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それでは、本日の本題に入っていきたいと思います。
お手元にお配りした青っぽい印刷の市民報告をご覧ください。
2ページをご覧ください。ここにある目次のうち、黄色い文字で
書かれた項目が、今回の特だしテーマになります。
あとの白い項目は、これまでのデータに37ステージのデータを
付け加えて整理したページです。
今日は、時間の制約もありますので、この特だしテーマを中心に
ご報告させていただきたいと思います。
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まず、9ページをご覧下さい。
37ステージの終了時までの約18年半の間に、皆さんが
調査してインターネットで報告いただいた調査件数は、
ついに20,000件を超えました。
そうした地道なデータの蓄積を使って、今回あらためて、
年度ごとに集計しなおした長期的な堀川・新堀川の変化を
見てみました。
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では54ページをご覧ください。
ここには主に猿投橋から朝日橋の間の上流区間、朝日橋から
松重橋までの中流区間、松重橋から大瀬子橋までの下流区間の
3つに分けて、07年度すなわち2007年度から2024年度までの
調査データの数を並べてあります。
ちなみにこのデータ数は、調査の前日や当日に雨が降った時の
データははずしてありますので データの総数は12,529件に
なっています。
その表の下に書いてあるのは名古屋市が実施した
堀川の水質改善施策を時系列で並べたものです。
これらの施策が、堀川の浄化にどのように効いてきたかを
見てゆくための表です。
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それではまず、57ページをご覧ください。
この表は、猿投橋から朝日橋までの上流区間をみたものです。
左側の項目を見てください。
水の汚れの印象のデータのうち、いわゆる5段階評価の
上から3つ、きれい、ややきれい、どちらともいえないの割合を、
2007年度から右に2024年度までの18年間並べています。
オレンジ色っぽいのは、印象が良くないことを表しています。
2007年度には28%であったのが、右に逝くにしたがって、
2015年度くらいからだんだん青っぽくなって、2024年度には
80%に達しています。印象が改善していることがとても
よくわかります。
次の段は、水の色の印象を表しています。
5段階評価の上から3つ、「快適」、「やや快適」、
「どちらともいえない」の3つの割合が、2007年当時は34%で
あったのが2014年度ころから改善し始め、2024年度には
89%まで改善しています。
3段下にとんで「におい」の欄をご覧ください。
2007年度には「臭わない」の割合が49%であったのが、
2014年度頃から62%と青っぽくなり2021年度以降は
ほとんど100%に近く改善しています。
私たち市民の感覚では、「水の汚れの印象」は、
「水の色」そして「におい」の改善に関係があることが
よくわかります。
その下のグラフは、数値的にそれが相関関係があるかどうか
を検証したものですが、一番左は、水の汚れと水の色の
相関関係、真ん中は水の汚れとにおいの相関関係、
一番右は水の汚れとCODの相関関係をグラフ化して
検証したものです。
それでは、なぜ2014年度くらいを境に堀川上流部の印象が
変わってきたのでしょうか。
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もう一度54ページに戻ってください。
54ページの下の部分、主な水質改善施策を見ていただくと、
木曽川からの導水は2007年から2009年度の3年間で
終わってしまっています。
しかしそのあと、2010年度からは名城水処理センターの
高度処理が始まっています。
またその下の堀川右岸滞水池の供用が開始されています。
また水源の確保のための「浅層地下水」が2013年度以降
次々に導水されています。
堀川上流部の印象改善は、この3つが大きく寄与していると
事務局では考えています。
特に、合流式下水道改善のための雨水滞水池は、
供用が始まってから実際に効果が現れてくるのに
3年から4年かかるといわれていますが、先ほどの
57ページのデータは、ぴったり3〜4年後の2014年から
2015年にかけて印象の改善が始まっていることを
示しています。
また私はほとんど毎日上流部の観察をしていますが、
名城水処理センターから放流される高度処理された放流水は
とても透明度が高くてきれいで、またその水量は、毎秒
約0.6トンともいわれていて庄内川の導水の2倍の水量があり、
この放流水が大きなきれいな水の塊を作って、上げ潮、下げ潮に
乗って移動すると、その付近がとても印象が良くなるというのを
私自身確認しています。
堀川上流部については、こうした名古屋市の施策が
非常に功を奏していると評価できるのではないかと
この表を見て再認識した次第です。
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.ところで59ページをご覧ください。
この表は、松重橋から大瀬子橋までの下流部を
整理したものです。
下流部は、一番上の水の汚れの印象が、2017年頃から
改善してきているのが分かります。
その下の「色」をご覧ください。色も2017年度頃から
改善してきています。
注目していただきたいのは、その一段下、
「ヘドロ系の色の割合」です。
木曽川導水のあった2007年から2010年頃は23%, 31%, 22%
つまりそのころは堀川を見ると3回に1回くらいはヘドロ系の
黒っぽい色をしていたことがわかります。
しかし、2019年頃からその割合はぐっと減り、
10%以下になって現在に至っています。
一方でその下の白濁系の色は逆に増加傾向にあります。
白濁系の色は、水中の溶存酸素が不足気味な時に
現れますから、堀川下流部は、ヘドロ系の真っ黒な色から、
貧酸素を示す白濁系の色にかわってきた、しかし色の印象
そのものは以前ほど悪くない、水の汚れの印象も改善して
きている、ということが、この表でわかります。
またにおいの欄を見ると、白濁系の色はしているけれども、
「におわない」の割合は2017年くらいから急速に改善し
現在では、ほとんどにおいを感じないことがわかります。
つまり白濁系の色はしていても、それはそれほど強い白濁
ではなく、硫化水素臭などは感じていない程度に改善して
いると言えるのだと思います。
じゃあ、これはどうしてこうなったのでしょう。
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少し戻って18ページをご覧ください。
名古屋市では、堀川の下流部から順番に護岸工事を進め、
その護岸工事が終わると川底を掘って、ヘドロを除去しています。
令和6年度までに岩井橋までヘドロの除去が進んでいます。
松重橋から大瀬子橋の間は、その工事が完了し、
ヘドロの除去が終わっています。
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もう一度59ページをご覧ください。
松重橋から大瀬子橋の間は、ヘドロの除去の効果が
徐々に出て、特に2019年以降、ヘドロ系の色が
見られるのは10%以下、臭いを感じない割合は
80%以上という数字につながっているのではないかと
思われるのです。
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一方、ヘドロの除去がまだこれから、という
中流部はどうでしょうか。
58ページをご覧ください。
朝日橋から松重橋の間のいわゆる中流部、
名古屋市の中心部といってよい場所ですが
こちらはまだヘドロの除去がこれからという場所です。
一番上の汚れの印象については、青い部分がありません。
2段目の水の色についても同じです。
水の色は、ヘドロ系、白濁系、いずれも青い色にはなって
いますが、数字をみると一桁はなく、30%前後で
推移しています。
「におわない」の割合は、2017年頃から少しずつ
良くなっています。
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これについては、57ページの堀川上流部で
2015年頃から「におわない」の割合が高くなっていますが、
堀川右岸雨水滞水池など、合流式下水道改善で、
上流部の水質がよくなり、その効果が中流部に少し遅れて
寄与し始めているのではないかと思われます。
つまり中流部は、ヘドロの除去が進んでいないという
悪条件の中でも、上流部の水質改善の好影響を受けて、
次第に臭わない川にかわってきている、ということが
言えるのではないかと思います。
そして今後のことを考えると、まずは中流部のヘドロの除去
が進むと大きな改善が見込まれるのではないか、
さらには、私たちが熱望している木曽川からの導水が実現して、
上流部から流れてくる水がさらに良い水質になったら、
今課題が残っている堀川中流部の水質も、
様変わりしてくるのではないか、
そういう大きな期待がもてるのではないかと思います。
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実は、この年度別、区間別の表は、今後、木曽川からの
導水が実現したときに堀川の水質がどうかわってゆくのか、
というのを見える化するために今年初めて作成しました。
まだ完全に稼働していない堀川左岸滞水池が本格的に稼働して
上流部の水質改善がさらに進み、中流部のヘドロの除去が
進み、そしてそのうえで木曽川からの導水が実現したときには、
堀川中流部の印象はガラッとかわるのではないか、
その時は中流部のこの表が、すべて青色に変わるのではないか、
そんな期待と希望を持っている次第です。
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それでは、次の話題に移りたいと思います。
134ページをご覧ください。
先ほどもビデオでみていただきましたが、昨年に引き続いて
今年もアユの遡上を確認しました。
このアユが、海から遡上してきたのか、あるいは
上流の庄内川から落ちてきたのか、確実なことは
わかっていません。
しかし事務局があえて「遡上してきた」と考える根拠は、
今年アユがいた場所にハゼの仲間、ボラの仲間が
一緒に泳いでいたことです。
ここには写真を掲載していませんが、志賀橋の下流で
アユを見たとき、すぐそばにハゼの仲間、ボラの仲間が
一緒に泳いでいたのを私も確認していて、アユが海から
上がってきていても全くおかしくない、と思った次第です。
先ほどの話で、堀川の中流部にはまだ課題が残っていると
お話をしました。
確かに以前の堀川であれば、中流部を通り抜けて
アユが上流まで上がってくることは想像もできませんでした。
しかし2015年頃から中流部も「臭わない川」に
変わってきていることを考えれば、アユが上がって
こられる川になったことをうれしく思う次第です。
しかし一方で、実は今年、中下流部で8年ぶりに
ボラの大量死が発生しました。
堀川は本当にきれいになってきているのでしょうか?
それともまだ何か問題をかかえているのでしょうか。
データをもとに今回の死魚発生のメカニズムについて
仮説を立ててみました。
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135ページをご覧ください。
写真のすぐ上の黄色い文字をご覧ください。
今年6月25日に熱田区で活動する地球?楽部調査隊から、
御陵橋など白鳥付近で顕著な白濁が見られ、
ボラの死魚が浮いているという第1報を事務局が受けました。
その後6月26日には、松重橋付近からきらく橋に及ぶ
約7kmの範囲に1200尾のボラが浮いているという情報が
ありました。
ボラが大量に浮いたのは、なんと2,892日(約8年)ぶり
になります。
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136ページをご覧ください。
死魚が発生した6月25日は新月の大潮でした。
大潮で水の流れが速かったことで広範囲に
死魚が広がったと考えられます。
また、数日前にちょっとまとまった雨が降っています。
また上のグラフの赤い折れ線グラフは気温を表しています。
今年の6月は記録的に気温が上昇していました。
悪条件がかさなっていたことがわかります。
それは過去の記録を見るとわかります。
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137ページをご覧ください。
堀川・新堀川における過去の死魚の発生した条件が
整理してあります。
この表のオレンジ色に塗りつぶしてあるのは
大潮など水位の変化の大きいときに死魚が発生した
ときです。
特徴的なのは、汽水・回遊魚が遡上してくる4月から6月に
多いこと、
死魚が発生する数日前にまとまった雨が降っていることです。
魚が死んだ原因のほとんどは、DOすなわち水中の
溶存酸素の低下です。
今回も大潮、事前の降雨、そしてさらには記録的な高温
という悪条件が重なって、久しぶりのボラの大量死が
発生したと考えられます。
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今回の堀川における死魚の発生のメカニズムについて
仮説を立ててみました。
138ページをご覧ください。
今回のキーワードは3つあります。
左側の大きな文字をご覧ください。
ひとつは「記録的な高温」、そして「河道の形状」、
さらに「魚類の生息数の増加」です。
一つずつ見ていきます。
今年の記録的な高温のもと、今回の貧酸素水塊は、
一つは新堀川で生成され、大潮の下げ潮によって
堀川に流出したものと考えています。
下の写真は、堀川応援隊の川本さんという方が
6月25日の新堀川最上流部の様子を撮影して
送ってくださったものです。
新堀川では、6月25日の朝の時点で水域が貧酸素化して
硫化物が生成され、川底の泥が浮上、浮遊して水の色が
白濁している様子が確認されています。
もう一つの貧酸素水塊は、住吉橋の下流で
できたものと考えています。
堀川は、住吉橋の下流で急に川幅が広がっているのですが、
6月の記録的な気温の上昇と、大潮直前に降った雨によって
汚濁物質が堀川に流入し、一時的に貧酸素化しやすい
環境になったと考えています。
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139ページをご覧ください。ホリゴンの吹き出しのところに、
6月25日に白鳥付近の数か所を定点観測していた
地球倶楽部調査隊が、住吉橋から御稜橋にかけて
一帯が黄灰色に白濁し、魚の死骸が浮いていたことを
記録し報告しています。
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136ページに戻ってください。
二つ目の河道の形状のところをご覧ください。
住吉橋の上流は、川幅が急に狭くなっています。
大潮の上げ潮時間帯に、住吉橋の下流側に発生した
新堀川と住吉橋下流を起源とする貧酸素の水塊が、
住吉橋上流の狭い空間に一気に押し上げて、
貧酸素の水塊が強混合状態、つまり貧酸素水塊が
圧縮されたような状態になったのではないか、と
事務局では考えています。
そしてそもそも、最近の住吉橋の下流側では、
普段から水面がさざ波だつほど、無数といってもいいくらいの
ボラが生息していて、カワウがそれを狙ってよく集まってきて
います。
この無数のボラの一部が運悪く、その住吉橋上流に
できた凝縮された貧酸素水塊に巻き込まれて死んでしまい、
その死骸が、大潮の満ち引きによって広範囲に広がって
しまったのではないか。
これが私たち事務局が立てた仮説です。
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それを分かりやすく説明しようと試みたのが
140ページから142ページの図です。
まず140ページの上の平面図をご覧ください。
新堀川からは大潮の下げ潮によって干潮時に堀川に、
貧酸素の水塊が流入したことが考えられます。
その下の断面図をご覧ください。堀川の方でも
住吉橋下流の川幅が広がった区間の低層、
つまり深い場所で貧酸素の水塊が出来上がったと考えています。
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これが上げ潮になるとどうなるか。
141ページをご覧ください。上の平面で見ると
上げ潮によって貧酸素水塊は、一部は新堀川にも戻ったと
思われますが、大潮の強い流れで、新堀川から流れ込んだ
貧酸素水塊、住吉橋下流の深い場所でできた貧酸素水塊が
住吉橋に押し寄せ、川幅が狭くなった場所に押し上げてゆきます。
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142ページをご覧ください
住吉橋の上流の狭い水域に貧酸素水塊が
強混合の状態になって埋めつくし、運悪くこの場所に
巻き込まれたボラが逃げ場を失って1200尾の死魚が
発生してしまった。
これが事務局が今回立てた仮説です。 |
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しかし私たちは、1200尾という死魚の数は、
現在の堀川に生息するボラの無数ともいえる母数から
考えたとき、それほど大きな数とは感じませんでした。
最初にも報告させていただいたように、堀川の下流部は
ヘドロの浚渫の効果もあって、ヘドロ系の色が少なくなり、
臭いもなくなって、無数のボラを狙ってカワウの大群が
飛来する光景を頻繁に見ます。
冬鳥もたくさん渡ってくるほどエサとなる魚が増えています。
今回は、記録的高温が続いた中で、たまたま大潮と降雨という
悪条件も重なって、地形的な要因でできてしまった貧酸素水塊
の罠に一部のボラが巻きこまれて死魚の発生してしまいましたが、
これだけをとらえて堀川の水質が悪化していると考えるより、
むしろ魚が増えすぎて、悪条件の中で、たまたま一部のボラが
死んでしまったのであって、これが堀川の水質が以前より
悪化したためと考えるのは違うのではないか、と事務局では
考えています。
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ただし、前回の調査隊会議でもご報告しましたが、
新堀川の水質は依然として、改善どころか貧酸素の状態が
ひどくなっていることは確かであり、今回の死魚の発生にも、
水質悪化が続いている新堀川から、大潮の大きな水位変化
によって、新堀川でできた貧酸素水塊が堀川に移動流入して
きた可能性が高いことは問題があると考えています。
新堀川の水質改善の必要性を改めて認識したいと思います。
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次に新堀川の別の話題に移りたいと思います。
今年6月10日、11日に、名古屋では99mmの
大雨を記録しました。
また数日後の6月14日には、45mmの大雨を
もう一度記録しました。
実はこの最初の雨のあと、新堀川はひどく白濁し、
川底からは真っ黒な泥が浮き上がって水面に浮いていました。
ところが2回目の雨のあとの新堀川は、においも白濁もなく、
非常にきれいな状態でした。
大雨のあとは、汚濁物質が新堀川に流れ込み、
その後白濁がひどくなる、というのがこれまで私たちの
固定観念の中にありましたので、2回目の雨のあと、
新堀川がきれいになっていたのには大変驚き、
なぜなのだろうと事務局でいろいろ意見を戦わせ、
仮説を立ててみました。
それをこれからご説明します。
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まず88ページの写真をご覧ください。
このページの写真は舞鶴橋から記念橋までの
最上流部の様子が記録されています。
左側は、6月10日、11日に大雨の降った後の
6月13日の新堀川の写真です。白濁がひどいことが
写真でお分かりになると思いますが、腐卵臭、
つまり卵の腐ったようなにおいも観測され、
川底からは泥がはがれて浮上していました。
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89ページはその下流の宇津木橋から大井橋、
90ページは向田橋の写真です。
向田橋では川底から泡とともに浮上した川底の泥、
つまりヘドロがはがれたものが浮いているのが
写真で記録されています。 |
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もういちど88ページに戻ってください。
右側の写真は、6月14日に大雨の降った後、
堀川応援隊の市民の方から、新堀川がすごくきれいです、
という情報をいただき、6月20日に、事務局で現地を確認
したときの写真です。
この日は、1週間前のような白濁はなく、腐卵臭も
感じませんでした。
左右の写真を見比べていただくと違いが一目瞭然です。
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89ページは、その下流、
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90ページはそのまた下流の向田橋の様子を記録した
写真です。
いずれも左側の写真とは全く違った光景になっています。
右側の写真では、川底のヘドロの代わりに、
護岸の平らなところに付着してできた藻の仲間が
マットのようになって、それが干潮時に乾燥して剥がれ、
満潮時に浮き上がって水面に浮遊していた様子が見られました。
この左側の新堀川と右側の新堀川、同じ大雨のあとの
同じ川が、なぜこのように違いが出たのか、
それに対して事務局で仮説を立ててみました。
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86ページの左下の絵をご覧ください。
家庭から出る生活排水つまり汚水は、道路の下に
埋設されている下水管路を通って下水処理場に運ばれ
下水処理場で処理されてから新堀川に放流されています。
下水処理場からは高級処理された水のみが
新堀川に放流されています。
左側の絵は雨の降っていない6月13日の状態です。
次に右側の6月14日、大雨の降った状態の絵を
ご覧ください。
家庭から出た汚水、雨どいからの雨水、そして
道路面に降った雨水が下水管路に一緒になって
一気に流れ込み、下水処理場に送り込まれたのですが、
途中で、下水の管路が満杯になってしまって
全部の水を処理場に送り込むことができなくなってしまいます。
それでやむなく途中にある雨水吐き室から新堀川に、
汚水の混ざった雨水が新堀川に流れ出しています。
一方処理場に流れ込んだ雨水も下水処理場の
高級処理できる能力を超えてしまった分は、
ろ過など簡易的な処理だけされて、(未処理のまま)
新堀川に大量の雨水が流れ出しています。
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同じことが、6月10日と11日に大雨が降った時にも
起こったのですが、その結果は10日、11日の大雨のあとの
新堀川は非常に白濁がひどくなり、においもひどかった、
一方で6月14日に大雨の降った後の新堀川は、
むしろ新堀川はきれいになって、白濁もにおいもなかったのです。
この二つの違いは何だったのでしょうか。
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事務局が立てた仮説が86ページの左上の赤い文字で
書いてあります。
10日、11日に雨が降った時には、その雨が道路面や
下水管路の中の汚れを押し流して、大量の汚濁物質を
新堀川に流入させてしまったのではないか。
そのイメージを説明したイラストが91ページの下の絵です。
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もういちど86ページに戻ってください。
青い文字で書いてある、6月14日の大雨(45mm)の欄を
ご覧ください。
最初の大雨のあと3日後に降った2回目の雨の時は、
道路面や下水管路についた汚れがすでに一掃されて
きれいになっていて、大量の雨が新堀川に流れ込んでも、
むしろきれいな水が大量に新堀川に流入したために
川底に停滞していた低層の水を希釈し、海の方に
押し流してしまったのではないか。
そのために新堀川では6月14日以降しばらくの間、
川の深くの水や、川底の泥の中で白濁の元となる
硫化物が生成されたり蓄積されたりしにくい環境になった、
これはあくまでも一時的な環境の変化だと思いますが、
6月20日に観察した時点でもその改善効果が持続して
いたのではないか。
これが事務局が立てた、2回目の大雨が堀川を
むしろきれいにした理由の仮説です。 |
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この86ページの下のイラストと、先ほどの91ページの
下のイラストの違い、
つまり86ページの絵はきれいな水が新堀川に流れ込み、
91ページの絵は、下水管路や道路面などの汚れを洗って
汚れた水が新堀川に流れ込んでいます。
この違いがお分かりになるでしょうか?
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もういちど確認のため91ページをご覧ください。
6月10日の大雨は、約1週間ぶりの雨でした。
それに対して、6月14日の大雨は6月11日に降った後、
中2日おいて降った雨でした。
14日に雨が降った時には、直前の雨で、下水管路の中は
すでにきれいに洗われていて、管路の中の汚れがあまりなく、
また道路面などの汚れもある程度きれいになっていて、
そのためにきれいな水が新堀川に大量に流入したのではないか、
そう考えているわけです。
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一方で、別の要因が絡んでいる可能性もあります。
それは、6月13日に観察した日は大潮であったこと、
6月20日に観察した日は小潮であったことです。
121ページをご覧ください。
ここから126ページまでは、堀川と新堀川について
大潮や小潮など潮回りによる違いを整理しています。
ここでは新堀川だけについてみていきます。
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123ページをご覧ください。
右上のグラフは、新堀川について潮回りごと、
そして上流から 下流まで区間ごとに区切って、
水の汚れの印象がきれい、ややきれい、どちらともいえない
の上位3つに記録された割合を示しています。
例えば一番右、宇津木橋から舞鶴橋の間で見てください。
これまでに報告されたデータの数は 419件、
そのうちオレンジ色の大潮の時は、上位3つまでに
評価された割合がわずか23%、 青色の小潮の時は
37%とかなり違うことが分かります。
その左に行くにしたがって下流に行くのですが、
どの区間も同じように、大潮の時は印象が悪く
小潮の時の方が大潮の時と比べて印象が良い、
という結果が出ています。
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124ページの右のグラフをご覧ください。
水の色が酸素不足を示す白濁系の色が現れた割合を
示しています。
最上流部、つまり一番右のグラフで見ると、オレンジ色の
大潮の時は、青い色の小潮の時よりも白濁が少し
多くなっています。
その左の少し下流の立石橋から宇津木橋、
そのまた下流の内田橋から立石橋のグラフを見ても
小潮より大潮の時の方が白濁の割合は多くなっています。
とはいっても真ん中のグラフ以外は数字に
それほど大きな差があるわけでもなく、新堀川は
白濁する割合が多いなあ、ほんとに大潮と小潮で
そんなに違うのかしらん?と思わないでもありません。
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私が言いたいのは、今回の6月13日と20日の調査結果
だけでは、大雨のあとになぜ、 きたなかったり、
きれいだったりするのか、と言い切ることは難しいということです。
おそらく、私たちが立てた仮説、すなわち、大雨が降った
すぐそのあとの大雨が降った時には新堀川の川底の水が
きれいな水に入れ替わって一時的に白濁が発生しにくい
ような状況になる、ということは正しいと思っていますが、
それ以外にも潮回り、あるいは気温などのほかの要因も
複雑に絡んでいる可能性があります。
私たちに求められていることは、こうして立てた仮説が
正しいかどうかを、これから未来にかけてデータを蓄積して
検証し、新堀川で起きる現象を少しずつひもとき
説明することによって、将来の浄化につなげてゆくことだと
思っています。
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また今回改めて思ったことがあるのですが、それは
「雨」あるいは「大雨」という自然の恵みを、浄化のための
貴重な水源として直接活かすことができないかということです。
これについてはまた、のちほど名古屋市さんに
お尋ねしたいと考えていますが、せっかく降った雨を
生活排水と合流させて一緒にしてしまわず、
単独で雨だけを新堀川に流すことはできないのでしょうか。
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民地に関しては、費用のかさむパイプの切り分けが
難しいこともあるかと思います。
しかし、公共の 建物、あるいは大手の企業が
新堀川のまわりにはたくさんありますので、
そういう企業さんに協力がいただければ、何らかの助成金も
活用して、たとえば工場などの大きな屋根に降った雨を下水と
合流させてしまわないで、何とか新堀川に直接雨水を流して、
貴重な浄化用水として利用できないものでしょうか。
それができれば、貴重な水資源を有効に活用し、
健全な水循環を目指すという意味でもとても意義があるのでは
ないか、そのように思いました。
これについてはのちほど名古屋市さんにお聞きしたいと思います。
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さてそのほかの項目については、簡単にご説明を
させていただきたいと思います。
最初は、堀川上流部の護岸の除草についての観察から
わかってきたことです。
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127ページをご覧ください。
わたしたちは、水質改善のために植えられたヨシを、
刈り取りせずにそのままにしておくと、翌年新しいヨシが
生えてきて、前の年の枯れたヨシを川の中に押し倒し、
その枯草が潮の満ち引きで行ったり来たりして景観を悪くし、
またやがては沈んで新たなヘドロになってしまうことに気づき、
ヨシの刈り取りを名古屋市にお願いしました。
それをうけて名古屋市では、2022年度から
ヨシとともに護岸の雑草や雑木も刈り取ってくださり、
また2023年度から2024年度、2025年度の3年間は
その除草を年2回実施してくださっています。
その結果、水面に浮いていたヨシなどの枯草は激減しています。
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128ページの下の写真をご覧ください。
堀川上流部の護岸は急傾斜の斜面になっていて、
除草作業はとても危険で大変な仕事です。
そのために除草しても、刈り取った草が回収しきれずに
水面に落ちてしまい、それが長期間漂流するという
現象が出ていました。
128ページの下のふたつの写真がそれを記録したものです。
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私たちはこの点に対してもこれまでに指摘してきたのですが、
今年はとても素晴らしい工夫がされていて、水面に浮かんで
漂流する枯草がめっきり見られなくなっています。
129ページをご覧ください。
上の写真は、刈り取った草を、作業員の方たちが水の中に
入って回収されているところです。
その下の写真をご覧ください。
これは黒川橋の下にロープを張って、枯草がそれより上流に
遡上しないようにしていました。
あとでまとめてこの草を回収したと思うのですが、こうした
工夫は金城橋の下でも見かけました。
大変なご苦労であったと思うのですが、今年は水面を
浮遊する枯草が激減しました。
とてもありがたいことと思います。
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もう一つ、別の気づきがありました。
それは、第1回目の除草をする時期によっては、
すぐに早々と雑草がまた成長してしまうのですが、
1回目の刈り取り時期を工夫するとその効果を
長引かせることができるのではないかという気づきです。
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130ページの写真をご覧ください。
左側は、2024年度の記録です。
この年は6月10日ころに第1回目の除草作業が行われました。
2か月後の8月19日には、ほとんど除草する前の状態に
戻ってしまっていました。
右側は今年2025年度の記録です。
今年は1か月遅れて7月9日ころ除草作業が行われました。
2か月後の9月8日には、やはりほとんど除草する前の状態に
戻ってしまいました。
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次の131ページをご覧ください。
2年前の2023年度は7月18日ころ除草作業が行われました。
前のページの写真と比べて、2か月後の写真は、
少し成長が遅いように感じられます。
事務局で検討した結果、この違いはおそらく梅雨の期間は、
梅雨明け後よりも植物の成長が著しいからではないか、
という考えに至りました。
同じ除草するなら、効果を少しでも長く持続するために、
梅雨明けから除草をした方が、ひょっとして効果があるのでは
ないだろうか。
そういう仮説を考えています。
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今後、中土戸橋の上流では、IGアリーナや名古屋城などの周辺施設の利用や、親水・散策などの水辺利用も盛んになるかと思います・そういうことも考慮しながら、少しでも効果的な除草の時期を考えてゆくことが必要だと思います。そのためにも私たちは情報を蓄積してゆく必要があり、そのために、観察・記録を継続してゆくことが必要だと考えています。
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最後に津波と堀川についてです。
143ページをご覧ください。
7月30日8時25分頃に発生したカムチャツカ半島付近を
震源とする地震の津波が堀川にも到達しました。
名古屋港の潮位の偏差は最大で40p弱でしたが、
堀川では押し波と引き波の影響で底の泥が舞い上がり、
水の色が真っ黒になりました。
そして水面付近を苦しそうに漂う魚の姿も見られました。
この動画が堀川1000人調査隊のYoutubeにアップしてあります。
このQRコードを読み込むと動画が見られますが、
最後にこの動画をご紹介して事務局の報告を終わろうと
思います。
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⇒津波の動画はこちら
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以上で第37ステージの皆さんからの報告に基づく
市民調査結果のご報告を終わります。
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