上流の城北橋から朝日橋の間でもヘドロの巻き上げが見られ
ました。

Bの川底からのあわの発生という点については今回は泡はみられませんでした。

Cの生きものの様子では、今回は地球倶楽部によって、松重〜大瀬子橋付近でボラが
大量に群れているのが確認されていますが、5年前の夏のようにボラが酸欠で苦しそう
という様子ではなく、元気にぴょんぴょんはねていた、という報告がありました。

Dの水面に集積するごみ、というのは、潮の流れが速いため、上からの流れと下からの
潮の押し上げで水面のごみが一か所に集まる様子がみられることをいっていますが、
今回も桜橋~納屋橋の間でゴミが集まる様子が確認されました。


今回の皆既月食の調査の特徴は、前回までのように赤潮、青潮などがみられなかったこと、
川底からのあわが確認できなかったこと、ボラと考えられる魚が確認されたけれど苦しがって
いる様子がみられなかったことにあります。

今回の皆既月食の時は、大潮ではあったけれども水環境としてはそんなに悪くなかったと
考えられるわけです。

その原因を考えてみたのですが、今回の皆既月食は部分日食や皆既日食があった
春から夏よりも白濁や赤潮が発生しにくい期間であったため、この皆既月食の日の2日前の
10月6日に、台風18号が通過し、60oの大雨が降ったため、海域や下流部の水が入れかわった
からではないか、ということがひとつ考えられます。





(左の画像をクリックすると拡大したイメージが見られます)

そしてここで事務局からの提案があります。

これまでは、金環日食とか、皆既月食という一般市民も注目するような特徴的な日を選んで
大潮の日の一斉調査、つまり潮の流れが速く堀川の水環境にとってきわめて条件の悪い日を
選んでみんなで堀川を調査しよう、ということでデータを積み上げてきました。

しかし金環日食とか皆既月食とかいう日を狙うと、季節も一定ではないし、同じような条件で
比較することが難しいという欠点がみえてきました。

本来の目的は、こうした日食や月食の日は潮位差が大きいから潮の流れが速い、そういう日を
選んで堀川を調査しようということです。



実は、今度の4月4日(土)にも皆既月食があります。

しかし調べてみると実はこのあとの4月20日(月)の大潮の方が名古屋港の潮位差が大きく、
干潮と満潮で2.4mも差があることがわかりました。



 そこで事務局からの提案ですが、今回は、月食の日の一斉調査ということではなく、
春の大潮一斉調査ということで、4月20日(月)の堀川を調べてみてはどうかということです。

 そうすれば、来年以降も、同じような条件の日を設定して、データを積み重ね、比較をして
ゆくことが可能になりますから、これは堀川の実態を解明するのに非常に大きな力になると
思います。


 もちろん、ご参加いただける調査隊の方がこれまで同様、自由に、できる時間帯にできる範囲で
調査に参加していただければ結構です。

 お手元にお配りした資料の中に、春の大潮一斉調査というチラシがあります。


この裏面に、調査の時の着目点やメールアドレスなどが書いてあります。

 ぜひ多くの調査隊の方に春の大潮一斉調査にご参加いただければありがたいと思います。

さてこれまで、今回のご報告の概略をご説明してきましたが、詳細についてみていきたいと
思います。

まず、水の汚れの印象について。

23ページをご覧ください。

これは猿投橋より上流の区間、つまり海水がはいってこない水域をまとめたものです。

一番左が第1ステージ。
右に向かって第16ステージになっていて、どちらともいえない〜きれいと答えた割合が
棒グラフになっています。

(汚いと答えた人以外の割合です)

肌色の棒グラフは春から夏、青い棒は秋から冬を示しています。

これをみると、猿投橋より上流では最近ではほぼ100%、「きたなくはない」と答えており、
堀川上流部はおおむね市民の許容範囲であるといえます。

あっと、このデータからは前日に雨が降った日の調査データは除外していますので念のため。

前日が雨だと条件が悪くなって、比較がしにくくなるからです。




24ページは猿投橋から大瀬子橋までのデータ、前日に雨が降っていないデータを
同じように示したものです。

木曽川導水中に改善傾向にあった数値が、導水停止でいったん悪化、特に春〜夏は
かなり悪くなったのが、秋〜冬も含めて改善傾向にあるのが見て取れると思います。



25ページ
は、先ほどご覧いただいたのと同じものです。

ご参考までに、11ステージから13ステージについてかなり印象が悪くなっていますが、
12ステージは、10月中旬まで気温が高く青潮で堀川の色が白濁し、みんなが堀川の色を見て
汚いという印象をもった特徴的な時期でした。


また13ステージは、4月から6月にかけて気温が高くて降水量が少なく、日照時間が長くて、
褐色系の色が多く出現した特徴的な時期でした。



ちょっと飛びますが、38ページをご覧ください。

透視度の面では、この色の影響ほど顕著な特徴はありません。



また44ページをご覧ください。

CODの面ではむしろ、堀川が4月から5月にかけて真っ赤になるほどの赤潮になった
15ステージの方がCODは悪くなっていて、12,13ステージではそれほど悪くなって
いなかったことがお分かりになると思います。


26ページの左下に、赤潮の時と青潮の時の写真がありますのでご参考にしてください。

以前の調査隊会議でもご報告しましたが、赤潮は、堀川の水が富栄養化状態になって
プランクトンが多く発生した時に赤潮になります。


青潮は、堀川の水底が酸欠状態になって海水に含まれている硫酸イオンが還元されて
硫化物(硫化水素などH2S,HS-)になり、これが酸素と触れ合うとコロイド状のイオウが
多く発生して青潮になると事務局では考えています。


27ページをご覧下さい。

これは4月から6月のデータを区間別に並べたもので、松重橋より上流について、
徐々に改善傾向にあることが見て取れると思います。


28ページをご覧ください。

これは9月〜12月のデータを区間別に並べたものです。

秋から冬にかけては朝日橋より上流では改善の傾向がみてとれますが、残念がら
朝日橋より下流でははっきりと改善の傾向がわかるということはいえません。

これは特に12ステージなどで青潮の遡上で印象が悪いときがあったという特殊要因も
あると思います。


31ページをごらんください。

堀川を見て、比較的きれいだな、と思うのは、「透明感」に着目して印象を判断していることが
多いことがわかります。

またきたないな、と思うのは、「色」に着目して印象を判断していることがおいことがわかります。


31ページは4〜6月ですが、32ページの9〜12月でも同じことがわかります。


33ページをご覧ください。

これは、木曽川導水停止直後の4~6月つまり第7ステージと、4年後となる昨年の4〜6月
つまり第15ステージの堀川をみんなが何に着目して評価しているかを調べたもので、
「透明感」で評価しているものが非常に多くなっていることがわかります。



34ページ
は第8ステージと4年後の今年、第16ステージをみたもので、9月〜12月も
「透明感」で評価していることがわかります。

何が言いたいかといますと、先ほど申し上げたように、堀川をきれいだな、と感じた時は
透明感で評価しているケースが多い、最近は堀川を透明感で評価している人が多い、
つまり堀川はこの4年間できれいになっていると感じている人が多くなってきた、と逆の面
からも説明ができる、ということがいえるのではないか、ということを申し上げたいわけです。


35ページをご覧ください。

第9回調査隊会議、つまり3年半前のとき、堀川がまあ汚くはないな、とみんなが感じる
透視度は70cm以上である、ということがみんなからの調査データを分析してわかってきた、
というご報告をしました。


36ページ
をご覧いただくと、猿投橋より上流では第12ステージ以降は70cm以上をキープして
いることがわかります


37ページは、猿投橋より下流のデータですが、9月〜12月の秋・冬は平均値で70cm以上を
キープしていますし、おおむね改善あるいは現状維持している様子がわかります。


38ページは先ほどご覧いただいたものですが、青い部分がだんだん下流部にまで広がって
きている様子がわかります。


39ページは4月~6月、40ページは9〜12月の区間別の透視度ですが、おおむねどの区間も
改善傾向にあると見て取ることができます。

特に秋以降の第16ステージではどの区間でも市民の許容範囲である70cm以上の値になって
います。


42ページをご覧下さい。これは猿投橋より上流のCODをみたものですが、15ステージ、
16ステージとCODが10を超える頻度が多くなっています。

庄内川の水質に何か変化があったのか、、、今の時点では理由はわかりません。


43ページをご覧ください。

これは猿投橋より下流のCODをみたものです。

春は、青潮、赤潮の遡上やヘドロの巻き上げの影響もあるのか少しずつ悪くなっています。

秋は、おおむね現状維持傾向ですが、今年は10を切りました。


44ページ
を見ると、昨年4月から5月にかけて真っ赤な赤潮が発生した15ステージは中流部で
値が悪くなっているのがよくわかります。


45ページをご覧ください。

4月〜6月のCODは城北橋より上流を除いて悪化傾向がみられます。


46ページをご覧ください。

9月〜12月のCODは松重橋より上流で改善傾向がみられます。



次に泡についてみていきます。
48ページをご覧ください。

猿投橋より下流では、春〜夏にかけてはやや改善傾向。
秋から冬にかけては、気温が高かった12ステージを除くと泡がみられたのは10%未満で
推移しています。


においについても同じことが言えます。

52ページをご覧ください。

気温が高かった12〜13ステージを除けば、おおむね改善または現状維持傾向がみられます。


泡と臭いには相関関係があり、57ページ58ページでそういうことがわかります。



今回は色については深くふれませんが、65ページから68ページまで
堀川に多く出現する色を、白濁系、赤潮系、ヘドロ系その他に分けて区間ごとに
整理してあります。


次に生き物についてですが、75ページをご覧ください。

ホリゴンの吹き出しに書いてありますが、かつて死せる川とまで言われた堀川ですが
ここから80ページまでに整理してありますように数多くの生きものが確認されて、
生態系が戻りつつあるます。

この生態系の回復は、堀川の自浄作用の回復を意味するものと考えられます。


次に新堀川のデータについてご報告します。

まだまだデータ数が多くないので多くを語ることはできないのが実情ですが、最上流には
堀留の下水処理場(いわゆる水処理センター)があります。


84ページの下のグラフを見ていただくとわかりますが、水処理センターに近い法螺貝橋より
上流では、下流の熱田橋などと比べてCODが高くなっています。


また透視度も大井橋のところがすとんと低くなっています。


85ページのにおいや泡についても同様です。


何らかの手を打つべき時期に来ていると感じますがいかがでしょうか。



最後に、最初に少しふれました皆既月食のときの一斉調査のデータが89ページ〜100ページ
まとめてありますので簡単にご説明します。




91ページは先ほどもご覧いただいた表です。


今回は青潮や赤潮、あわはみられませんでした。


朝日橋〜松重橋の間でヘドロの巻き上げが確認され、桜橋から納屋橋の間で水面のゴミの
集積が見られました。


92ページには地球倶楽部調査隊が撮影した貴重な写真が右下にあります。


住吉橋下流側をうつされたもので、右側の波打っているのはなんとボラの大群です。


今年はまだボラの大群が昨年のように上流までのぼってきたというレポートはありませんが、
10月8日の時点で、住吉橋付近でこんなにすごいボラの大群が確認されています。


94ページは上げ潮時間帯に都心部でみられたヘドロの巻き上げの様子です。

潮位差が大きく水の動きが速い大潮のときはこうした現象がみられます。

4月20日の一斉調査の時は、春で水温も高くなりつつありますのでまた違った現象も
見られるかもしれません。

たくさんのレポートをお待ちしております。



以上で事務局からの市民調査のご報告を終わります。








以下は平成26年9月27日付で掲載した関連記事です。


事務局より   平成26年9月27日
 
   平成26年9月27日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第15回堀川1000人調査隊会議で発表された、第15ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

        ⇒PDFデータのダウンロードはこちら


  この報告の要旨

    第15ステージ(平成26年4月〜6月)の、堀川1000人調査隊による調査で
   堀川は、木曽川導水が停止した平成22年3月にいったん状態が悪化したものの、
   その後の名古屋市の水質改善のための施策(合流式下水道の改善など)によって
   改善あるいは現状維持の傾向が続いていることがわかりました。


    また、第15ステージは、堀川の色に、大きな特徴がありました。

   すなわち、
4月に大規模な赤潮が発生しました。
   5月〜6月にかけては、川の水が白濁し、淡い灰黄緑色、淡い黄灰色が多く出現しました。

    
    今回はこの堀川の色に着目し、特に堀川がなぜ白っぽく濁るのか、堀川のヘドロの色は
   なぜ黒いのか、といった観点から、調査隊会議でも実験や体感をすることを試みました。

    堀川のこうしたメカニズムが少しずつ解明されれば、堀川浄化のための処方箋づくりに
   役立てることも可能です。

   官と民が一緒になって堀川の再生に一丸となって取り組んでいきたいと考えます。


       以下、詳細は下記をご覧ください。



調査隊事務局からの報告

今日皆様にご報告するお話のポイントは次の通りです。

 1.第15ステージまで積み重ねてきた皆様の調査データによると
  堀川の水質は、木曽川導水が停止した平成22年3月以降、いったん悪化
  しましたが、その後ゆるやかに改善・あるいは現状維持を続け、第15ステージも
  その傾向は続いていることがわかった。

 2.第15ステージのおおきな特徴は気象条件にありました。

   今年4月から6月にかけての第15ステージは、平年と比べて
      日照時間が長かった、
      降水量が少なかった
      気温が高かった、という気象条件が大きな特徴がありました。

  その結果は、「堀川の色」に顕著に現れました。
  それが皆さんの調査報告にはっきりと示されています。

4月には、ちょうどフラワーフェスティバルのころ、堀川の色が赤茶色になるほどの
赤潮が発生しました。

またその他の期間(特に5月〜6月)は、全体的に淡い色、つまり白っぽく濁った状態が
多く見られました。 

またヘドロの巻き上げで、真っ黒になる様子も見られました。

今日は、その中で、堀川の色が白っぽく濁るメカニズムを再現するため、
実験を用意しましたので、まずそれから始めたいと思います。



皆さんのお手元に、昨日新堀川で汲んできた水をまわします。

このペットボトルのふたをあけて、においを体感してみてください。

この水自体は、実験の効果をよりはっきりさせるため、新堀川の
舞鶴橋付近で汲んできましたが、堀川でも基本的に同じにおいが
するものです。




この堀川や新堀川で特徴的なにおいのもとは、硫化水素です。

いわゆる、「卵の腐ったにおい」と言われているにおいです。


卵の場合でいうと、卵のタンパク質は、メチオニンやシスティンといった
イオウアミノ酸が豊富です。これが分解すると硫黄分が硫化水素として
放出されます。

この硫化水素臭が、堀川や新堀川の悪臭のもとになっています。



硫化水素のにおいがするときは、左記のようなときです。









この硫化水素などの硫化物は、酸素と反応すると白く濁ります。

今日は、硫化水素臭のする堀川(新堀川)の水が、実際に酸素と反応して
白く濁るかどうかを、皆さんと一緒に実験したいと思います。

なお、スライドの写真は、事務局が事前にためしに実験してみた時の写真です。
ペットボトルにいれた堀川の水を、ふたをしてシャカシャカと振って、酸素と
混ぜるようにして約2時間放置したところ、このように白く濁るのを確認しました。


堀川の水が酸素と反応すると白く濁る、ということが証明されれば
堀川では、何らかのメカニズムによって川の水が酸素と反応し、
その結果、堀川の水が白く濁って見える、ということが証明できることになります。


 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、事務局で考えている
堀川白濁のメカニズムの仮説をご説明します。

 まず雨が降ると下水(家庭排水など)の流入によって堀川に
有機物がはいりこみます。

 そうすると好気性の微生物が酸素を消費しながら有機物の分解を進めます。

 その結果として堀川の水は酸素が少ない状態になります。

 すると今度は、酸素が少ない環境を好む(嫌気性の)硫酸還元細菌が
働き始めます。選手交代とでもいうのでしょうか。


 ところで、堀川には海水が遡上してきますが、この海水には、硫酸イオンが
ふくまれています。

 硫酸イオンはS(イオウ)と酸素(O)が結合していますが、硫酸還元菌は、
硫酸イオンから酸素を奪うため、結果として硫化水素などが発生します。


 この硫化水素が、先ほど体感していただいた温泉のような卵の腐ったような
においのする物質です。


 この段階で、堀川には卵の腐ったようなにおいがするはずです。
 ちょうど最初のペットボトルの状態です。


 次に、この硫化物が撹拌されて酸素と結合すると、S(硫黄)がコロイド状の
粒子状硫黄になることがあり、それが白っぽく濁る原因だと事務局では考えています。

 ちょうどペットボトルを振ってかきまぜて、酸素と結合をはかった状態です。

 堀川では、潮の干満によって水が大きく動きますので、このときに
こうした撹拌が起こるのではないかと思われます。

 以上が、現時点で事務局が考えている堀川白濁メカニズムの仮説です。


 今日の実験は、左のスライドで青い点線の丸印でかこった部分の過程を
再現してみようとするものです。

 先日、事務局が前もってためしに同じ実験をしてみたところ、堀川の水は
ひとつ前のスライドのように見事に白濁しました。

 今日、皆さんの前でもういちど再現できるといいなと考えている次第です。


 
 もうひとつ、本日は、堀川のヘドロはなぜ黒いのか?ということを
考えてみたいと思います。

 事務局で考えている仮説は、左のスライドのように、ヘドロの中の
硫化物が、鉄分と反応して、硫化鉄になるからだと考えています。

 硫化鉄の色は黒色であり、これが堀川のヘドロが黒い理由だと
考えています。





そこで今日は、堀川で採取したヘドロを持ってきました。

このヘドロの臭いを直接ご自身でかいでみてください。


ヘドロの臭いは、いろいろな臭いの混ざった複合臭ですが
少し鉄のようなにおいを感じる時がありますので、ぜひ
体験してみてください。

 

 左のスライドは、事務局が考えている、堀川のヘドロが黒くなる過程の
一例を示したものです。

 

 さてそれでは、第15ステージの、皆さんが実施してくださった
市民による水質調査の結果についてご説明させていただきます。

 今日は、限られた時間の中で盛りだくさんの内容になっていますので、
ポイントを絞ってご説明したいと思います。


 まず最初に、第15ステージまでのこの7年半を振り返りながら、
これまでわかってきたことを確認します。

 次に、第15ステージで顕著に現れた特徴などから、特に堀川の色や
においの発生メカニズムについての仮説をたて、検証してゆきたいと
思います。



 まず、3ページをご覧ください。

 今から2年半前に、皆さんで確認し、そしてこの調査隊会議で毎回確認している、
私たち調査隊が果たしている役割を今回も確認したいと思います。

 私たち調査隊の役割は

1.堀川にはまだまだ時間をかけて調査を続けなければわからないことがあります。
 
  だから私たちは、堀川の調査を継続し、堀川の実態解明、汚濁の原因を
 データで特定する必要があります。

  それによって、対策をたて、処方箋を描き、官民が力をあわせて、堀川の
 浄化、再生をめざし、それぞれができることを継続してゆきます。


2.私たち市民としてできることがあります。

  それは、木曽川導水の復活をめざし、堀川を愛する人の輪をさらに広げること

  木曽川、長良川、揖斐川など流域の人たちと市民レベルの交流を広げること

  雨の日の生活排水にきをつける運動など、家庭排水からの汚濁負荷を
  削減してゆくこと。


 私たち堀川1000人調査隊はこうした役割を強く意識して活動を続けていることを
 あらためて皆さんと共有したいと思います。





 次に、9ページをご覧ください。

 皆さんの調査報告の累計が、6月末までで、3,513件に達しました。
最近では、一年に約400件のデータをどんどん蓄積しています。

 


 10ページのグラフをみていただくとわかりますが、コンスタントに
調査件数を重ねている。

この息の長い、地道で、大規模な市民調査活動というのは、
おそらく世界でも類を見ないのではないかと思います。


 このデータの蓄積で、今までよくわかっていなかった堀川の現状や、
堀川の水の汚れのメカニズムに私たちは大きく肉迫しています。


 私たち堀川1000人調査隊は、みんなの力で、ものすごいことを
続けている、という自負と誇りを持ってよいのではないでしょうか。



 さて、この15ステージの大きな特徴は、気象条件にあります。

 今年の夏が異常気象であったために、今ではイメージしにくいかも
しれませんが、11ページをみてください。


 今年の4月〜6月は、まず気温、平年の値より1℃以上高い状況でした。
特に6月は1.7℃高かったんです。


 降水量ですが、平年より50o程度少なかった。
特に6月の降水量は平年の35%でした。


 日照時間、4〜6月の日照時間は、平年よりも50時間程度長く、
特に5月は平年値の137%でした。


 このことが、16ページのコラムにまとめてありますので、しるしをつけておいて
 ぜひあとでゆっくり読んでみてください。

 今日の報告は、このページのお話が中心テーマになっています。



 18ページをごらんください。

猿投橋より下流〜大瀬子橋までの、水の汚れの印象をグラフにしたものです。

平成19年4月から3年間の木曽川導水中に、堀川の水は改善傾向にありましたが
導水停止でいったん悪化しました。


 しかし、その後は徐々にではありますが、改善傾向にあるように見えます。


 そのグラフの上に、名古屋市の施策がどのように講じられてきたかが
記入してありますが、特に堀川右岸雨水滞水池の活用がはじまったことと
堀川の水が改善傾向に向かっていることに、相関関係があるのではないかと
事務局では考えています。


 事務局注
  守山水処理センターの下水再生水の活用は、改良工事(平成26年4月〜10月)
 のため、第15ステージは停止していました。





 19ページの図は、色をつけてみたものです。

 ちょっとわかりづらいかもしれませんが、横軸に、ご自分が調査している
たとえば納屋橋だったら、朝日橋〜松重橋のところから、黒い点線を
ずっと右にたどってゆくと、時系列的な変化が色でわかります。

 第7ステージあたりで山が一番高くなって、それから徐々に低くなっている
感じがわかるでしょうか。




 20ページは、春の4〜6月だけを抜き出して、区間別にグラフで
ならべたものです。


 松重橋より上流では、導水停止でいったん悪くなった堀川の印象が、
少しずつ改善しているのがみてとれます。




 25ページをご覧ください。

透視度について同じようにグラフをならべたものです。


 導水停止後いったん悪化した透視度が、やや改善あるいは
維持(横ばい)傾向にあります。


 ピンク色が春、水色が秋ですが、秋は、私たちの許容範囲である
70cmを上回っていますが、春は、60cm弱と、許容範囲を下回った
状態が続いています。


 しかし決して悪化傾向にあるわけではありません。





26ページは、それを色でみたものです。


 27ページは、春だけを抜き出して、区間別に並べてたものですが、
先ほどの水の汚れの印象と同じく、松重橋より上流の区間では
少しずつ改善に向かっている様子がみてとれます。


 これも、名古屋市の合流式下水道改善の策がきいているからでは
ないかと事務局では考えています。



 30ページをご覧ください。

 CODについてみたものです。


 導水停止後、しばらくはそんなに悪くなっていない、維持傾向に
ありましたが、去年、今年と春は悪化傾向にあるようです。





31ページは色でみたものです。



 32ページは区間別に春だけ抜き出してならべたものです。

 猿投橋〜城北橋の上流部では改善傾向にみえますが、
城北橋から朝日橋、朝日橋から松重橋、そして松重橋から大瀬子橋、
いずれも悪化傾向にあるようにみえます。


 これについては、なぜなのか、という点について、まだこれだけのデータでは
説明ができないですね。

 これから先の調査を続けることによって、いつか見えてくる日がくるのでは
ないかと思います。



34ページは、あわについてです。


導水停止後、やや悪化したのですが、これも改善、または維持傾向に
あります。

これについても、合流式下水道の改善効果(汚濁負荷流入軽減)に要因があると
事務局では考えています。





 35ページは区間別にわけたものです。

 城北橋から朝日橋で悪化しているようにみえますが、
他の区間では改善しているようにみてとれます。





 38ページをごらんください。


 においの状況についてもあわと同じように改善・維持の傾向にあるように
みられます。


 これについても合流式下水道の改善にその要因があるように考えています。





 40ページで区間別に並べてみると、改善傾向はより鮮明にみえます。



 ちなみに39ページに戻ってみてください。

 皆さんの報告ではドブの臭いとヘドロの臭いが約8割をしめています。


 しかしながら、このドブのにおいとかヘドロの臭いをはっきり嗅ぎ分けられる人は
なかなか少ないのではないかと思います。


 そこで、今日は堀川のヘドロをもってきました。

 このあと休憩時間に、堀川のヘドロのにおいを体験してみてください。


 ドブのにおいというのは、おそらくゴミのようなにおい、下水のようなにおいが
混ざった、いわく言い難いにおいをイメージしている方が多いと思いますが、
ヘドロのにおいをはっきりと識別できると、消去法でこれはヘドロではなく、
ドブのにおいだとか、両方が混じったにおいだとかが、わかるようになると思います。


 ちなみに、ヘドロの色について、ヘドロはなぜ黒いのか、というのは、先ほど
スライドでお話ししたように、硫化物と鉄分が反応して硫化鉄になっているからだと
考えています。


 実際にヘドロにさわってみると、かなっけを感じるにおいに気が付く人もあるかと
思います。ぜひためしてみてください。




 さて、この15ステージのもっとも大きな特徴があらわれたのが、色です。

 43ページをご覧ください。

 今年の4〜6月の堀川では、7番、8番、12番の明るい灰色がかった色が
数多く出現したのが大きな特徴です。


 これは、一番最初にご説明した気象条件、すなわち平年と比べて、
気温が高めであったこと、降水量が少なく日照時間が長かったことが
関係しているのではないかと事務局では考えています。


 また、4月に非常に目立つ赤潮が発生しましたので、14番の褐色が
出現したという報告も多くありました。




 これを表にしたのが45ページです。

 7番の黄灰色、8番の淡い灰黄緑色、12番の淡い黄灰色が
昨年と比べて大きく増えていることがわかるかと思います。


 おととしと比べても、8番の淡い灰黄緑色と12番の淡い黄灰色が
大きく増えていることがわかるかと思います。


 堀川の水がなぜ白っぽく濁るのか、これをこのあと考えていきたいと
思います。



 46ページは、かわせみ調査隊がずっと作成している錦橋での
写真カレンダーを抜粋したものです。

 毎日お昼休みに取り続けた写真をカレンダーにしたものです。


 46ページは今年4月の写真です。

 4月の15日から18日まで、錦橋のところで堀川が真っ赤になるほどの
赤潮になっている様子がよくわかると思います。




 次に、47ページと48ページをごらんください。


 47ページは5月のカレンダー、48ページは6月のカレンダーです。


 全体的に淡い白っぽい色が今年は目立っていることがわかると
思います。



 そこでまず赤潮についてみていきたいと思います。

 52ページをごらんください。

 皆さんの報告と事務局の現地確認で、赤潮は名古屋港の
ガーデンふ頭付近、堀川口防潮水門、大瀬子橋付近から
上流に向かって小塩橋あたりまで、褐色になっていたことが
確認されています。

 これより上流にも赤潮が広がっていたかもしれませんが、
調査データとしては確認がとれていません。


 事務局で問い合わせたのですが、この赤潮は、名古屋市
環境科学調査センターで調査したところ、植物プランクトンの一種で、
「クリプトモナス」というものだったそうで、このプランクトンが異常に
増加していたことがわかりました。

 この植物プランクトンは、海水、淡水を問わずいろいろな水域で
きわめて普通にみられるものだそうで、事務局が堀川の赤潮を採水して
顕微鏡でみた写真が52ページにありますが、回転しながら動き回る様子
の写真が掲載してあります。


 

 この赤潮が発生した期間はその上の51ページでわかるように、
大潮の期間で、海水を上流に向かって押し上げる力が強い期間に
あたります。

 ですからひょっとするとこの堀川の赤潮は、名古屋港にいた赤潮が、
上げ潮に押し上げられて堀川に遡上したものだったかもしれません。


 でもそうではないかもしれません。
といいますのは、環境科学調査センターの調査データを取り寄せて
みたところ、名古屋港の4月16日のCODの値は、ふだんとあまり
かわらない18だったそうです。

 しかし、堀川・小塩橋のBODは27もあったそうで、ふだんこのあたりの
BODは5〜7くらいなので、少なくとも小塩橋付近ではBODが非常に高い、
つまり有機物が非常に多い状態でした。


 ですから今回の堀川の赤潮は、名古屋港の赤潮が遡上したというより、
もともと堀川に生息していた植物プランクトンが何らかの原因で異常増殖
したのではないかとも考えられます。


 これだけのデータでは、海に原因があったのか、堀川自身に原因が
あったのか、真相は今のところよくわからないとしか言えません。


 




 53ページをあらためてご覧いただくと、堀川のいたるところで赤潮が、
それもかなり大量の赤潮が発生していたことがよくわかると思います。




 もうひとつ興味深いデータが54ページです。


 堀川で採水した水をかきまぜてそっとしておき、斜め上から強い光をあてると、
5分後くらいから光の方に向かってプランクトンが集まり始めました。


 下の段の写真で、3時間くらいした経過後、それを暗室にいれて約1時間たつと、
プランクトンは全体に広がってゆきました。

 光とプランクトンの関係が記録されており、これはどういうことなんだろうとか、
たいへん興味深いものになっています。



 55ページをご覧ください。

 赤潮の色、酸欠状態・青潮状態の白濁した色、そしてもうひとつの色
として、「黒」がクローズアップされました。


 実は、堀川の色が黒すぎる!という報告を5月13日に鯱城・堀川と生活を
考える会の方からいただきました。


 レポートには、前日の雨でヘドロが撹拌されたのか、においも堀川独特の
卵が腐ったようでした、と書かれていました。




 さっそく翌日に事務局で現地確認をしました。
それが56ページの報告です。

 5月14日、11時から17時にかけて大潮の干潮〜上げ潮にかかる
時間帯に、錦橋から下流に向かって名古屋港まで堀川の様子を
確認しました。


 その結果、錦橋から熱田区の旗屋橋付近までは灰緑色、
淡灰黄緑色で、錦橋から天王崎橋の間では、ヘドロが巻き上げて
水際にヘドロが露出している様子が確認できました。


 もうひとつの興味深いデータが56ページ下の錦橋で撮影した
3枚の写真です。

 一番左の5月12日は雨の降る前日、真ん中は雨が降った当日、
右側はその翌日の写真です。


 雨の降った翌日は、雨の降った当日よりもやや白っぽい、
淡い色になっているのがよくわかります。




 ちょっと飛びますが、59ページをご覧ください。

 実は、堀川では、雨のふったあとに色が白っぽく変わってゆく様子が
しばしば見られるのがわかります。


 このメカニズムを説明しようとしたのが、58ページの図です。

 ちょっとわかりにくいかもしれませんが、事務局で考えている
堀川白濁のメカニズムの仮説です。


 ゆっくり説明します。
 まず雨が降ると下水(家庭排水など)の流入によって堀川に
有機物がはいりこみます。

 そうすると好気性の微生物が酸素を消費しながら有機物の分解を
進めます。
 その結果として堀川の水は酸素が少ない状態になります。


 今度は、選手交代して、酸素が少ない環境を好む嫌気性の微生物、
硫酸還元細菌が働き始めます。

 堀川には海水が遡上してきますが、この海水には、硫酸イオンが
ふくまれています。

 硫酸イオンはS(イオウ)と酸素(O)が結合していますが、硫酸還元菌は、
硫酸イオンから酸素を奪うため、結果として硫化水素(H2S)などが発生
します。
 
この硫化水素が、先ほど体感していただいた温泉のような卵の腐ったような
においのする物質です。


 この段階で、堀川には卵の腐ったようなにおいがするはずです。

 ちょうど今日の実験で体感していただいた、最初のペットボトルの
状態です。


 次に、この硫化物が撹拌されて酸素と結合すると、S(硫黄)が
コロイド状の粒子状硫黄になることがあり、それが白っぽく濁る原因
だと考えらています。

 ちょうどペットボトルを振ってかきまぜて酸素と結合をはかった状態です。


 堀川では、潮の干満によって水が大きく動きますので、このときに
撹拌が起こるのではないかと事務局では考えています。


 つまり堀川では雨が降って汚濁物質である有機物が流入して、
それを分解するために酸素が消費されて酸欠の状態になり、
その状態で硫酸還元細菌が活動を始め、海水に含まれる硫酸イオンから
硫化物を作って卵のくさったようなにおいを発生させる。

 それが潮の干満によって撹拌されて酸素と結合し、コロイド状の
硫黄になることによって白濁する。

 それによって堀川の色が淡い色に見える。


 もっといえば、硫化物が硫黄にかわり白濁が進んでゆくにつれ、
硫化物自体は減ってゆくとすれば、堀川のにおいもだんだん消えて
ゆくのではないか。

 こういう説明ができるのではないかと仮説をたててみたわけです。


 今日のペットボトルの実験は、卵の腐ったようなにおいのする硫化物が、
撹拌されることによって白濁する現象、メカニズムを再現しようとするものです。


 こうしたメカニズムが、気温が高いこと、雨が少ないこと、日照時間が
長いことという気象条件と、本当に関係があるのかどうか、今の段階では
言い切ることはできませんが、これから先の皆さんの調査データの蓄積により、
いつの日か証明される日がくるかもしれません。


 そういう意味で、この第15ステージは、非常に大きな意義のある
ステージになったと思うわけです。




 次にヘドロの色はなぜ黒いのか? という話です。

 この説明を試みたのが、60ページの説明です。

 堀川の川底では、無酸素に近い状態で、硫化物と鉄分が混在して
います。

 この硫化物と鉄分が結びつくと、硫化鉄ができます。

 この硫化鉄が黒い色をしているため、堀川の汚泥が黒くなっている
のではないかと考えています。

 
 先ほどの休憩時間にヘドロをさわってにおいをかいでみて、、
なんとなく鉄のような金臭いにおいを感じた人はおられますか?

 (数人から手があがった)

 やはりおみえになりますね。

 



 最後に堀川でよく見られる灰緑色や、淡い灰緑色について
説明を試みたのが57ページになります。

 堀川の色の3原色といっていいかどうかわかりませんが、
ひとつはヘドロの黒い色、ひとつは貧酸素状態(青潮)のときのような
白濁したような緑色、ひとつは、植物プランクトンが増えた時の赤い色、

この黒と白っぽい緑と赤を透過率を変えて混ぜてみると、
まさしく灰緑色、淡い灰黄緑色になります。

 巻き上がったヘドロの影響を強く受ければ黒っぽい色に見えますし、
貧酸素状態で硫化物が多ければ白っぽく見えます。


 堀川の色を見ると堀川の状態がわかり説明ができる、という段階に、
私たちは少しずつ近づいてきていると思いますし、これはとてもすごいこと
なのではないでしょうか。




 あと、これまでにも報告したことがあると思いますが、62ページから
65ページまでは、堀川に魚が死んで浮く現象は、毎年4月から6月にかけて、
大潮のころにまとまった雨がふったときに多い、ということを記録したものです。


 以前にもお話したことがありますし、今日は時間の関係で深くふれませんが、
その記録を今年も続けていますので、いつかまた、魚が浮くメカニズムの
仮説をきちっと説明できる日がくるのではないかと考えています。


 以上で、今回の市民調査の報告を終わります。










以下は、平成26年2月15日付で掲載した関連記事です。



事務局より   平成26年2月15日
 
   平成26年2月15日(日)、名古屋都市センターで開催された
  第13回堀川1000人調査隊会議で発表された、第14ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

        ⇒PDFデータのダウンロードはこちら



P1 第14回調査隊会議では、第14ステージ(平成25年9月〜12月)
  までに蓄積された3,300件を超える定点観測データを分析した
  結果が報告されました。

   調査隊事務局から報告された内容を下記にご紹介します。






P3
  木曽川導水が止まったのが平成22年3月、停止後2年間の
   観察期間が終わったのが平成24年3月。

   このとき開催した第10回調査隊会議で、これから私たちは
   何をして行くべきなのか、これを皆さんで確認しあいました。
  
   それをベースにして今日の日があることをまずもって確認して
  おきたいと思います。

    (詳細は左記のオレンジ色の枠内をご覧ください)



P4  ここには、これまでにわかってきた、堀川の汚染のメカニズムなどが
  整理されています。

   ピンクの枠内をご覧ください。

1. 水の汚れの主な原因は家庭や工場や店舗などからの排水です。

2. 植物プランクトンの繁殖の元(窒素やりん)は家庭や工場や店舗などの
  排水に含まれています。

3. 汚れた水は下水処理場(水処理センター)で処理されてから放流されますが、
  たくさん雨が降ると汚れた水がそのまま放流されることもあります。

4. 堀川では、赤潮や青潮のようになる時がありました。

  名古屋港や堀川の下流域では、植物プランクトンなどが
  増殖と死滅を繰り返すことで水域がさらに汚れるといわれています。
     (いわゆるへどろのもと)

5. ヘドロが浮かび上がったり、巻き上がったりするときがありました。


緑色の部分には、感潮域における堀川の特徴が書かれています。

   堀川では、潮の干満によって、堀川の水位、流れの向き、速さが変化し、
  これが堀川の水環境に大きな影響を与えるとともに、実態解明を難しく
  してます。


青い部分には、堀川の水源について書かれています。

    庄内川からの暫定導水
    水処理センターの放流水
    地下水(井戸水)等






P5  堀川を愛する人の輪を広げる活動について
   
   堀川応援隊を含めた堀川1000人調査隊のネットワークは、
  51,000人を超えるところまできました。

   木曽川上流域の方々との交流で、名古屋市の地域以外にも
  堀川を愛する人の輪を広げていっています。



P8  皆さんの調査で蓄積したデータ数は、第14ステージまでの約7年弱で
  3,300件を超える膨大なものになってきました。

   これによって、本日これからご説明するように、堀川の実態解明に大きく
  肉迫することができています。

   こうした長期にわたる大規模で地道で、官と民が協力して続けている活動は
  おそらく全国でも事例がないと思います。

   
P13 さて、今回の第14ステージで、まずもって特筆すべきことは、
   14ステージの気象条件です。

   第14ステー(25年9月〜12月)の気象は、10月中旬まで気温が高い日
  (真夏日と夏日の記録を更新した)が続きました。

   11月になると寒気の影響で平年値よりも一気に気温が低くなりました。

   また、低気圧とそれに伴う前線や台風の影響で、雨がたくさん
  降りました。

   特に9月4日 名古屋市内の複数の地点で時間雨量100o以上の
  大雨で、名古屋市全域に避難準備情報が出されるほどでした。


   この第14ステージでは、前年の第12ステージとくらべて、
  水の汚れの印象がおおむね良い(きれい〜どちらともいえない)が
  多くなりました。

   そしてその評価の尺度として約6割が、堀川の色で評価していました。

   その水の色、は、濃い色が多くなりました。

   これが大きな特徴で、なぜそういうことになったのか、ということを
   このあとでご説明します。


    また特に第14ステージで顕著な傾向が出たのが、「あわ」と「におい」と「色」
   でした。


    特に「あわ」については、「川底から浮いてくる」という報告が1件も
   ありませんでした。


    また「におい」については、「ひどくにおう」という報告が1件も
   ありませんでした。



    この、「あわ」と「におい」については、堀川の川底に堆積してい
   「川底の泥」の状況に関係している
と事務局では考えています。


P14  具体的には、9月4日の記録的な大雨によって、川底の泥の
   表層部分が流出した
(流されてしまった)こと、

    それから、名古屋市の新たな水質改善施策(雨水貯留施設など
   合流式下水道の改善)によって、この第14ステージは、大雨で
   一時的に川底の泥の質が改善し、水質改善策でその状態が
   継続していた
ものと事務局では考えまています。


    なお、特記すべきは、この状態が、第6ステージのデータ、
   つまり木曽川導水3年目の秋~冬の状況、つまり木曽川導水によって
   改善された川底の状況と似ていることです。

    言い方をかえると、導水はとまってしまいましたが、集中豪雨などが
   原因となって、導水による川底の改善効果と同じような状況が
   第14ステージで出現したのではないか、いうことです。

    そしてこのことで、たとえばもし木曽川導水が続けられるなりして、
   堀川の川底の質が改善された場合に、堀川はどうかわるか、
   特に、「あわ」と「におい」がどのように改善するのか、という想像(予想)を、
   より現実的なものとして考えることができるようになった、ということです。


    導水実験は残念ながら3年間でとまってしまいましたが、導水3年目の
   秋から冬には、堀川ではほとんど泡が浮いてこない、ひどくにおうということが
   ほとんどない、という良い状況になり、導水が止まってまた、一旦元の状態に
   戻ってしまったけれども、もしあの導水がそのまま何年も続いていたら、
   少なくとも秋から冬にかけての堀川は、泡もひどいにおいも全くない堀川に
   なっていたのではないか、そういう可能性を感じさせられます。

    第14ステージでは、たまたま発生した集中豪雨によって私たちは
   堀川の再生の可能性をみることができた、それが本日の報告の主たる内容に
   なります。

P15  ここでは、第14ステージに堀川が濃い色に見えた理由について
  考えています。
 (P75にも拡大図あり。参照してください)

 そのメカニズムについて、事務局では次のように考えています。

  9月4日の記録的な集中豪雨

⇒堀川の川底に堆積してヘドロと化した川底の泥の表層の部分が流される

⇒干満によるヘドロの巻き上げが少なくなる
⇒低層部、底室が貧酸素にならなくなる
⇒青潮が減少する
⇒堀川の水の濁りが少ない状態になった、と考えることができる。

  堀川の水が、濁りが少ない状態(透明度が高い状態) 
  かつ、川底が黒い状態 

    ⇒濃い色が増えた理由ではないか、と考える

  (例えて言うと、底の色が黒っぽいプールに、きれいな水をいれた状態)



P16 ここでは、第14ステージのあと、1月18日に城北橋〜金城橋付近で
  発見された大量のボラについて述べています。
 
  参考までにP89の資料もご覧ください。
 
   平成20年にボラがあがってきたときは気が付きませんでしたが、
  21年にボラがあがってきたときには、中流の錦橋付近でも、
  大量のボラが遡上する姿がみられました。

   しかし今回は、錦橋では発見されず、もっと上流部でいきなりはじめて
  ボラの遡上に気がつきました。

   ボラに聞いてみないとわかりませんが(笑)、ひょっとしたら、
  今年は堀川の低層部や川底の状態がよかったので、ボラが、
  表層でなく、深いところを移動してきたのではないかとも思われます。


   ということは、納屋橋・錦橋付近も、21年と比べて、26年は堀川低層部の
  水質と川底の状態が良かったのではないかと推測できるのではないかと
  考えるわけです。 



P17
 第14ステージの気象の状況を、あらためて天気図で
    確認しておきます。

       9月4日 集中豪雨

       9月16日 台風18号

       10月    高温の記録を更新
       10月15〜16日 台風26号

       10月20日 一日の雨量83o

       11月 寒気の流入で一気に冬に。



P18 気温の変化についても確認しておきます。

  紫が平成25年 オレンジが24年、オレンジの点線が23年です。

  8月と10月に前年より高く、11月からは前年より低くなっていることが
 わかります。



P26
  ひとつずつ見ていきます。

  まず水の汚れの印象について

  これまでの7年間のデータで、中流の松重橋〜上流の城北橋にかけては
  堀川の中でも水の汚れの印象が悪い区間であることがわかります。

  ただし、14ステージ(一番右の青緑色のグラフ)に限って言えば、
  前年よりもやや改善していることもわかります。




P28
 秋から冬の水の汚れの印象にみてみます。

 導水期間中の2年目は印象が改善しましたが、3年目は悪化しました。

 導水停止後は横ばいでした。

 しかし昨年第12ステージは気温が高かったりして川底が貧酸素状態になり、
 青潮が発生するなどして印象が悪化しました。

 そして今年、改善しています。

 これは、気象条件、特に集中豪雨が影響していると事務局では考えています。



P33
 このページは、皆さんが堀川を見てきれい、とかきたない、とか
   評価するときの基準(尺度)の傾向をみたものです。


    木曽川導水停止後の第8ステージから第14ステージにかけて
   「色」で評価するケースが増えています。(グレー)

    反対に減った基準は何かというと、オレンジの「ゴミ」です。


    特に、第14ステージは62%が色で評価をしています。


    実は、木曽川導水最後の年、第6ステージでも、60%が色で評価
   しており、興味深いことに、ほぼ同じ値となっています。


    堀川の色は、青潮の発生、赤潮など植物プランクトンの発生、
   川底の色などの影響を複合的に受けるので、水の汚れの印象と、
   水の色についての関係は、もっともっとデータを蓄積して分析する必要が
   あると考えます。





P57
 ここではあわについてみていきます。



















P58 導水最後の年 第6ステージにあわの状況は改善しましたが、
 導水停止後の第7ステージに向けて悪化しました。

 その後、名古屋市の施策、堀川右岸滞水池の稼働開始による
 合流式下水道の改善などが効を奏して、改善傾向にありました。

  しかし、第12ステージは気温が高く貧酸素、青潮が発生して悪化してしまいました。
 いわば気象の変化が堀川浄化の施策の効果を打ち消してしまいました。

  ところがまた今年、第14ステージでは大幅に改善しました。


  特筆すべきは、第14ステージでは、川底から浮いてくるあわの報告が
 ゼロであったことです。


  これは、木曽川導水3年目の第6ステージと今回の第14ステージだけです。


  今年は9月日の大雨によって堀川の川底が改善され、導水の継続による改善の
 効果がみられた第6ステー(じわりじわりとよくなった状態)と同じような状況が
 一変に生じた可能性があると事務局では考えています。



P59 区間別にみると、いつも泡底からの泡の発生の多い、
  朝日橋〜松重橋区間で、今年は川底からのあわの報告が
  ゼロになりました。

  また松重橋〜大瀬子橋の下流部でも川底からの泡がゼロでした。
 
  これも、第6ステージと同じ結果でした。



P62 さきほどもお話ししましたが、もういちどおさらいします。

  
ここでは、第14ステージに堀川が濃い色に見えた理由について
  考えています。


 そのメカニズムについて、事務局では次のように考えています。

  9月4日の記録的な集中豪雨

⇒堀川の川底に堆積してヘドロと化した川底の泥の表層の部分が流される

⇒干満によるヘドロの巻き上げが少なくなる
⇒低層部、底室が貧酸素にならなくなる
⇒青潮が減少する
⇒堀川の水の濁りが少ない状態になった、と考えることができる。

  堀川の水が、濁りが少ない状態(透明度が高い状態) 
  かつ、川底が黒い状態 

    ⇒濃い色が増えた理由ではないか、と考える

  (例えて言うと、底の色が黒っぽいプールに、きれいな水をいれた状態)





P63
  においについても、あわとまったく同じ傾向が見られました。


 すなわち、木曽川導水中に、においが改善していましたが、
導水停止後の第7ステージに、いったん悪化しました。

 その後、合流式下水道の改善などの効果によって、改善傾向が見られましたが、
第12、13ステージでは、気温が高く、川底が貧酸素状態になったと考えられ
悪化しました。

 そして第14ステージでは大幅に改善しています。 


 特に第14ステージでは、ひどくにおう、という報告がゼロでした。
これは第6ステージと非常によく似ています。




P64 区間別でみても、あわと臭いは同じような傾向が見られます。

 左下の朝日橋〜松重橋区間では第14ステージは大幅に改善し
ひどくにおうがゼロになりました。

 これは第6ステージと状況が似ています。

  松重橋〜大瀬子橋の下流でも同じような状況となっていました。

P66
  実は、川底からのあわとにおいの相関関係については、
   前回9月の調査隊会議で次のように報告されています。


 川底から泡があるとき、臭うというケースは86%
 川底から泡がない時は、臭うというケースは59%

  このように、においは、あわがあるときに多く発生していることが
 わかっています。


  なお、過去の調査隊会議で、川底からのあわの発生は、
 潮の干満による水位と流速の変化(おもに大潮など潮まわり)にも関係
 していると報告されています。


  そのメカニズムは次の通りです。

  干潮で水位が低くなると水圧が低下して川底から押さえつけられていた
 あわが解放されてあがってくる

  流速が速くなると、ヘドロの巻き上げであわが解放されてあがってくる。

  こういうことがわかっています。


 つまり、あわは、川底の泥の質が悪化すると蓄積が進み、潮の干満や、
大潮などの潮まわりによる流速の変化であがってくる。

 あわがあがってくると堀川がにおう。


 そういう、よく考えてみれば当たり前に見える理屈ですが、皆さんの
地道な努力で、営々と蓄積したデータの裏付けで、そう言い切ることが
できるようになってきたことは、堀川1000人調査隊の皆さんの、とてつもなく
素晴らしく立派な成果であると思います。

心より敬意を表します。



P67  堀川でにおいが目立つ場所のデータでも、あわとにおいの
   相関関係がわかります。
  
   中流域では、においの目立つ地点は、川底からのあわの発生が確認されて
  いる地点と、おおむね合致しています。

    熱田記念橋〜住吉橋
    納屋橋〜伝馬橋
    景雲橋〜朝日橋



P71
 ここには、これまで堀川に出現した色が並べてあります。






P74
 第14ステージで出現した色には、非常に大きな特徴があります。

  それは、灰黄緑色、濃い灰色などがぐっと増えたということです。

  前年の第12ステージでは淡い灰黄緑色など、比較的明るい色が
 多かったのと、大きな違いがみられました。

  その理由について、次のページで考えてみました。



P75
  第14ステージに濃い色が増えた理由について

  第10ステージと、12ステージを比較すると、大きな違いは気象条件です。

  12ステージは10月中旬まで気温が高い状態が続き、堀川の低層の
  水(塩水)は貧酸素の状態が続き、白濁した青潮の状態(硫黄コロイドの増加)
  になりやすかったと考えられます。


   上流から流れてくる透視度の高い淡水と、その下の白濁した低層の水
  (塩水)で2層化した堀川を橋などの上から見ると、水の色が淡い色
   (白っぽく明るい色)に見えたのではないかと考えられます。



   第14ステージでは、9月4日の集中豪雨などによって堀川の川底に
  堆積してヘドロ化していた川底の泥の表層部分が流された。

   ⇒潮の干満によるヘドロの巻き上げが減少、
     堀川の低層が、貧酸素にならなかった

   ⇒青潮の発生が減少、堀川が、水の濁りの少ない状態になっていた

   というメカニズムが働いたのかもしれません。


    事実、調査隊の皆さんの調査では、川底からのあわの発生が、
  第14ステージでは、ほとんどみられませんでした。

   ⇒堀川の水の透明度が高い状態(濁りが少ない状態)になって、
    橋の上などから堀川の色を観察した時に、川底に堆積している
    ヘドロなどの川底の色(濃い灰色)が影響して、水が濃い色に
    見えたのではないかと考えられます。



P76 これを裏付ける一つのデータが、鯱城・堀川と生活を考える会25期の
   近藤佑輔さんが実施した、堀川の透明度調査です。

   この調査は、10月14日と11月23日の2回にわたって実施されました。


   調査の内容は次のようなものです。

   直径30cmn白い円盤に目印をつける。
   ロープを付けておもりでしずめてゆく。
   その目印がどこまで見えるか、ということで堀川の透明度を調べたものです。



   通常私たちが実施している1mの透視度計ではかる透視度調査では
  表層の水をバケツで汲んで調べますので、検体そのものは表層の水です。

   また調べられる透視度も1mが限界です。


   この近藤さんが実施された透明度調査は、もっと深い川や海の透明度を
  みるための手法です。

   検体も表層だけでなく、垂直方向に調べられますので、実際の透明度を
  数値化することができます。

   10月14日と11月23日に桜橋〜御陵橋までを連続調査されましたが、
  特に11月にはほとんどの地点で透明度が2mを超えていました。

   御陵橋では4mを超えていたことがわかります。

   第14ステージの分析を裏付ける貴重なデータとなりました。

P77 名古屋港の海水の状況と、今年の堀川がきれいなこととの関係について

  当初、事務局では、今年の堀川がきれいなのは、きっと海の水、
 つまり名古屋港の海水が、例年と比べてきれいだったからではないか、
 きれいな海水が遡上してくるから、堀川がきれいにみえるのではないかと
 思っていました。

  そこで名古屋港の水質の状況を名古屋市のHPで調べてみました。


   すると、透明度に関しては、P77の下のグラフのとおり、
  第12ステージと第14ステージで、際立った差は見られないことが
  わかりました。

    ガーデンふ頭の海水の表層水、中層水の透視度についても同様に
   目立った違いはありませんでした。

   それなのに、堀川の水は、去年と今年でまるっきり違っています。


   ということは、海水の影響で堀川が変化したのではなく、堀川自体に
  変化の原因があると考えるべきだということになります。



   ですから、本日これまでご報告してきましたように、第14ステージの堀川は
  集中豪雨や、気温の急変といった気象的要素で、堀川の川底や、深い水塊が
  貧酸素の状態にならずにすみ、結果として水質がよくなり、においも泡もない、
  そして川底までくっきりと見える透明度の高い川になっていたのではないか、
  そのように推測できる、というのが本日の結論です。




   さらにその状態は、3年間の木曽川導水によってじっくりと堀川の川底が
   改善していたときの状態と酷似していること。

    もしも、もしも、あの導水がそのまま継続していたならば、ひょっとしたら
   もっと早く、堀川の水環境が大幅に改善していたのではないか、と思われて
   ならないわけです。

    3年間で終わってしまった導水が、もし継続していたならばどんなだったろうか。


   これまで、「見てみたい」と念願していた姿が、たまたま出水そのものは
  不幸なことでありましたが、それによって、夢にまで見た、導水が継続していたときの
  堀川の様子を、垣間見ることができた、というわけです。


   この先、15ステージ以降、また堀川は元の状態に戻り、そして下水道の改善などの
  効果で少しずつ改善してゆくのかもしれません。

   それが、次の15ステージ以降で私たちが検証してゆくテーマになってきます。

 
   しかしながら、止まってしまった導水の社会実験が、ぜひ一日も早く復活をして
  ほしいと、個人的には強く願う次第です。







P85 
最後に、最近のボラの大量遡上と、庄内川からの導水の効果について
   ご報告したいと思います。


















P86
 1月18日、朝、梅本会長が犬の散歩をしていたときに、城北橋付近に
  ボラの大群が遡上しているのを見つけました。
   梅本会長が第一発見者です。


  次に御用水跡街園愛護会調査隊の山田さんが、その日の午後、
 城北橋~金城橋付近でボラの大群をみかけ、連絡を受けて私も現地でそ
 の様子を確認、中日新聞社が来て取材してくださり、19日の朝刊に記事が
 掲載されました。

  ホームページ上ではそこから堀川のボラ観察日記が始まりました。



P87 P88
 ところが1月22日の朝から、ボラたちが水面に顔をあげて苦しそうに
  しているのが写真に写るようになりました。

  23日の午前には北清水橋から志賀橋付近で死骸が沈んでいたり
  浮いていたりするのが見られるようになりました。

   すぐ環境局さんに連絡をしまして、調べていただいたところ、北清水橋付近の
  溶存酸素DOの濃度が、通常は、8mg/Lあるところ、低層部では3.8しか
  なかったことがわかりました。


  あとで確認できたことですが、実は元入樋門で、川の中にはいって
 除草作業をするために、1月21日から23日まで庄内川からの導水を
 ストップしていたことがわかりました。



  私自身はそれは夫婦橋の工事のためと思っていましたが、実は
 元入樋門の作業のためだったそうです。


  そこで、1月24日から緑政土木局さんのご配慮で、庄内川の導水を
 朝から復活しましたところ24日午前中には、ボラたちが元気をとりもどして
 いるのが確認されました。



  後日、1月27日に環境局さんが北清水橋付近で溶存酸素DOをはかったところ、
 低層で23日には4を切っていたのが、8近くに回復しているのがわかりました。



  今回ボラが、あわや大量死か?という事態になったのは、一つは潮の干満で
 水位が下がり、ボラが、いわば満員電車の中で息苦しい状態になってしまったこと 

 それに加えて、一時的な導水ストップで溶存酸素を多く含んだ庄内川の水の供給が
 ストップしたことが重なったためと考えられます。


P89 実は木曽川導水中の平成20年と21年にもボラが大量に上がってきました。

  平成20年2月と3月には、新聞記事にあるようにボラが大量に死んでしまい、
  大騒ぎになりました。


  実はこのときは、大潮の干潮で、堀川の水位がぐっと下がったときと、本当にたまたま
 なのですが、鍋屋上野浄水場のメンテナンス作業で木曽川導水が停止されたことと
 庄内川の導水がアユの保護のため停止されたことが重なったことが原因で、
 大量のボラが酸欠死したと考えられています。


  そこで平成21年には、ボラが遡上した下流側の城北橋に年末から土嚢を積んで
  城北橋の上流をちょっとしたダムのようにして、干潮になっても水位が下がらないように
  工夫をしました。

  その結果、21年にはボラは死ぬことなく海に帰ってゆきました。


   今回は、こうした過去の経験から、早く状況をとらえて対策を打ち、堀川のボラの
  大量死を防ぐことができたわけです。

   でも、まだこれから3月にかけて大潮などで水位が下がると、ひょっとしたら、
  庄内川からの導水だけではボラは死んでしまうかもしれません。


   生きものを通して、堀川を見る、というよい事例になったのではないかと思います。

   こうした点も、これから注目していただければと思います。



  以上で事務局からのご報告を終わります。










以下は、平成25年9月25日付で掲載した関連記事です。



事務局より   平成25年9月29日
 
   平成25年9月29日(日)、名古屋都市センターで開催された
  第13回堀川1000人調査隊会議で発表された、第13ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

        ⇒PDFデータのダウンロードはこちら

       
P1 第13回調査隊会議では、第13ステージ(平成25年4月〜6月)
  までに蓄積された3,000件を超える定点観測データを分析した
  結果が報告されました。

   調査隊事務局から報告された内容を下記にご紹介します。







P3  木曽川導水が止まったのが平成22年3月、停止後2年間の
   観察期間が終わったのが平成24年3月。

   このとき開催した第10回調査隊会議で、これから私たちは
   何をして行くべきなのか、これを皆さんで確認しあいました。
  
   それをベースにして今日の日があることをまずもって確認しておきたいと
  思います。
P7 今日、皆さんにお話しできるポイントは次の点です。

 1.皆さんが蓄積してきた6年半の調査データ数が3,000件を超えました。


  これはおそらく、全国的に見てもかつて例がないことだと思います。

 その結果、今日皆さんにご報告できるように、今までデータ数が少なくて
 できなかった、月別のデータ整理、区間別のデータ分析、大潮・小潮別の
 データ整理などが可能になってきました。

  また、堀川の地形や地球温暖化などの気象条件も皆さんの調査結果に
 反映されていると考えられるようになってきました。

  そこから、私たち市民が肌で感じてきた堀川の実態を、データに基づいて
 科学的に説明することができるようになってきました。

  これはすごいことだと思います。


P8 ついでに、今日お話しさせていただくことになる、キーワードになる
 橋の名前を申し上げます。 チェックしておいてください。 


  瓶屋橋、松重橋、 朝日橋、城北橋、猿投橋

  新堀川では下流から熱田橋、大井橋、記念橋、ウズラ橋です。


2.このあと報告させていただきますが、堀川の一番ネックになっている
 場所が朝日橋から松重橋付近まで、そしてその原因が堆積している
 ヘドロと密接な関係がありそうだということ。


  ここで先ほど名古屋市から説明のあった、堀川まちづくり構想や
 ヘドロ対策と話がリンクしてきます。


3. 堀川と関連がありそうだと考えられながら、これまでほとんど
  データがなかった、新堀川についても、こちらにみえる
  鯱城・堀川と生活を考える会の皆さんや、NTT西日本調査隊の
  皆さんの調査活動で、データが集まりはじめ、その実態が、
  少しずつわかるようになってきました。


 以上の3つの点について、これからご説明をしたいと思います。



13ステージの調査報告のポイントについて

  まず、ことし4月〜6月の13ステージの調査の結果についてご報告します。

P15 13ステージの特記事項が P15にかかれています。
 
























P16   昨年よりも気温が高かったこと


    
P17  降水量が少なかったこと  P17 上 

     日照時間が長かったこと  P17 下











P18  れまでの調査隊会議でもご報告してきた、これまでわかって
    いることをまとめたのが、P.18の図です。

堀川の汚れの主な原因は、家庭や工場や店舗などからの排水。
 (窒素;リン)を含んでいて植物プランクトンの繁殖のもと。

合流式下水道の弱点、たくさん雨が降ると、下水処理場に到達する前に
生活排水が雨水と一緒に堀川に流れ出てしまう。

名古屋港や堀川下流部では、植物プランクトンなどが増殖や
死滅を繰り返すことによって水域がさらに汚れるといわれている。

事実、下流部で発生した赤潮や青潮が堀川に遡上してきて
堀川が赤くなったり白くなったりしているのが記録されている。

今回の13ステージのデータはは、気温・降水量・日照時間の変化が
そこに大きく関係していることを示していると思います。
P20 ひとつずつ見ていきます。

  水の汚れの印象について区間別に見たものが P20です。

  各区間ごとに時系列的に棒グラフで示されています。

 これまでの6年半の調査で、堀川で水の汚れの印象が悪い区間が
 はっきりしてきました。 城北橋〜松重間
P21 時系列でみてみたのが  P21の図です。


  特に猿投橋から下流に向かって城北橋の間は、木曽川導水停止後
  いったん悪化したものの、その後、改善の傾向が見られます。

  これは、名城水処理センターの高度処理の導入、堀川右岸滞水池が
  完成したこと、守山水処理センターの下水再生水が夏場に導水されて
  いることがきいている、と考えられます。




P22 その評価基準は、第9ステージ以降、皆さんが「色」で評価している
  ことがわかります。

   ただし、城北橋より下流の区間ではそのはっきりした効果がまだ
   あらわれていないともいえます。
P25 同じことが透視度でも言えます。 


  
P29 しかしながら、CODについては、いずれの区間でも顕著な変化が
  みられず、下水処理の高度化などの施策が、CODについては
  効果があまり出ていないということがいえるかと思います。 


P31 P32 P33  P34

   
あわについてしめした図が P32です。


  第12ステージ(去年の秋〜冬)、そして第13ステージ(今年の春〜夏)は
 これまで改善傾向にあったあわの発生頻度が増加(悪化)しています。

   要因として、P33去年に9月(P33) そして今年の5月から6月(P34)
   に気温が高かったことが考えられます。


  気象条件の変化が、名古屋市の施策の効果を打ち消してしまうほど
 影響力が強い、といえるかもしれません。

  
   あわの発生のメカニズムを整理したのがP31です。


   あわには2種類 
      硫化物からでるあわ、硫化水素(卵の腐ったにおい)
      そしてメタンガス(においはない)

       ⇒硫酸イオンは海水に含まれていると考えています。

  いずれにしてもヘドロの中にいる、硫酸還元菌、メタン生成菌
  どちらも酸素がない環境を好むのですが、気温が高くなると
  菌の活動が活発になり、あわが増加します。


  そして、大潮、引き潮などで水位が低くなると、川底にかかる
 水圧が減ってヘドロの中に発生した泡がぶくぶくと出てきやすくなります。

  逆に 満潮になると泡は出にくい、ということでもあるはずなので、
 そうしたところもこれからよく観察してデータで立証できるとよいと思います。
P37 
  
続いてにおいについてですが 
  においについても、あわと同じことが指摘できました。

  P37下の図をご覧ください。

 最初3年間の導水中、改善傾向にあった「におい」が、導水停止後
いったん悪化し、その後はまた改善傾向にありました。

 しかし12ステージ、昨年の秋〜冬、そして今年の13ステージ
すなわち春から夏にかけてはひどくにおうケースが多くなっています。

 12ステージ、13ステージににおいが増加したのは、平年よりも
気温が高い期間があり、川底のヘドロの状態がよくなかったことが
影響したと考えられます。
 
P39

   
P39をごらんください。
   これはあわとにおいの関係をグラフ化したものです。

   左側が、川底のあわがあるときに、においを感じた割合。
   右側が、あわがないときに、においを感じた割合です。

   においは、泡があるときに多く発生していることがわかります。

   その下、真ん中の写真をみてください。
   大潮の干潮で水位が低下して、しかも流速が速くなり、ヘドロが
  まきあがって泡が浮上している典型的な写真です。






























P41

   
P41は、堀川のにおいの種類を表にしたものです。

   下の図は、猿投橋から下流の港新橋までを、左から時系列的に
  ならべたものです。

   どぶの臭いとヘドロの臭いというのは区別しにくいのですが、
  この両者をたしたものが、約8割をしめていることがわかります。
P43  P44

 次に堀川に出現した色についての今年の特徴です。

 P44をご覧ください。

 各色別に左から@無色からN緑褐色まで並べてそれぞれ時系列的に
グラフにしています。

 紅色が今年13ステージのグラフです。

 第13ステージは、Jの濃灰色とNの緑褐色など、やや暗めの色が
多くなりました。
P46

 P46をご覧ください。

 一番右が、13ステージのグラフです。
黒っぽい色であらわされていますが緑褐色や、濃い灰色が
非常に増えていることがわかります。

 最初に申し上げましたが、特に今年は気温が高かったこと、
降水量が少なかったこと、日照時間が長かったことが特徴ですが、
こうした条件の中で、 今年は「ヘドロ」が堀川の色について、
影響を与えていた可能性が考えられます。
P47

 
P47をご覧ください。

 これは、堀川の色の出現の仕方のメカニズムを考えたものです。
第13ステージのところを見てください。

 第13ステージは気温が高く、雨が少なく、日照時間が長かった
ことにより名古屋港で赤潮の発生が確認されました。

 この名古屋港からの海水が、干潮の時に堀川に上ってきます。

 この色が場所によって、「緑褐色」に見えたのではないかと思われます。

 またもっと上流部では、大潮の干潮時間帯(お昼頃)にはヘドロが
まきあがるため、堀川が濃灰色になることがあるようです。
P78

ここでちょっと一気に話を飛ばしますが、78Pをご覧ください。

これは、平成16年5月に行われた汽水域の河川環境のとらえ方
に関する検討会というところでまとめられた、いわゆるヘドロの
堆積のメカニズムについてかかれた資料です。

 ちょっと読んでみます。

 懸濁態物質の堆積

  河川の上流域や汽水域から流入してくる淡水には、懸濁態の
 有機物や栄養塩が豊富に含まれている。
  それらは、海水と淡水の混合による凝集沈殿や、密度流による
 下流の流速の減少によって、汽水域に堆積しやすい。


 写真は、5年前の第3回調査隊会議で、ビデオ班の坂さんが
撮影したビデオからカットした写真です。

 納屋橋付近の堀川の川底ですが、ふわふわしたホコリのような
懸濁物質がこのあたりにたまっていることがわかります。


 このあたりが、堀川の場合の汽水域、懸濁態物質がたまりやすい
場所に相当するのではないかと考えられます。

 今年私も納屋橋の船着き場のところで、恵那農業高校の生徒
さんたちが、ヘドロの中に棒状の物差しを差し込んでヘドロの深さを
測った場面に立ち会いました。

 今年のヘドロの深さは船着き場あたりで何か所か測って
平均110cmでした。去年は160cmでした。

 物差しをいれると、川底にふわっとした感じで着地し、
簡単にしばらくの間、ずぶずぶっとものさしがはいっていきます。

 そして、そのあとぐっと力をいれないとはいっていかない層にあたり、
そこからずぶずぶとまた物差しがはいっていきます。

 引き抜くと物差しは真っ黒になってあがってきて、同時に大きな泡が
ぶくぶくと出てきます。

 上のほうのふわふわしたホコリのようなヘドロの下に、
真っ黒なヘドロがあって二重の構造になっていることがわかっています。





P79

 
次の79Pをご覧ください。

 これが、今日まで6年半、3000件をこえる皆さんの調査でこれまでに
わかってきた堀川の現状と汚れのメカニズムです。

 最初にポイントとなる橋の話をしました。

 左側が下流の名古屋港です。
そこから右のほうにさかのぼってくると、水深が浅くなり始める場所、
ここが瓶屋橋付近です。

 ご存知の方も多いと思いますが、白鳥の桟橋付近と比べて、
この瓶屋橋あたりで堀川はぐっと川幅が狭くなり、また浅く
なっています。

 ヘドロの掘削が、まだ進んでいない場所にはいってくるのです。

  そして松重橋〜朝日橋の間では、ヘドロの巻き上げや、
特に五条橋や幅下橋などの上流のほうでは、ヘドロの干潟が
露出する場所が見られます。

 このあたりが、前のページでご紹介した潮の先端部にあたり、
ヘドロが生成し堆積しやすい場所なのではないかと考えられます。
      (右下の写真がその状況です)

 真ん中あたりの文字のところをみてください。

 水の汚れの印象が悪いのは、松重橋〜朝日橋付近
 川底からのあわが多いのも同じ区間。
 においの発生がおおいのは、朝日橋〜松重橋 
 もう少し下流の大瀬子橋

 浮遊ゴミが多いのは松重橋〜大瀬子橋

 そしてヘドロの巻き上げと露出が多いのが朝日橋〜松重橋
であることが、皆さんが集めた3000件のデータでわかってきたのです。

     
 堀川を何とかするためには、ここにメスをいれなければいけないことが
よくわかります。
    
 でも現実には、一番最初に名古屋市さんの施策の説明であったように
堀川は護岸整備が下流から順番に進められており、約20年計画で
このあたりが整備されてくるまで、インフラの整備にはまだかなりの時間が
かかります。

     
 そうしたインフラが整備されるまでの間、少しでもこの状況を何とか
できないか、私たちにできることは何なのか、それを行政と市民が
一緒になってみんなで考えてゆきたいというのが堀川1000人調査隊の
この調査隊会議であり、最初にご紹介された堀川まちづくりの会で
あると思います。

 P79が、もう少しそれを整理したものです。
データ数が3000件を超してわかってきたこと

1. 月別・区間別の評価が可能になったこと。



P58

  これは、その日の堀川を見て、きれいから、せめてどちらでもないという
  よい評価をした件数のグラフです。

朝日橋〜松重橋の水の汚れの印象は、年間を通して悪いことがわかります。
 
特に春先2月3月と、春=初秋の5月〜9がつまでが悪いことがわかります。

 
その下の松重橋から瓶屋橋では、12月から2月までは比較的きれいな
ことが多いのですが、春から夏にかけては印象が悪いことがわかります。

  
 
P60 

 その印象を評価しているポイントですが、上のグラフ、朝日橋〜松重橋の
区間、下のグラフ、松重橋〜瓶屋橋の区間とも、年間を通してグレーで
しめされた「色」で皆さんがきれいとか、きたないというのを評価している
ことがわかります。

 それが夏になると、黄色で示された臭いで評価しているのがわかります。

 気温が高くなるとくさい、というのがここにも表れてきています。
P62 

透視度をみてみると、上のグラフの朝日橋〜松重橋、
下のグラフの松重橋〜瓶屋橋ともに、10月から12月までは
許容範囲ですが、それ以外は満足できない値になっていることが
わかります。



P64

CODについて

 朝日橋〜松重橋については3月から10月までCODが高いようです。

 松重橋〜瓶屋橋については6月と8〜9月がCODが高くなっていることが
わかり、下流のほうが、微妙にCODが低くなっています。
















P66 

大潮と小潮のときの堀川全域のデータ数で、水の汚れの印象を
みたのがこのグラフです。


 大潮の時も、小潮の時も、全体の平均値でみると3月〜9月
くらいまでの間が印象が特に悪いことがわかりますが、
大潮と小潮での差はでてきませんでした。


しかし、これを季節別・区間別でみてみると、少し違った結果が
でてきました。
P67 

 これは、春から夏にかけての区間別のグラフです。

 大潮の時には、下流からみて瓶屋橋〜松重橋で最も印象が悪く、
上流に向けて少しずつよくなっています。
  
 しかし小潮の時は、瓶屋橋から猿投橋までまんべんなく悪い状態に
なっています。




P68

 これは秋から初冬にかけての区間別のグラフです。

 大潮・小潮とも、夏場よりは印象そのものは悪くないのですが、
小潮の時には、より上流部の朝日橋〜城北橋が、下流よりも
状態が悪いという結果が出ました。 


この原因については、私のほうではよくわからないのですが
もし皆さんで心当たりがありましたら、ぜひ教えてください。
もうひとつ非常に興味深いデータをご紹介します。

P69をご覧ください。

堀川は、朝日橋を境にして上流と下流で、皆さんの堀川の評価の
ポイントが変わっているということです。


 夏場の大潮のときには、朝日橋より下流になると、「ごみ」と「におい」で
評価する割合が一気に多くなっています。

 朝日橋より上流では、大潮でもあまりにおいが気にならない、
ともいえるのかもしれません。

 朝日橋より上にはゴミもあまり遡上してこないのではないかと
思われます。



 逆に、小潮の時は、朝日橋より下流では、においをあまり意識
していません。

 透明感で評価する人も少なく、もっぱら「色」で評価しています。



 朝日橋より下流では、全般的にきたないと感じている場合が多い
のですが、大潮のときはごみとにおいが気になる、小潮の時は
色が気になる、ということが言えるのでしょうか。

 皆さん、どのように感じられますか?




 P70は、夏場のにおいについてです。

 黄色いのが、卵の腐ったにおい、いわゆる硫化水素のにおいですが、
大潮のときは朝日橋より上流でこの卵の腐ったにおいが目立ちますが、
小潮のときは、もう少し下流の松重橋〜朝日橋で卵のくさったにおいが
目立ち、朝日橋〜城北橋では、そういうにおいの指摘がありません。



P71をご覧ください。

 秋から初冬にかけては、少し様子がかわります。

 冬場については、大潮のときはやはり朝日橋より下流では、
ごみと透明感で堀川を評価する人が多くなっています。



 小潮の時は、もっと下流の松重橋〜瓶屋橋で「ごみ」や透明感で
評価する人が増えています。

においの種類については、夏と比べると卵の腐った臭いはあまり
多くなく、ドブの臭い、ヘドロの臭いが多くなります。


大潮と小潮では、小潮の時のほうが卵の腐った臭いを
松重橋〜朝日橋で感じていることがわかります。
新堀川の水質調査結果について


 新堀川のデータ蓄積は、NTT西日本さん、鯱城・堀川と生活を考える会
の皆さんが、1か月に約1度のペースでデータ蓄積が進んできました。


 まだまだ十分なデータ数とはいえませんが、それでも興味深い調査
結果がいくつか出てきました。


P73をご覧ください。

 下流から熱田橋、大井橋で鯱城・堀川と生活を考える会、
記念橋でNTTさんがデータを蓄積して、そのほか最上流部に
近いウズラ橋のデータが蓄積してきています。



 P74をご覧ください。

 紫色がきたない、肌色がややきたない、黄色がどちらともいえない、
薄緑色がややきれいです。


 下流の熱田橋では、ややきれい、どちらともいえないという
データがありますが、大井橋(東別院の東)より北では、
汚い、やや汚いという評価がほとんどです。


 透視度については、大井橋が最も低く、下流の熱田橋、
上流の記念橋のほうが高くなっています。



P75をご覧ください。

 CODの値は、下流の熱田橋が最も低く、上流に行くほど高く
なっています。

 まあそれでも熱田橋のCODでも14ですから、決して低くは
ありませんが・・・


 泡についてみると、熱田橋では泡はほとんど確認できませんが、
上流へ行くほど泡が多くなり、ヘドロの状況が、ひょっとしたら
かなり深刻なのではないかということを感じさせられます。


 においについても同じようなことがいえます。

 上流の記念橋・ウズラ橋では、ひどくにおうというときがあり、
ややひどくにおうもかなりあります。


 熱田橋では、におわない、という数値がかなり高いことも
注目点です。


 臭いの種類については、どぶの臭い・ヘドロの臭いが大半ですが、
特に上流部では硫化水素のにおい、つまり卵の腐った臭いが
目立ってきます。



P77をご覧ください。

 ウズラ橋、記念橋では、グラフでは肌色に表現されている、
乳白色、写真でいうと一番右の状態が見られました。


 これは、硫化物が還元されてイオウになり、白っぽくなっているようすで

 ヘドロの中にいる硫酸還元菌が活発に活動している様子がうかがえます。


 新堀川の最上流部は、堀留の下水処理場からの下水処理水が
主な水源になっていますが、この排水は比較的透明で水温が高いと
いわれています。


 この付近では、温かい下水排水が上のほうを流れ、下のほうは
海からの塩水が差し込んでいて川の水が二層にわかれていて、
しかもその塩水の酸素が少ないのではないかということも想像
されるのですが、まだまだデータ数が少ないため、これから
いろいろなことがわかってくるのではないかと思います。


 新堀川での調査活動も引き続きどうぞよろしくお願いします。





 最後に、私が見て撮影した、大潮と大雨が重なった堀川で魚が次々に
死んでゆく様子をP83にご紹介していますのでご覧ください。

 以上で事務局からのご報告を終わります。







以下は、平成25年2月23日付で掲載した関連記事です。


事務局より   平成25年2月23日
 
   平成25年2月23日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第12回堀川1000人調査隊会議で発表された、第12ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

        ⇒PDFデータのダウンロードはこちら

        ⇒抜粋版(詳細説明付PDFデータのダウンロードはこちら


P1
 第12回調査隊会議では、第12ステージ(平成24年9月〜12月)に
   実施された市民の定点観測データ135件を、前年のデータと比較し
   分析した結果が発表されました。

















P2  堀川の水環境について軽くおさらいをしました。

P4
  昨年の第10回調査隊会議での決議事項をふり返りました。

 そのポイントは、次の通りです。

  調査隊の役割

 @堀川には、まだまだ時間をかけて調査を続けなければ
   わからないことがある。

   ⇒堀川の調査を継続し、堀川の実態解明、汚濁の原因を
    データで特定する必要がある。

    それによって、対策をたて、処方箋を描く。
    そして、官と民が力をあわせて、堀川の浄化・再生を目指し
   それぞれができることを継続する。

 A市民としてできること

    木曽川導水の復活を目指し、堀川を愛する人の輪をさらに広げる。

    木曽川・長良川・揖斐川など、流域の人たちと、市民レベルの
    交流を広げる。

    雨の日の生活排水に気をつける運動などを続け、
    家庭排水からの汚濁負荷を削減する実験を行い、
    その効果を確認して実行する。

  私たちの活動、行動は、趣味や自己満足に終わらせるのではなく
  堀川浄化に直接役立たせてゆくことが大切!!



P9
 コラムより、要点を抜粋します。


現在の調査隊の登録状況は、堀川応援隊を含め、
2,609隊、50,403人です。

 発足時が165隊、2,262人でしたので、堀川の浄化と再生を願う
市民のネットワークが大きく広がったことがわかります。


 定点観測隊は第12ステージ終了までの間に2,881回の
定点観測を実施しました。


 第12ステージでは新堀川での調査活動もはじまりました。

 これまでの調査で、堀川の猿投橋から下流区間(感潮区間)は、
潮の干満によって、水域の様子が時々刻々と変化していることが
わかってきました。


 また、定点観測隊がたくさんの観測(いろいろな場所、潮の状態、
時間帯に観測)をすることで、堀川の平均的な状態をとらえられる
ことができ、その変化の傾向がとらえられることがわかりました。


 そして、堀川浄化の社会実験の5箇年では、木曽川からの
導水による水質改善の範囲が概ね“猿投橋〜松重橋”間であった
ことを確認しました。

 また、この活動の期間にごみ(人工ごみ:プラスチック系など)が
減少したことを確認しました。

 清掃活動が活発化するなど、市民の意識が変化してきたものと

考えられます。

P10
 木曽川導水停止後は、新たな水質改善施策として、
名城水処理センターに高度処理が導入(平成22年5月)
堀川右岸雨水滞水池が供用を開始(平成22年9月)
新たな水源として、守山水処理センターの下水再生水の活用
が開始(平成23年8月)されました。

 全般的には導水停止後に改善の傾向が見られています。
これは新たな水質改善施策が実施されたことによる効果
考えられます。

 

P17 名古屋市による主な水質改善施策の実施状況は
   左の図の通りです。
P13 第12ステージの水質調査結果を左右した、
    気象条件について説明します。

P24
  第12ステージ(平成24年9月〜12月)の気象は、
    その前年の第10ステージ(23年9月〜12月)と比較して
    夏の暑さが長く続いたこと、9月・10月の降水量が
    少なかったことに特徴がありました。

P25
  市民調査隊が、その日堀川を観察したときの、「印象」に
    ついてまとめました。

    左は、毎年春〜夏(4月〜6月)に、堀川に比較的良い印象を
   もったデータを抜き出したものです。

    木曽川導水中の第1・第3・第5ステージに改善の傾向が
   見られましたが、導水のとまった第7ステージにはストンと
   印象が悪くなっていることがわかります。

    その後、第9・第11ステージにかけて、改善の傾向が
   見られることがわかります。

    これは、名城水処理センターへのろ過機の導入(高度処理)や
   堀川右岸雨水滞水池の供用が開始され、堀川への汚濁負荷が
   削減されたことが効いているのではないかと考えられます。



P26  一方、毎年秋〜冬(9月〜12月)のデータでは
    導水停止後は、堀川の印象は横ばいでしたが、
    第12ステージでは、極端に印象が悪化していることが
    わかりました。


















P46
  その理由を探ろうと、透視度の秋〜冬のデータを
     分析しましたが、透視度においては、それほど
     データの悪化は見られませんでした。


















P58
  また同様に、CODの秋〜冬のデータを
     分析しましたが、CODにおいても、それほど
     データの悪化は見られませんでした。

P31  そこで、第11ステージと第12ステージの違いを探して
     ゆくと、第12ステージでは、市民調査隊が、その日の
     堀川の印象を、「色」で評価している割合が増加している
     ことがわかりました。














P32  さらに詳しく見てゆくと、上段の「比較的きれい」な状態の
    堀川においては、「その根拠」を色で判断している人が
    増加する傾向
にあることがわかりました。

     また、下段の「きれいではない」状態の堀川においては
    5割以上の人が、「その根拠」を色で判断している
ことが
    わかりました。


    その結果、第10ステージと、第12ステージにおいて
   透視度やCODの結果があまり変わらないにも関わらず
   堀川の印象が大きく悪化したのは、「色」に原因が
   あるのではないか、という点に着目
してさらに調べを
   進めました。

P81
 調べてみると、第12ステージでは、

  G淡灰黄緑色が最も多く出現した色でした。

  次に多く出現した色が、H灰黄緑色でした。

P82 P83
 

  第10ステージと第12ステージを比較すると、堀川では
  
   緑色・灰緑色・緑褐色などの、「濃い色」が減少して、

    黄緑色・淡灰黄緑色・黄褐色などの「淡い色」が増加
   
していることがわかりました。

   
   定点観測隊の市民調査隊は、堀川からバケツで水を汲み、
  その水質を調査するため、透視度やCODをはかっています。

   しかし、その水は堀川の表層水を汲んでいるケースが
  ほとんどです。

   第12ステージは、前年と比べ降水量も少なかったことから、
  合流式下水道から流入する汚濁物質もそれほど多くなかった
  ことが考えられます。

   つまり、24年秋の堀川は、表層水に関しては、比較的
  きれいな状態を保っていたと考えられ、それは、P46、P58で
  示された、第12ステージの透視度、CODの調査データでも
  裏付けられています。



   だとすると、第10ステージと第12ステージで、これほど
  出現する色に変化があり、しかも白濁して淡い色に見えたのは
  なぜだろうか?



   そういう疑問から、事務局では、次のような仮説を立てて
  説明を試みました。

P84 85
 

  @堀川には、名古屋港から海水が遡上してきます。

    この海水には硫酸イオンが含まれています。

    一方、堀川の中下流部には、酸素が少ない環境を好む
   硫酸還元菌が主に底泥中に存在し、特に夏場の気温・水温が
   高いときには活発に活動していると考えられます。

  A硫酸還元菌が活動し、有機物を分解するときに、
   硫酸イオンが還元され、硫化水素が発生します。

    硫化水素は、いわゆる卵の腐ったにおいがしますから
   夏場の堀川の中下流部では、川の底から泡が発生し
   腐卵臭が発生している場面が多く確認されています。


  Bこの硫化水素が水の中で酸素、あるいは二酸化炭素+光と
    反応すると、「硫黄コロイド」が発生します。

    この硫黄コロイドが、堀川が白濁する要因ではないかと
    考えます。

    堀川では、P85右下の瓶屋橋の写真のように、真っ白な
    温泉のように白濁している状態が時々見られます。

    24年の秋から冬にかけてよく出現した「淡い色」は、
   その右隣の尾頭橋の写真のような光景であったのでは
   ないかと事務局では考えています。

    そのイメージを示したのがP86です。

    第12ステージでは、10月中旬まで気温が高い状態が
    続きました。


    このために、堀川の低層の水(塩水)は、貧酸素の状態が
    続き、白濁した状態(青潮:硫黄コロイドの増加)に
    なりやすかったのではないか
と考えられます。

    透視度が高い表層の水(淡水)と、白濁した低層の水
    (塩水)で2層化した堀川を、橋などの上から見ると
    水の色が淡い色(白っぽく明るい色)に見えたのではないか

    と考えられます。


P34
  ちなみに左の写真は、堀川で実際に撮影された写真です。

     最初日が照っていたのですが、急に雲がかかって日が
    かげったので、日照による「色の変化」がよくわかる写真と
    なりました。


     この日の調査隊会議の会場で、左の写真と右の写真の
    色では、どちらの堀川が汚く見えるか、という質問をしたところ
    左の、「淡く明るい色のほうがきたなく見える」という人が
    多くありました。

P70

  第12ステージの低層の水質がよくなかったのではないかという
 ことは、「あわ」や「におい」の指標でも裏付けられています。

   前年と比較し、堀川では、あわの発生が多くみられました。

P71

  あわが特に多く見られたのは、松重橋〜朝日橋の、
 いわゆる都心の区間でした。

P75

  調査隊が、においを感じた回数も前年よりも多くなりました。

P78

 川底からのあわがあるときは、あわのないときと比べて
においがするときが多いこともわかりました。

P63〜64


 左は、堀川を区間別に分けて、「汚れの印象」、「透視度」
「COD]の変化を並べたグラフです。

  63〜64ページは、春〜夏(4月〜6月)

  65〜66ページは、秋〜冬(9月〜12月)です。

  赤いグラフは、松重橋〜大瀬子橋の下流部です。

  黄色のグラフは、松重橋〜朝日橋のいわゆる都心部です。

  緑色のグラフは、朝日橋〜城北橋で、名城水処理センターの
   付近となります。

  青色のグラフは、城北橋より上流、猿投橋までの区間で
   木曽川導水の効果がもっともよく確認できた区間です。


  春〜夏の期間で見ると、城北橋より上流の区間をのぞけば
  木曽川導水が停止したときにいったんは悪化した堀川の
  状態が、名古屋市の施策等の効果もあって、徐々に改善
  している様子がうかがえます。
  

P65〜66
 
  一方、秋〜冬にかけては、各区間ともあまりはっきりした
 改善傾向は見られません。

  城北橋より上流では、むしろ印象が悪くなっていることが
 わかります。

  これは、秋〜冬は、春〜夏と比べて降水量が少なく
 もともと下水から堀川への汚濁物質の流入が少なく、
 名古屋市の、「合流式下水道の改善施策」の効果が目に
 みえにくいのではないか、ということも考えられます。

P103〜104


 一方、24年10月26日〜28日に開催された堀川ウォーターマジック
 フェスティバルでは、名古屋城〜納屋橋間で、3日間限定の
 船の定期運航が実験されました。

 これは、堀川のにぎわいづくりに舟運がどのような役割を果たすかという
 観点からの、市民による社会実験です。

 堀川1000人調査隊では、別の観点、つまり「堀川で船が定期運航
 すると、堀川がきれいになるのではないか?」という観点から
 一斉調査を呼びかけました。



 堀川に定期的に船が運航されると、ヘドロの中のメタンや硫化水素
 などののガスは、定期的にヘドロの巻上げとともに開放され、その量は
 減少すると考えられます。

 さらに長期の定期運行が実現すると、堀川の水域が継続的に攪拌される
 ことで、川底に酸素が供給され続けます。

 これによって、少しずつですが、川底の状態が改善(ヘドロ化が抑制)され
 低層の水質も改善すると考えられます。

  

P102

 実際に船(水上バス)が堀川を走ったときの写真です。

 川底のヘドロが巻き上がり、水が濃い灰色に濁る様子が
 確認されました。

 ヘドロの中で生成された気体が、あわになって水面に
 浮かび上がる様子も確認されました。

P112


 これは、河川計画課調査隊が、船に乗船した人に、においがあったか
どうかをアンケートした様子です。

 のべ230名のアンケート回収がありました。

P113


 アンケートの結果は、船が運航されると、「におい有り」の比率が
増加しました。

 なお、「におい有り」と答えられた方の比率は、日ごとに減少して
いました。

 これは、時間帯ごとに整理をした結果からも、同様な結果が
得られました。

 この結果、船が定期的に運航を続けることによって、においは
次第になくなってゆくのではないか、川底の水質の改善も
進むのではないか、という期待がもてそうに思われます。

P115


 第12ステージでは、新堀川での調査活動も始まりました。

 堀川と新堀川の水質は密接に関係しているのではないか、とも
考えられますが、市民調査レベルでは、まだほとんどデータの蓄積が
進んでいないのが現状です。

 これからデータ蓄積が進むことによって、新堀川の浄化の
処方箋にもつながってゆくことが期待されます。





以下は、平成24年月22日付で掲載した関連記事です。


事務局より
 
   平成24年9月22日(土)、名古屋都市センターで開催された
  第11回堀川1000人調査隊会議で発表された、第11ステージの市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

    ⇒市民調査隊の調査報告書(概要版説明文付) のダウンロードはこちら

    ⇒    同 (詳細版) のダウンロードはこちら
   
    ⇒名古屋市による調査報告のダウンロードはこちら

    ⇒名古屋市の堀川再生のための取組みはこちら

    ⇒庄内川水分橋の頭首工開閉操作の実験についてはこちら

    ⇒第2回 一斉調査のご案内はこちら




 第11ステージにおける市民調査の結果について、調査隊会議でご報告した要点のみ
かいつまんでご紹介させていただきます。

 なお、各コメントにおける、「ページ数」は、上記、市民調査報告書(詳細版)
ページを意味しています。

 下記に縮小したページの写真とともに、会議で報告されたコメントを
ご紹介していますが、拡大版は、上記の資料をご覧ください。


   このレポートのポイントは、次の通りです。

   1.堀川は、名古屋市の浄化施策の効果がでて、きれいになってきている。 P13〜49

   2.金環日食の日の一斉調査によって明らかになってきた、大潮と堀川の関係。 P51〜74

   3.堀川で魚が大量死するメカニズムの一端をひもときました。 P75〜84



P13  木曽川導水が停止した平成22年3月以降の、名古屋市の実施している
     主な堀川水質改善施策の実施状況は次の通りです。

      名城水処理センターの高度処理の導入
      堀川右岸雨水滞水池の供用
      守山水処理センターの下水再生水の活用





P14  新たな水源の確保のため、守山水処理センターで膜ろ過された
     下水再生水を活用し、日最大4,000トン(毎秒換算約0.01トン)を
     堀川へ通水しています。
         通水開始  平成23年8月

       ただし、通水期間は概ね灌漑期(4月〜10月)で、
       11月〜3月は、庄内用水に通水がおこなわれています。
 



P16 堀川1000人調査隊の調査項目である、「水の汚れの印象」の
    報告からは、次のようなことが読み取れます。

     木曽川からの導水のあった3年間の夏場である、第1ステージから
    第5ステージまでの間、猿投橋〜松重橋間で改善が見られた。

     導水停止後の第7ステージは、いったん悪化した。

     しかし、その後、第9〜11ステージには改善の傾向が見られる。

     これは、P13で示した名古屋市の新たな水質改善施策の
    実施による効果が出ているのではないか考えられる。


     



P21
  同じような傾向が、透視度・あわ(P28)・におい(P31)でも見られる。



P25
  ただし、CODについてだけは、こうした改善傾向は確認できていない。



P28



P31



P22
  前日に雨が降ったあとの堀川の透視度について


春〜初夏においては、前日に雨が降ると、当日の降雨はなくても
堀川全域で、透視度が低くなっていることがわかりました。



(参考)
第10ステージで報告された、冬場の状況

前日に雨が降ったとき、(当日は降雨なし)
朝日橋から下流の港新橋までの区間では、透視度が
低くなることがわかりました。

 上流部では、透視度が若干悪化する傾向は見られましたが
下流部ほど顕著ではないことがわかりました。




P26  前日に雨が降ったあとの堀川のCODについて

春〜初夏においては、前日の降雨によるCODの顕著な変化は
確認できませんでした。


 ただし朝日橋より上流部では、希釈されるのか、CODが若干
下がっていました。



(参考)
 第10ステージで報告された、冬場の状況

前日に雨が降ると、上流部の猿投橋〜朝日橋間で、CODが
低くなりました。

 上流部では、雨が降ると、透視度は悪化しますが、CODは
希釈されるようです。

 朝日橋より下流では、雨によるCODの変化は、確認できませんでした。

 名古屋港に近いところでは、若干下がっていますが、誤差の範囲内
かもしれず、さらなる調査による確認が必要だと思います。





P35  堀川の錦橋で撮影された、堀川の色の変化です。














P36  第11ステージは、「緑褐色」の出現回数が多くなりました。
     水中の植物プランクトンが多かったものと考えられます。

     (赤潮の状態が多かったと考えられます)

P39  路上ゴミ(人工ゴミ)を目にする頻度は、減少傾向です。
     
     清掃活動の活発化、レジ袋の有料化などの社会的な変化も
     影響しているかもしれません。

     目にする頻度の高いのは、タバコの吸殻です。
 


P40
  路上ゴミは減少の傾向ですが、浮遊ゴミを目にする頻度は
     減っていません。

      浮遊ゴミは、船で定期的に清掃が行われますが、堀川に
     落下したゴミは潮の干満で感潮区間を何度も行き来して、
     長い時間滞留しているためと考えられます。

      浮遊ゴミは、特にプラスチック系が多く見られました。







P42  2008年2月に、堀川再生フォーラムの先生方が発表された
    論文があります。

      この研究によれば、堀川では、松重閘門の水域部が
     あることによって、堀川の浮遊ゴミが長期に滞留する
     傾向があると指摘しています。

      この松重閘門に、浮遊ゴミが滞留する引き潮時を狙って、
     効率的なゴミ回収作業ができるのではないか。

      この点を今回の調査隊会議で市民から行政に提言を
      行いました。





P47
  第11ステージでは、堀川1000人調査隊も参加して、
    生き物調査も行われました。

      5月20日に、名城公園付近で行われた調査では、
     体長50cmほどの巨大なティラピアも捕獲されました。

      名城水処理センター下流のこの水域では、巨大化した
     ワニガメ、トゲスッポンも発見、捕獲されています。

      下水処理水の水温が比較的高いこと、富栄養化されやすい
     ことなど、外来生物が大きく育つ要因を備えているのかも
     しれません。
     



P49
  木曽川上流の恵那農業高校と連携して、空心菜を利用した
     堀川浄化実験も行われています。

     第11ステージでは、3年目となる空心菜実験が紹介されました。



P51 
第11ステージには、5月21日に金環日食がありました。

     この特異な大潮の日に、堀川1000人調査隊は、有志による
    一斉調査を実施しました。

     この一斉調査により、大潮の日の堀川の実態に大きく
    迫ることができ、堀川で赤潮や青潮が発生するメカニズム、
    堀川で魚が大量死するメカニズムの解明に大きな一歩を
    踏み出しました。









P52  金環日食の大潮の日の、名古屋港の潮位差は、2m以上でした。

     大潮時の潮位差は、小潮時の約2倍でした。



P53
  堀川一斉調査の様子です。














P54  名古屋港の潮位の変動に伴い、堀川の各所で流れの向きの変化が
     市民調査隊により、実際に確認されました。



P55
 この日の干潮は、正午頃でしたが、干潮に近い時間帯に、各調査地点で
    水の汚れの印象が悪くなりました。


    また、午後、上げ潮に転じると、下流の海に近い地点から、水の汚れの
    印象が悪くなりました。












P56  調査の時間帯によって、水の色が変化してゆきました。

     特に中流域では、灰緑色が多く観察されました。
     これは、川底のヘドロがまきあがった影響と考えられます。


      また、中・下流域では、上げ潮時間帯に、緑褐色になりました。

      これは、赤潮〔植物プランクトンが多い状態)の影響と考えられます。

      ※この時期、名古屋港でも赤潮が発生していました。



P57
  錦橋で撮影された、堀川の色の変化です。

      13時頃には、錦橋〜納屋橋間でヘドロが巻き上がっていました。

      15時には緑褐色(赤潮状態)になっていました。












P58  ヘドロの巻上げや赤潮が確認された状態でしたが、
     一部の調査結果を除けば、においは少ない、という状態でした。



P59
  においの種類は、主にヘドロ臭でした。



















P60 中流域では、下げ潮時に、 下流域では、上げ潮時に
    川底からのあわを確認しました。

     中流域では、水位の低下による水圧の低下
     下流域では、流速の増加によるヘドロの巻きあげによって
     ヘドロの中で生成されたメタン等のガスが水中に解放され
     やすくなったものと考えられます。



P61
  透視度は、干潮時間帯に低下(悪化)しました。

     午後、上げ潮に転じると、透視度は一時的に回復しましたが
     その後は、低下(悪化)の傾向でした。

      干潮時間帯に透視度が悪化したのは、ヘドロの巻きあげによる
     影響であると考えられます。


      上げ潮時間帯にも透視度が悪化したのは、赤潮(植物プランクトン
     などの浮遊物)の遡上によって、透視度が下がったも
のと考えられ
     ます。




P62  CODは、干潮時間帯に増加しました。

     上げ潮に転じると、CODは一時的に回復した地点もありましたが
     その後も増加傾向でした。

      干潮時間帯にCODが増加(悪化)したのは、ヘドロの巻き上げ
     によるものだと考えられます。


      中流域では、上げ潮時間帯にCODが低下(改善)の傾向が
     見られました。遡上した塩水のCODが、堀川の主な水源(淡水)
     の値よりも低かったためと考えられます。





P63〜64
  名古屋市の河川計画課調査隊が、堀川の中・下流部は
       この日、赤潮状態であったことを確認しました。


      また堀川では、貧酸素状態である、青潮の状態に
     なっていないことを確認しました。


      その根拠は次の通りです。

     ・潮位が高くなると、表層の水の色が茶褐色(黒茶)になった。

     ・観測時間帯の表層(2割水深)の溶存酸素(DO)は、ほとんどが
      飽和、または過飽和の状態であった。

      潮位が高くなるにつれて値が大きくなった。
      特に下流部の大瀬子橋の値は、飽和値の2倍になった。

     ・卵腐臭がしなかった。

     ・観測時間帯の低層(8割水深)の溶存酸素量(DO)は
      飽和値の3割以上が残存していた。



P65
 植物プランクトンが多い状態でじゃ、光合成が行われ、水が
    アルカリ性になります。

     そのメカニズムの解説です。












P66 今年の初夏は、雨が少なく、日照時間が長くて、赤潮に
     なりやすい条件でした。



P67
 この5月21日は、18時20分頃、錦橋付近において、
    潮の先端部が移動する様子が見られました。


     大潮の強い遡上の力で、塩水が押し上げられて
     先端部分が潮目になってあらわれたものと考えられます。









P68  実は、2年前の平成21年7月22日の部分日食があった
     大潮の日にも、同じ錦橋で夕方18時45分頃、潮の先端部が
     移動する様子が観察されています。











P69
 堀川における、大潮時の塩水の遡上のイメージです。

    大潮の上げ潮時は、塩水が強い流れになって押し上げられます。

     このとき、塩水の塊と、淡水の塊が正面衝突して、せめぎあいを
    していると考えられます。

     この先端部分が、潮目になってあらわれたものと考えられます。

     堀川の大潮時は、塩水と淡水が強混合型になっていると
    考えられます。




P70
 一方、小潮の上げ潮時は、塩水が押し上げられる力が
    強くありません。

     このため、塩水と淡水が混ざろうとする力も弱く、比重の重い
    塩水は、淡水の下にもぐりこみます。

     堀川の小潮時は、塩水と淡水が弱混合型になっていると
    考えられます。




P71
 
 赤潮と青潮の発生メカニズムの一端を紐解いてみます。
 雨が降ると堀川に汚濁水が流入します。
 その汚濁水には、有機物、窒素、リンが含まれています。
その一部は沈降しますが、一部は動植物プランクトンの栄養分に
なります。


 植物プランクトンが増殖すると赤潮の状態になることがあります。
 今回の堀川一斉調査の時は、中・下流域で赤潮が確認されました。

 日照が十分あり、植物プランクトンが増殖する環境が整っていたものと
考えられます。
 水域に大量の有機物が存在すると、まず酸素がある環境を好む
生き物がその有機物をエネルギーとして活動をします。


 この時に有機物の分解に伴って水中の酸素が消費(呼吸)されます。
 この酸素の消費によって水域は貧酸素の状態になります。


 貧酸素の状態になると主に無酸素の底泥中で酸素がない環境を好む菌が
有機物をエネルギーとして活動を始めます。


 ここで活動する主な菌について説明をします。

 まず、硫酸還元菌です。硫酸イオンがある環境で活動します。

 硫酸イオンは海水にも多く含まれています。

 硫酸還元菌は有機物を分解する時に硫酸イオンを還元し、
硫化水素を発生します。


 卵が腐った時の臭いを放つガスです。硫化水素は、
底泥や水中に硫化物(H2S,HS−等)の形で蓄積されます。

 大潮時など潮位の変動が大きい時に硫化物(主にH2S,HS-)を含む
白濁化(硫化物の一部は酸素と反応して硫黄コロイドを生成)した水塊が
強混合状態で上流に移動する場合があります。

 これが堀川で見られる青潮の状態です。

 次にメタン生成菌です。
 硫酸イオンが少ない水域では、メタン生成菌が優占します。

 メタン生成菌は二酸化炭素と水素などでメタンガスを発生します。
 メタンガスは無臭です。


P72
今回の金環日食ではなぜ青潮の状態が観察されなかったのでしょうか?
 金環日食と部分日食の時の過去1箇月間の気象条件と潮位を
比較してみました。

 その結果、気象条件が大きく異なることが確認されました。
 特に汚濁水の流入に影響する降水量と植物プランクトンの
増殖に影響する日照時間が異なることに着目すると、以下のように
考えられます。
 金環日食の時(平成24年5月21日)は、6日前の長潮時
(潮の移動が少ない時期)に30mm/日の雨が降り、水域に汚濁水が
流入しました。


 その後、長時間の日照によって植物プランクトン(赤潮)が増加しました。


 5月21日の段階では光合成による昼間の溶存酸素の増加もあり、
有機汚濁の分解に伴う酸素消費による貧酸素水域の形成が
青潮を発生するほどの状態になっていなかったと考えられます。


 部分日食の時(平成21年7月22日)は、5日前の長潮時
(潮の移動が少ない時期)に100mm/日を超える雨が降り、
水域に大量の汚濁水が流入しました。

 流入した大量の有機汚濁の分解により酸素が消費されて
水域が貧酸素状態になり、中・下流域で青潮が発生したと考えられます。



P73
 金環日食の平成24年5月21日の前1箇月間の気象条件や
    潮位の変化です。雨が少なく、日照時間が長かったことが
    わかります。














P74 部分日食の平成21年7月22日の前1箇月間の気象条件や
    潮位の変化です。

    今年の金環日食の時よりも降水量が多く、日照時間が短いことが
    わかります。



P75
 
どのような状況で貧酸素になるのでしょうか?
 堀川で発生する死魚の原因の多くが酸欠であることから、
調査隊が今までに確認した死魚の発生に関する知見をもとに、
堀川で貧酸素になるときの状況を整理してみました。
 調査隊の報告から死魚がどのような時に発生したのかを整理してみると、
冬が終わり水温があがる4月〜6月、大潮の時、雨が降ったあとなどの
共通点が見えてきました。






P76 
 調査隊の結果から得られた知見をさらに深めるため、名古屋市が
公表している堀川における過去の死魚の記録を整理してみました。
 この結果から死魚は
  @4月下旬〜6月に発生、
  A降雨の後に発生、
  B主に中潮〜大潮時に発生、
  C中・下流域で発生している

 という共通点が見えてきました。


 貧酸素の状態になる理由としては、冬季に川底に堆積した有機物が
春になり分解にする時に酸素が消費されること、

 降雨に伴い合流式下水道の雨水吐から汚濁水(有機物)が流出して
酸素が消費されこと、

 降雨に伴う出水により河床に堆積した有機物が撹拌されて酸素が
消費されることなどが考えられました。


 そして、この貧酸素によって死魚が発生するのは、堀川をコノシロ、ボラ、
ハゼなどの汽水・回遊魚が遡上し、これらの魚が貧酸素の水塊に逃げ場を
奪われた時です。




P77
 
 堀川を遡上するコノシロ、ボラ、ハゼなどの汽水・回遊魚が
貧酸素の水塊に逃げ場を奪われる時の状況の一例を
貧酸素水塊の移動のイメージで表現してみました。



P79
 堀川における過去の死魚の記録です。

    平成19年には、5月28日にコノシロの死魚の記録が
   ありました。

    このときは、中潮で、直前にまとまった降雨がありました。







P80 平成20年には、木曽川導水できれいになった堀川に
    ボラが大量に遡上しました。

     そのボラが、2月23日と3月6日に大量に酸欠死しました。

     このときは、いずれも大潮の日でした。


     また6月23日には、ハゼの死魚の記録がありました。

     このときは中潮で、直前にまとまった降雨がありました。



P81
 平成21年には、死魚の記録がありませんでした。














P82

 平成22年には、4月30日と5月21日に死魚の記録がありました。

 うち4月30日は大潮で、その直前にまとまった降雨がありました。


P83

 昨年、平成23年には、5月2日と16日にコノシロの死魚が
確認されました。

 いずれも大潮のときで、その直前にまとまった降雨がありました。







P84


今年(平成24年)の堀川の死魚の記録です。
今年は6月19日にコノシロの死魚が確認されました。

この日は台風4号が接近し、満潮位が高くなりました。
貧酸素水塊が中流域に押し上げられて、遡上していたコノシロが
逃げ場を失って死んだものと思われます。



P85〜96

市民意識の向上 学習会などを整理しました。












以下は、平成24年2月25日付で掲載した関連記事です。


事務局より
 
   平成24年2月25日(土)、名城水処理センターで開催された
  第10回堀川1000人調査隊会議で報告された、5年間の市民調査の
  総括報告をご紹介いたします。

    ⇒市民調査隊の調査報告書(概要版) 説明文付 のダウンロードはこちら

    ⇒    同 (詳細版) のダウンロードはこちら
   
    ⇒名古屋市による水質調査報告 のダウンロードはこちら

    ⇒名古屋市の堀川再生のための取組みはこちら

    ⇒朝日橋付近に堰を設置する市民提案に対するシミュレーション結果はこちら

    ⇒庄内川水分橋の頭首工開閉操作の実験開始についてはこちら


5年間の市民調査の結果について、調査隊会議でご報告した要点のみ
かいつまんでご紹介させていただきます。

 なお、各コメントにおける、「ページ数」は、上記、市民調査報告書(詳細版)
ページを意味しています。

 下記に縮小したページの写真とともに、会議で報告されたコメントを
ご紹介していますが、拡大版は、上記の資料をご覧ください。


   なお、補足事項として、下記の報告でもおわかりになると思いますが、
  堀川には、次のような問題点・今後の調査活動のポイントがあることが
  クローズアップされました。

    堀川の水源の水質をもっと調べることが、堀川の実態解明には必要である。
      庄内川・新堀川・名古屋港・水処理センターなど

    堀川には中下流部に問題が多い。
      新堀川の水が遡上してくることとも関係が深いように思われるので
      今後、堀川と新堀川を一緒に調べてゆく必要がありそうである。

    雨が降ると浮遊ゴミが増えるのではないか、と思われる。
      現状は、調査データが不足しているので、さらにデータを積み重ねる必要がある。


   第11ステージ以降の課題として意識してゆきたいと思います。

以下、報告内容です。



5ページ

 堀川の概要について。

 水の汚れの原因は、家庭や工場や店舗からの排水です。

 たくさん雨が降ると汚れた水がそのまま放流されることがあります。

 植物プランクトンの繁殖のもと(窒素やリン)は、家庭や工場や
店舗などの排水に含まれています。

 堀川では、潮の干満の差が2m以上のときもあります。

 赤潮(富栄養化)の状態の写真
 青潮(酸素不足)の状態の写真をご参考にしてください。



9ページ

 5年間の活動は、木曽川導水社会実験を市民の視線で検証するのと
あわせて、堀川を愛する人の輪を広げてきました。

 平成19年4月4月に、165隊、2,262人でスタートした
第3次堀川1000人調査隊は、平成24年2月20日現在で
2,379隊、21,334人に大きく成長しました。

 
   ⇒第1次調査隊、第2次調査隊から、第3次調査隊への流れは
     こちらを参照ください。


 堀川を愛する人の輪は、時間をかけて少しずつ大きくなっていきました。

 時々、ぽんと人数が伸びているところは、環境デーなごや、
なごや水フェスタ、堀川フラワーフェスティバルなどのイベント時に
調査隊の皆さんが堀川応援隊の勧誘活動をしていただいた成果です。

 堀川に関心をもち、堀川に愛着をもつ人の輪を広げることで
市民の意識は5年間で、大きく高まりました。


11ページ


 堀川1000人調査隊の大きな特徴は、調査の件数(サンプル数)の
多さです。

 第1ステージ〜第10ステージの5年間で、インターネットを使って
報告された定点観測のデータ数は、2,457件。

 行政の調査は、月1回、様々な箇所で行われますが、5年間で
約500件程度です。

 市民のこの多大なサンプル数でもって、堀川の実態解明は
大きく前進しました。


12ページ

 これまでの調査でわかってきたこと

 堀川の猿投橋から下流の区間(感潮区間)では、潮の干満によって
水域の様子が時々刻々と変化していることがわかってきました。

 また定点観測隊がたくさんの観測(いろいろな場所、潮の状態、
時間帯に観測)することで、堀川の平均的な状態をとらえることができ、
その変化の傾向がとらえられることがわかりました。

 そして、この5年間の成果として次のようなことを指摘することが
できました。

 1.猿投橋〜松重橋間で、木曽川導水による浄化の効果を
   確認しました。

 2.堀川の浄化と再生を願う市民のネットワークが拡大しました。

 3.清掃活動が活発化するなど、市民の浄化意識が向上しました。


 


16ページ


 潮の干満と堀川への影響について

 堀川は、潮の干満の影響を受けています。
 2m以上水位が変化する日もあります。

 昼間の干潮時の水位は、「秋〜冬」よりも、「春〜夏」の方が
低いということもわかりました。
 これは、地球の自転軸が傾いていることと関係があるようです。

 ※堀川1000人調査隊の定点観測は、通常昼間に行います。
   冬場と比べて、夏場の干潮時は水位が低いため、
  調査にゆく昼は、夜の干潮のときと比べて水質が悪い
  可能性があります。

   そのため、夏場は、冬場とくらべて堀川の印象が悪いという
   結果につながった可能性があります。



17ページ

 社会実験の主な施策の実施状況

 今回の社会実験では、木曽川からの導水は、平成19年4月から
22年3月まで行われました。

 木曽川からの導水が終わったあと、堀川では、
名城水処理センターのろ過装置の導入や、
堀川右岸雨水滞水池の供用開始などがあり、
特に上流部では、導水が終わった後、
堀川の水質が単純に悪くなったといえない現象が
確認されました。




18ページ

 堀川の水質と関係する水域の水質について

 木曽川の水質のうち、透視度やCODは比較的安定していることが
わかります。

 



19ページ


 それに比べて、庄内川の水質は、木曽川の水と比べて透視度が低く
CODが高いことがわかります。

 また、水質にはばらつきがあることがわかります。

  
 一方、名古屋港の水質は、春〜夏の値が、秋〜冬の値よりも悪く
ばらつきが大きいことがわかります。

 名古屋港の水は、潮の干満によって堀川にはいってくるため
堀川の水質への大きいこともわかってきています。




25〜26ページ


 水の汚れの印象について
 
 夏場は、導水期間中に比べ、導水停止後は、
城北橋〜朝日橋〜松重橋間で、印象が大きく悪化しています。

 夏場の導水による改善の効果は、この区間で顕著に
見られたことがわかりました。



 一方、冬場は、城北橋〜朝日橋間で導水期間中に比べ、
導水停止後は、印象が大きく悪化しました。

 夏場と比べて、冬場は、やや上流で改善傾向が
見られたことがわかりました。

 この原因については、名古屋港の水質が冬場によくなって、
松重橋あたりまでさかのぼってよい影響を与えていることも
推測されます。

29ページ

 水の汚れの印象の評価ポイントについて

  
「きれい」は透明感で、「きたない」は色で!


 調査隊の隊員が、「きれい〜どちらでもない」と感じたときは
主に「透明感」で評価していることがわかりました。


 逆に、「ややきたない〜きたない」と感じたときは、主に
「色」で評価していることがわかりました。



30ページ

 前日に雨が降ったときの水の汚れの印象について

  上流部では、雨が降ると主に「透明感」で評価していることが
 わかりました。

     上流部では、雨が降ったあとは透明度が下がる!

  中下流部では、雨が降ると、「におい」で評価していることが
 わかりました。

     中下流部では、雨が降ったあとはにおいが気になる!


32ページ


 透視度の変化

 夏場は、冬場よりも透視度が低いことがわかりました。

 導水中の夏場は上流部の猿投橋〜城北橋間で改善が
みられました。

 城北橋〜朝日橋付近は、5年間を通じて、他の区間と比べても
平均の透視度が低いことがわかりました。
  これは、市民の許容範囲である透視度70cmを下回って
いました。

  この区間は、名城水処理センター付近と一致していて、
 川底にたまったSSなどが、水処理センターから排水される水に
 よって攪拌されていることも推測されます。

  同水処理センターでは、平成22年5月より、ろ過装置が
 導入されていますので、放流水に含まれるSSは減っているため
 透視度が、今後どのように変化していくかも、着眼点のひとつです。


 


33ページ


 夏場の透視度の変化

 導水期間中と、導水停止後の比較では、城北橋〜朝日橋間で
透視度が大きく悪化しました。

 これにより、夏場の導水効果は、城北橋〜朝日橋間で顕著であったことが
わかりました。




 冬場の透視度の変化


 導水期間中と、導水停止後の比較では、城北橋〜朝日橋間と
朝日橋〜大瀬子橋間で透視度が大きく悪化しました。
  
  これにより、冬場の導水効果は、城北橋〜朝日橋間と
朝日橋〜大瀬子橋間で顕著であったことがわかりました。

 


36ページ


 水の汚れの変化と透視度(透明感)の平均値の関係

   
「きれい」の許容範囲は、透視度70cm以上。


 市民が見た堀川では、市民の許容範囲(きれい〜どちらともいえない)が
透視度70cm以上であることが統計処理によりわかりました。

 これは、5年間に約2,500件のデータを積み上げた分析結果であり
堀川1000人調査隊の大きな成果であると思います。


37ページ


 前日に雨が降ったあとの堀川の透視度について


 前日に雨が降ったとき、(当日は降雨なし)
朝日橋から下流の港新橋までの区間では、透視度が
低くなることがわかりました。



 上流部では、透視度が若干悪化する傾向は見られましたが
下流部ほど顕著ではないことがわかりました。


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 CODの変化

 夏場は、冬場よりもCODが高いことがわかりました。

 下流部の松重橋〜港新橋間は、上中流部の猿投橋〜松重橋間よりも
CODが低いことがわかりました。

 ※堀川には中流部に問題がありそうだということがわかりました。


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 夏場のCODの変化

 導水中と導水停止後を比較した結果、夏場についてはCODの
大きな悪化は見られませんでした。

 つまり、夏場については、導水によるCODの改善は確認できませんでした。


 冬場のCODの変化

 導水中と導水停止後を比較した結果、冬場については
上流部の猿投橋〜城北橋の区間、中流部の朝日橋〜松重橋区間で
CODが悪化しました。

 上流部では、導水によるCODの顕著な改善が見られました。

 中流部での改善は、大きな数値の変化ではないこと、名古屋港からの
海水の遡上の影響もあると思われることから、導水による改善であるか
どうかは確認ができませんでした。


 


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 前日に雨が降ったあとの堀川のCODについて

 
前日に雨が降ると、上流部の猿投橋〜朝日橋間で、CODが
低くなりました。

 上流部では、雨が降ると、透視度は悪化しますが、CODは
希釈されるようです。

 朝日橋より下流では、雨によるCODの変化は、確認できませんでした。

 名古屋港に近いところでは、若干下がっていますが、誤差の範囲内
かもしれず、さらなる調査による確認が必要だと思います。




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 あわの発生状況について

 導水期間中に、猿投橋〜城北橋間と、朝日橋〜松重橋間で
発生頻度が減少しました。

 導水終了後に、はっきりと増加に転じたというところまでは
確認できておらず、今後時間をかけて悪化してゆく可能性もあり
さらなる調査による確認が必要だと思います。


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 夏場あわの発生状況について

 朝日橋〜松重橋間では、他の区間よりも
川底からのあわの割合が多いという結果が確認されました。






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 冬場あわの発生状況について
 
 導水停止後に、あわの発生頻度が顕著に増加した区間は
ありませんでした。


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 においについて

左上写真  大潮の下げ潮時間帯の錦橋で、ヘドロが巻き上がり
        ヘドロ臭がした。

左下写真  大潮の下げ潮時間帯の納屋橋で、ヘドロが巻き上がり
        ヘドロ臭がした。

右上写真  大潮の上げ潮時間帯の納屋橋で、腐卵臭がした。

右下写真  大潮の満潮時間帯の錦橋で、強烈な腐卵臭がした。



55ページ


 においの発生状況

 導水中に、上流部の猿投橋〜城北橋間と、
中流部の朝日橋〜松重橋間で、「ひどくにおう〜におう」が
減少しました。


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 夏場のにおいの発生状況

 導水中と比較して、導水停止後は、名城水処理センター付近の、
城北橋〜朝日橋間、中下流部の松重橋〜大瀬子橋間で、
「ひどくにおう〜におう」が顕著に増加した。








58ページ

 冬場のにおいの発生状況

 導水中と比較して、導水停止後は、
中下流部の松重橋〜大瀬子橋間で、
「ひどくにおう〜におう」が顕著に増加した。



59ページ

 においの縦断的変化

 においの目立つ場所
   中流部の朝日橋〜景雲橋
         伝馬橋〜天王崎橋
   中下流部の尾頭橋〜大瀬子橋

 
  ※名工大河川調査隊のレポートより抜粋

  平成21年5月26日 大潮 五条橋・中橋で観測

  水位が高いうちは、水に透明感があり、導水の効果を感じることが
 できました。
   しかし、水位が下がってくると、一気に水が黒くなり、
 SS濃度も一気に上がり、側岸部に黒いものがわいてくるように
 現れてきました。
   においも激しくなりました。

   全面ヘドロで覆われているという状態ではなく、これでも改善
  されているのかもしれませんが、かなり見た目が悪く、においも
  発生しています。
   黒いものが、水の中へ墨絵のように流出している様子も
  見えました。

   


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 においの種類

 「どぶのにおい」と、「ヘドロのにおい」が8割以上を占めました。


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 色について

 錦橋で撮影されたものです。

 右上8番の写真
 
 淡灰黄緑色のときには、
 「卵の腐ったにおい(硫化水素臭)がする」
 「魚が苦しそうにしている」などの報告もありました。

  この色は、大潮のときより、中潮から小塩の間に
 多く見られることもわかりました。
 
  左下の写真
 平成21年7月22日  大潮 日食 午後7時頃(満潮時間帯)
   錦橋(下流向き、納屋橋方面)

  上流側は、灰黄緑色の水、下流側は少し青みがかった
 灰色の水だった。

  灰色の水があるあたりは、卵の腐った強烈なにおいが
 たちこめていた。

  そしてボラの幼魚が苦しそうに鼻上げ状態、アメリカザリガニが
 水際まで上がっていた。  撮影:かわせみ調査隊


62ページ

 出現した色の構成比について

  多く出現した色は、淡灰黄緑色、灰黄緑色、灰緑色でした。



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 「きたない〜ややきたない」のときに出現した主な色

   主に、「緑色」、「黄灰色」、「淡灰黄緑色」、「灰黄緑色」、
  「灰緑色」、「濃灰色」でした。


   「淡灰黄緑色」は、主に青潮(酸欠)の状態になったときの色です。

   「濃灰色」は、主にヘドロが巻き上がったときの色です。
   この色は、主に春〜初夏のステージで見られます。


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  大雨のあとの中川運河や堀川には
 おびただしい量のゴミが浮遊していました。


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  ゴミについて


 堀川に浮遊するゴミ(人工ゴミ)は、プラスチック系のものが
多く見られました。


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  浮遊物(人工ゴミ)の縦断的な変化


 浮遊物(人工ゴミ)が多い区間は

     城北橋付近
     松重橋〜大瀬子橋間 でした。


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  路上ゴミについて  確認頻度の変化


    路上ゴミは、減少傾向にあります。

    清掃活動の活発化、レジ袋の有料化などの社会的な
   環境の変化も影響しているのかもしれません。

    目にする頻度が最も高いのは、タバコの吸殻です。


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  生き物について


 ボラの大量遡上と大量死について

  平成20年に、堀川にボラが大量遡上して話題になりました。

  そのボラが、2月と3月に2回大量死する事件が発生しました。

  そのいずれも、大潮のときでした。

   また、いずれも、木曽川からの導水が停止、または中断していました。
  
   大量死の原因は?

     酸素不足が原因ではないかと考えられています。
     酸素不足になった原因としては、以下が想定されます。

     ・巻き上げたヘドロが水中の酸素を消費した。
     ・大量のボラが呼吸することで、水中の酸素が消費した。


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   汽水・回遊魚の遡上について


   堀川の中流域で、平成22年と23年の4月中旬から5月上旬に
  かけて、魚が大量死する事件が発生しました。

    平成22年と23年の共通点は?

    1.各年の最初の大量死であること(冬場にはない)
    2.魚種がコノシロであること。
    3.気温が15℃前後であること
    4.潮まわりが大潮であること
    5.まとまった雨がふったあとであること

    春先の大潮の時期で、まとまった雨が降ったあとに魚(コノシロ)が
    2年連続で大量死しているというのは興味深いことであり、
    今後も観察を続けると面白い発見につながる可能性があります。
   

76ページ

   
堀川の外来種について

   
左下の写真  

     トゲスッポンは、発見した2匹とも捕獲されました。

     ワニガメは、4匹発見され、うち2匹が捕獲されました。


83ページ〜91ページ

 第10ステージ以降の半年間(平成23年9月〜24年2月)の
間に開催された、学習会、イベントなどをまとめたものです。

 わずか半年だけでも、これほど活発な活動が展開されていることは
とても素晴らしいことだと思います。










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